以前、電流測定の補助具を紹介しました。補助具も使用していると面倒しくなります。特に、故障探求中に外れたり、邪魔になったりします。

 検討を重ねた結果、機能を強化して「供給電圧切り替え機能及び電圧・電流測定機能付き電池式電源」を試作しました。

(1)機能

 ①電源は電池を使用する。(場所を選ばないで使用できる。)

 ②オモチャへの供給電源は単3電池4本で行う。

 ③供給電圧は1.5V、3V、4.5V、6Vに固定し、切り替えて使用する。

 ④オモチャへの通電時、電圧と電流を同時に、かつ常時測定できる。

 ⑤OUTPUTスイッチによりオモチャを保護する。

 ⑥電流測定はローサイドで測定する。

 ⑦電圧・電流計の電源は単4電池3本(4.5V)で行う。(計器電圧:5V)

 ⑧本装置とオモチャは確実に簡単に接続できる。(ICクリップ又はミノムシクリップを使用)

(2)製作

 安価に製作するためにアリ・エクスプレス及び廃品の利活用を図りました。部品を集めに時間が掛かりました。

 ケース(BOX)の加工に時間が掛かりました。ケースは廃品の中継BOXを利活用したため、穴が開いており、パッチ当てしながらの製作でした。
 プラスチックの容器であればドリルとヤスリで簡単に容易に加工できます。 

 配線作業は部品点数も少なく、簡単な回路ですから短時間で終わります。

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(3)回路図

電源回路図02












(4)製作に必要な部品は次のとおりです。

品名

規格

数量

 

本体

 

 

 

デジタル電圧・電流計

電源電圧5V、0~30V、2A

 

切替スイッチ

1回路4接点

電池電圧切替用

ロッカースイッチ

2回路ON-OFFの2接点

電源用

ロッカースイッチ

1回路ON-OFFの2接点

OUTPUT用

DC電源ジャック

 

1

出力用

単3用電池ボックス

1本用

オモチャの電源用

単3電池

 

オモチャの電源用

単4用電池ボックス

3本用

計器用

単4電池

 

3

計器用

ケース

何でも可

容積:1L以上

線材

赤、黒等 AWG22

所要量

 

 

 

 

 

接続用ケーブル

 

 

 

DC電源プラグ

 

 

ミノムシクリップ等

赤、黒

各1

 

線材

赤、黒 AWG22

所要量

約50cm

 

 

 


(5)使用方法

 ①オモチャの受入検査(目視点検、電池容量確認、機能確認(通電を含む。)など)を行う。

 ②オモチャの電池BOXの電池を全て取り外す。

 ③オモチャの使用電圧を確認する。(電池の直列接続、並列接続、分圧供給)

 ④本装置の「電源スイッチ」、「OUTPUTスイッチ」が「OFF」になっていることを確認する。

 ⑤本装置の「切替スイッチ」を切替えて、使用電圧に「セット」する。

 ⑥本装置とオモチャの電池BOXを「接続用ケーブル」で接続する。(プラス、マイナス)

 ⑦本装置の「電源スイッチ」を「ON」にする。

 ⑧本装置の「電圧計」の表示電圧がオモチャの使用電圧になっていることを確認する。

 ⑨オモチャの使用電圧になっていれば、「OUTPUTスイッチ」を「ON」にする。

 ⑩オモチャに電圧が印加されるので、電圧と電流を本装置の「電圧計」と「電流計」で測定する。
 ⑪測定結果及び受入検査結果を総合し、電子回路の大まかな状態を把握して、故障探求を始める。

DSC01212 












 
 これで使用が簡単、かつ容易になりました。故障探求中の微妙な変化にも対応することができます。
 画像をアップしました。
 回路図をアップしました。
  AuthorTakakura