「北欧神話の史跡を見て回るわけだが――神話にあるスレイプニルは知っているな？」
「ウマ娘の神様だね」
「うむ。ではその誕生の経緯は知っているか？かつてこの世界には神々の国（アスガルズ）があった。
そこへ名もなき石工がウマ娘であるスヴァジルファリを連れて来て、城壁を建設することを申し出た。
石工は報酬として美の女神フレイヤ、太陽、そして月が欲しいという。
……余談だがフレイヤは淫蕩な神として知られており、実の兄や小人の職人たちとも交わったほどだ……
ともあれ神々はこれを過ぎた要求だと考え、「スヴァジルファリの他に誰の手も借りてはいけない」と条件をつけた。
二人だけで城壁を建てるのは不可能だとたかをくくっていたわけだな。

見る見るうちに出来上がっていく城壁を見て、神々は恐れをなした。そこで妨害のためにロキが遣わされた。
ロキはウマ娘に変身してスヴァジルファリを誘惑し、作業から遠ざけてしまった。
そのために石工は期限内に城壁を完成させることができなかった。
またその際にロキはスヴァジルファリの種で子をなし――それがスレイプニルとなったわけだ。
精強なウマ娘が、次世代の神馬を生んだのだ！さあトレーナー。
対話（ダイアローグ）の時間だ。この話を聞いてどう思った」
ギムレットはこちらの目を真っすぐに見据えて、そう問うてきた。
「うん。凄く面白かった！今日はもう時間も遅いから、明日も話を聞かせてくれ！」
「はい」

翌日はデンマークへ飛んだ。ここにはかつてヴァイキングが領していたころの史跡が色濃く残っている。
ここも三日かけて各地を巡り、北海の海鮮に舌鼓を打ち、そしてまたホテルに帰った。
ホテルでは毎夜のごとくギムレットが神話について教えてくれた。
「明日はいよいよギリシアだが、ゼウスは非常に多情な神として知られている。レダと白鳥のエピソードは知っているか？」

「レダはスパルタ王の妃だったが、ゼウスはレダにひそかに近づこうと考えていた。
ゼウスは白鳥に化け、鷲に追われているふりをしてレダの元に飛んでいった。
レダは白鳥を助け、彼を抱きしめた。そこでゼウスはレダと交わり――4人の子を産ませた。
またこんな話もある。
アルゴスの王アクリシオスの娘であるダナエは、神託によって地下の青銅の塔に閉じ込め、外界から隔離していた。
ゼウスはこのダナエの美しさに魅了され、彼女に恋をした。
ゼウスはアクリシオスの厳しい監視を逃れるため、金の雨に変身して部屋の中に侵入して…子をなしたのだ。
どうだトレーナー。この話を聞いてどう思った？朝までゆっくり語り合わないか？」
ギムレットはこちらの手を握り、そう問うた。心なしか目が据わっている。
「うん。凄く面白かった！時間が経つのがあっという間だった！ギムレットも今日はもう部屋に戻ろう！」
「はい」

ギリシア入りしてからはギムレットのテンションも最高潮だった。
あれも見たいこれも見たいと、腕を抱くような形で子供っぽくぐいぐいと引っ張って来る。
パルテノン神殿やディオニソス劇場などのアテネ中の史跡を巡り、旅のクライマックスを二人で思う存分楽しんだ。
気が付けば日もとっぷり暮れ、自分とギムレットは道端のベンチで休憩していた。
「もうへとへとだ…こっから宿まで帰れるかな」
「なんだ？活力（ヴィターレ）が尽きたのか？案ずることはない。何となれば俺が負ぶってやっても良いぞ」
「勘弁してくれ」しゃがみ込んで背中を向けるギムレットを見て、慌てて立ち上がる。
「フッ…ならばここから先は俺が先導役（プリンセプス）となろう。トレーナー！私についてこい！」
一足先にスマホの地図アプリをガン見しながら歩き出したギムレットについて行く。
風情のある旧市街を抜けると、一軒のホテルにたどり着いた。
「ここが今宵の休憩地（ヴァルハラ）だ」
そう言えばギリシャの宿についてはギムレットに予約してもらったんだな、などと疲れた頭で考えながら言われるがまま部屋に入る。

見れば部屋の隅でギムレットは懐からスキットルを取り出し、覚悟を決めたようにぐっと一息に飲んでいた。
やけに飲みづらそうだが、中身はなんなのだろう。たしかヨーロッパでは飲酒は18歳からだから、カクテルでもおかしくはない。
「あれ？そういえばここ2人部屋みたいだけど。ギムレットの部屋は？」
「ああ。ここでいいんだ。一部屋しかとってないからな」
そう言って部屋のチェーンをかけるギムレット。
「ギムレット？」
「…ゼウスの話の続きをしよう。ゼウスはフェニキアの王女エウロペに恋をした。
ある日、エウロペは友人たちと共に海岸で遊んでいると、一頭の美しい牡牛が現れた。
エウロペは牡牛に近づき、花冠をかけたり撫でたりした。
そのうちエウロペが牡牛の背中に乗ると、牡牛は突然走り出し、海に向かって泳ぎ始めた。
牡牛の正体は変身したゼウスだったのだ！ゼウスはエウロペを背に載せてクレタ島に渡り――エウロペと交わった」

ギムレットはもう一度スキットルの中身を口に含んだ。
「この話を聞いてどう思…いやそれはもういい！エウロペとゼウスで例えるなら俺がゼウス、オマエがエウロペだ！
クレタ島に連れてこられた…な！」
「ギムレット！？」
言うや否やギムレットは口移しで甘みのある液体を口内に送り込んできて
――その後の混沌（カオス）は記憶が定かでない。
帰国するまでの数日間は非常に充実したものだった。それだけは申し添えておく。

おわり

ギムレットに神話を教わりたかった

こいつらうまぴょいしたんだ！

>「うん。凄く面白かった！時間が経つのがあっという間だった！ギムレットも今日はもう部屋に戻ろう！」
>「はい」
素になるってよっぽどやぞ

>「うん。凄く面白かった！時間が経つのがあっという間だった！ギムレットも今日はもう部屋に戻ろう！」
>「はい」
ここだいぶムラ…イラついてそうでダメだった

なんだその（）

はいじゃないが

最後まで話させておけば助かったかもしれないのに…

>なんだその（）
ギムレット語だぞ

>>「うん。凄く面白かった！時間が経つのがあっという間だった！ギムレットも今日はもう部屋に戻ろう！」
>>「はい」
>素になるってよっぽどやぞ
せっかくのハネムーンが不発に終わりかけたらこうもなろう

数日出てこなかったんか！

結局こうするのが1番早いのよね

>最後まで話させておけば助かったかもしれないのに…
一週間以上の男女二人旅…何も起きないはずがなく…思ったより何もないな…？

こうして生まれたのがアンタってわけね
ウオッカ

草

>一週間以上の男女二人旅…何も起きないはずがなく…思ったより何もないな…？
ギムレット、キレた！

>こうして生まれたのがアンタってわけね
>ウオッカ
ウワーッ時空が歪んでる！！

元太定型混ぜてくるのやめろ

もう逃げられねぇぞ

「はい」でなんかダメだった
渾身の口説き文句不発に終わって思わず普通に返事してるの好き

ギムさん好き

神話って色恋話が多いんだな！ありがとうギムレット！今日はもう遅いから寝よう！

神話は交わってばかりだからな…

>元太定型混ぜてくるのやめろ
酔ったら口調が元太になるのか…

育成でもギムトレ内心わかりづいらいと思いながらしゃべってる時ある

神話にでてくる貞淑な美女みたいな貞操観発揮しやがってよ…

鰻重定型をギムレット語訳するとこうなるのか…

光栄に思えよ

>光栄に思えよ
うん！凄く面白かった！

>>光栄に思えよ
>うん！凄く面白かった！
はい

別に自分とギムさんの間には何も起きないと信じてるだけで変なことは言ってないから…

>別に自分とギムさんの間には何も起きないと信じてるだけで変なことは言ってないから…
だがそれが逆にギムレットの逆鱗に触れた！

>いよいよギムレットの念願である海外（オケアノス）に飛び出したわけだ。
逆だよ！

ヨーロッパでは両思いの癖にクソボケ発揮するトレーナーは逆ぴょいで覚悟決めさせてよいって法律があるのは知ってるな？

>ヨーロッパでは両思いの癖にクソボケ発揮するトレーナーは逆ぴょいで覚悟決めさせてよいって法律があるのは知ってるな？
ああ

ギム先輩にも一緒に旅行して腕組んで夜はいい雰囲気で…って願望あるんだよな…

>担当の同期のヒシミラクルには出発前に「ハネムーンですか？お幸せに～」などとからかわれたものだが、もちろんこの旅行にやましいところはなく、二人の部屋も必ず別々である。
ギムレットはそう思っていなかったようだが…

>ヨーロッパでは両思いの癖にクソボケ発揮するトレーナーは逆ぴょいで覚悟決めさせてよいって法律があるのは知ってるな？
凱旋門が別の意味になってしまう

きっと何度も旅の雰囲気に乗せられ獣のように掛かったトレーナーに組伏せられ強引に愛の契りを交わされてしまう神話のような夜を夢想したことだろう
何もなかった

>ギム先輩にも一緒に旅行して腕組んで夜はいい雰囲気で…って願望あるんだよな…
口調は独特だけどなんだかんだで乙女やぞ

>>ヨーロッパでは両思いの癖にクソボケ発揮するトレーナーは逆ぴょいで覚悟決めさせてよいって法律があるのは知ってるな？
>凱旋門が別の意味になってしまう
こっちのウマ娘史的には本当にそういう意味かもしれない
騎乗位がウマ娘が乗っかることから来てるように…

>きっと何度も旅の雰囲気に乗せられ獣のように掛かったトレーナーに組伏せられ強引に愛の契りを交わされてしまう神話のような夜を夢想したことだろう
>何もなかった
これオカズにしてるギムをオカズにしたい

ナポレオンがこれまで戦いについてきた愛バマレンゴのことをほったらかしにしたせいで掛かったマレンゴに逆ぴょいされたので許してもらうために凱旋門を建てさせたのは知ってるな？

>ナポレオンがこれまで戦いについてきた愛バマレンゴのことをほったらかしにしたせいで掛かったマレンゴに逆ぴょいされたので許してもらうために凱旋門を建てさせたのは知ってるな？
ああ

凱旋門賞ってそういう…

>ナポレオンがこれまで戦いについてきた愛バマレンゴのことをほったらかしにしたせいで掛かったマレンゴに逆ぴょいされたので許してもらうために凱旋門を建てさせたのは知ってるな？
凱旋門賞がすべてのウマ娘の夢になっているのってそういう…

ハプニングでホテルが一部屋になったけど大丈夫
二人のベッドの間に柵を立てたから安心してくれ！

クリスマスのイベント見ると概ねこんな感じだと思う

神話よろしく監禁ぴょいされなかっただけ有難く思え

>ハプニングでホテルが一部屋になったけど大丈夫
>二人のベッドの間に柵を立てたから安心してくれ！
(破壊される柵)

>(破壊される柵)
誰がこんな…

>(破壊される膜)

けれどもクソボケするのはこの日までだった
一線を越えてからはあれよあれよと二人は毎晩神話となり星座をなぞったり国を作ったりしましたとさ

当人らの苦労などミラ子は知る由もないので「ギムレットちゃんはすごいなあ」くらいの気持ちでいる

なんかギム先輩の体つき…帰国してから妙に大人っぽくないか？

……ギムレット、彼を見ていればわかるだろう
そういう機微には――疎い

ひんむいたらバキバキうまだっちしててトレーナーも相応に我慢してたんだなってわかるんだよね

やってることは猥談なのになんかギムレットの口から聞かされるとすげえ深い事言ってるように聞こえるのが敗因

ちなみにギムトレはギムレットに普通に誘われると100%落ちるぞ

そもそも多少知識あれば欧州の神々なんてろくでなしばっかだってみんな知ってるし…
なあゼウス！

はい(全ギレ)

鋼の意思もﾋﾞﾘｨされそつ

>そもそも多少知識あれば欧州の神々なんてろくでなしばっかだってみんな知ってるし…
>なあゼウス！
性的知識に疎い小学生すら星座の習わしとか知るだけでなんやこいつ…ってなるおっさんきたな…