6月21日付で、本学国際学術院所属の教員1名を停職(4カ月)の懲戒処分といたしました。
1.懲戒処分の対象教員
大門 毅(ダイモン タケシ 国際学術院教授)
2.経緯
本学監査室による内部監査の結果、本学教員の研究費の取扱いに係る不正行為の疑義が生じ、2023年2月より本学において調査を開始しました。
3.不正行為の概要
①本学の教員等が国内及び海外出張を行うために出張旅費の支給を受けようとする場合、本学における出張システムを通じて、事前に出張申請を行い、事後に出張報告を行うことになっています。しかし、当該教員は、実際には予定していない国内出張の用務を記載するなどして虚偽の出張申請を行い、また、出張後、当該用務を行った旨の虚偽の出張報告を行い、「科学研究費助成事業 基盤研究(B)」(配分機関:日本学術振興会)を財源とした2021年度の研究出張に係る出張旅費(合計157,500円)を不正取得しました。
②海外での学会出席及び発表を用務として出張申請を行い、海外へ渡航しましたが、実際には出張申請に係る学会出席及び発表を行っていませんでした。それにもかかわらず、上記学会出席及び発表を行った旨の虚偽の出張報告を行い、学内経費を財源とした2019年度の研究出張に係る出張旅費(合計110,050円)を不正取得しました。
4.調査結果
本件に関する本学の調査結果は次の通りです。
5.根拠規定
教員の表彰および懲戒に関する規程 第6条第3号
6.本学の対応
研究費の取扱いについて、本学ではこれまでも度々不正行為が判明しており、事態の重大性を深刻に受け止め、次のとおり再発防止に努めてまいる所存です。特に公的研究費は国費による研究助成金によって賄われており、これに関して不正が行われたことは慙愧に堪えず、深く反省しております。
この度の不正行為により皆様の信頼を損なうとともに、多大なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
①教職員に対する本事案の共有および注意喚起
本学として、今回の研究不正事案の内容を教職員に共有し、再発防止のための強い注意喚起を行う。
②研究費不正に対する危機意識醸成を目的とする意見交換会の実施
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の遵守徹底に向けた統括管理責任者とコンプライアンス推進責任者との意見交換会を実施し、研究費不正に対する危機意識の醸成を全学的に図る。
③宿泊証明の提出および実費精算
公的研究費に関して、出張システムでの学会・研究出張における出張報告書への添付書類として、宿泊したことを証明できる根拠書類の提出を義務付け、実費精算とすることを検討する。
④研究実施にかかる根拠資料の提出
公的研究費に関して、出張システムでの学会・研究出張における出張報告書への添付書類として、出張先での研究の実施を証明できる根拠資料の提出を義務付けることを検討する。
⑤航空運賃を他機関等が負担する場合における搭乗証明等の提出
出張システムでの学会・研究出張における出張報告書への添付書類として、航空運賃を他機関等で負担してもらうケースでも、飛行機に搭乗した事実が証明できるものまたは他機関等が航空券を手配したことが証明できる根拠書類の提出を義務付ける。なお、本対応は今回の事案を受けて2023年度より実施しており、今後も必要に応じて実施方法等の見直しを図り継続していく。
⑥リスクアプローチ調査の実施
研究費の管理・執行が適切に行われているかどうかのモニタリングにおいて、リスクアプローチ調査として出張先等への事実確認を行うとともに、事前にその実施内容に関する周知を行うことで、研究費不正に対する抑止力の強化を図る。