小林製薬、紅麹関連5製品を自主回収 腎疾患の報告で
小林製薬は22日、紅麹(こうじ)を使った機能性表示食品を自主回収すると発表した。摂取した消費者から腎疾患などの健康被害が発生したためだ。これまでに被害を訴えたのは13人で、そのうち6人が入院したという。同社が成分を分析したところ、一部の原料に想定していない成分が含まれている可能性があるとしている。
自主回収の対象となるのは「紅麹コレステヘルプ45粒15日分」「紅麹コレステヘルプ90粒30日分」「紅麹コレステヘルプ60粒20日分」「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」の5製品だ。
紅麹コレステヘルプは悪玉コレステロール値を下げることなどをうたい、年間の売上高は6億円という。回収対象製品は2021年から国内のドラッグストアなどで販売し、累計販売個数は110万弱と説明している。
22日夜に大阪市内で開いた記者会見で小林章浩社長は「健康を害されているお客様に深くおわびを申し上げる」と頭を下げた。入院した6人は倦怠(けんたい)感やむくみなどの症状が出たほか、一時的に人工透析が必要な状態になった人もいたという。そのうち5人は退院したと明らかにした。
現時点で製品と腎疾患などとの関連性の有無は確定していないが、対象製品の使用中止を呼びかけた。小林社長は「品質について万全だと考えていたが、結果として不足と言わざるを得ない状況だ。必ず原因究明して再発防止に努めたい」と強調した。
今後、製品代金の返金などに応じ、回収にかかる費用は約18億円を見込む。24年12月期の連結業績への影響は未定としている。
紅麹はコメなどの穀類を紅麹菌で発酵させたものだ。一部の紅麹菌には有害物質の「シトリニン」が作られることがあるとされる。同社の調査で原料からシトリニンは検出されなかったといい、想定外の成分の特定を急いでいる。
小林製薬、電話窓口を設置
小林製薬は22日、「紅こうじ」成分を配合したサプリメントによる健康被害の可能性を受け、健康相談を受け付ける電話窓口を設置した。購入方法に応じ複数あり、小林製薬の通信販売での購入分はフリーダイヤル(0120)585090、店舗などの購入分は(0120)588412で受け付ける。
受付時間は午前9時〜午後5時。4月末までは土日や祝日も対応するという。返品は4月1日から受け付けを始める。〔共同〕