大相撲秋場所(両国国技館)の優勝争いも佳境に入った。場所中、立行司だった第37代木村庄之助の畠山三郎さん(66)と国技館で顔を合わせた。同氏は昨年春場所限りで定年退職したが、東京場所にはよく訪れるという。入館の際には日本相撲協会から支給された「OBカード」を提示し、「(協会職員も)だんだん知らない顔が増えてきた。こちらも年を取るからね」。
カードには自己申請した上半身の写真も印刷されており、行司装束姿のものが使用されていた。畠山さんが去った以降、行司の最高位で結びの一番だけを裁く木村庄之助の襲名はない。小さなカードのなかに、往年の自負をみた。 (大相撲担当・奥村展也)