関東で一人暮らしをしている
若い友人がいる。
友人といっても親子ほど年が
離れてはいるのだが、何かと
話が合う。
その彼はアパートメント暮ら
しなので動物を飼えない。
彼は猫好きだ。
刀剣の話で盛り上がっている
時、その彼からこんな話を聞
いた。
「遊びにくる野良猫君に魚あ
げたら(頭と内臓を取らない
と食べない)、返礼にデケェ
どぶねずみの死体が玄関にあ
って朝からショックです(笑)。
ヤツはちょっと誇らしげな顔
なのが笑えますね」
絶対に猫の恩返しだな。
その光景が目に浮かぶようで、
思わず笑った。
動物好きは犬派と猫派と分か
れるというが、私はどちらも
好きだ。
ある調査によると、これまで
は日本国内では犬好きの人が
6割以上だったのだが、最近
猫好きの人の比率が犬好きを
上回ったらしい。
これは、近年の住宅事情にも
よるだろうが、猫は驚くほど
手がかからない。
トイレもすぐに覚えるし、猫
はイエネコと呼ばれるほどに
人間との共同生活に馴染んで
くれる。
猫はとにかく、かわいい。
「猫かわいがり」という言葉
はあるけど、「犬かわいがり」
という言葉はないものね。
犬は悪い例えで云われること
が多かった。
だが、これを少し考えてみる
と、犬のように権力(飼い主)
に阿ることをよしとしない、
いにしえの人々の反骨心の表
れがそういう多くの例えを生
んだのではなかったろうか。
現代なら、さしずめ、犬も良
い表現の例えとして云われる
のかもしれない。
権力や権威に尻尾フリフリを
することが真面目で分別があ
って良い事であると思い込ん
でいる人が圧倒的に増えたか
ら(苦笑
いや~、それにしても猫はか
わいいす。猫も犬もどっちも
好きだけど。
そういえば、『黒猫のタンゴ』
を歌った児童歌手は、私が通
った学園(高校)の商業高校
に通っていた。私の2学年下
だった。
私の属した普通科高校の2学年
上には欣ちゃんファミリーの
芸能人がいた。黒猫のような
愛称だったが、当時はよくTV
に出ていた。
私が1年の頃、昼休みによく一緒
に体育館でバスケの3 on 3 を
やった。優しくていい人だった。
黒猫を見ると、この二人を想
い出す。
今は私が卒業した高校は現在
は芸能活動禁止なので、今後
は芸能人は通えない。
歌舞伎俳優の卒業生も多かっ
たし、研ぎの本阿弥家の人た
ちも先輩に多かったが、今後
は一切そうした芸能関係者は
わが校から巣立つことはない。
歌舞伎の家の子に芸能活動す
るなというのは死ねと言うの
と同じだ。
自動二輪の免許取得も完全禁止
された。私のクラスメート(全
学で一番速かった。私が二番手)
は国際A級になり英国マン島TT
を走ったが、今後モータースポ
ーツの世界のモーターサイクル
競技でそういう人材もうちの高
校からは出ないだろう。
本当につまらない学校になった
ものだ。
学年主任まで務めた私の担任だ
った恩師は、とっとと見切りを
つけて開成高校に転任したし
(のちに開成の副校長=教頭
になっていた)、歴史担当の
教師は千葉大で教鞭を執る事
に鞍替えした。
そういうの正解かも。
難関大学合格者を出すことに
躍起になってばかりとなり、
残念至極な高校になった。
大学受験がすべてなのか?高校
は。偏差値が65から69になった
からと幸せなのか?
さらに偏差値70後半まで持って
行って、かつてのように私立高
東大合格者1位になれば嬉しい
のか?100年前の幻を追って。
黒澤明監督が卒業した頃の幻影
を求めて。
難関大学合格のみを「教育」と
教育担当者が勘違いしている
限り、生徒たちに真に拓かれ
た未来はない。
高校は大学受験予備校ではな
いのだ。
まず学ぶべきことがあるのは
教師たちではないのか。
私が通った高校の生徒たちも、
今は、昼休みにバスケもやら
ないのかもしれない。
ただひたすら受験のために3年
間を過ごしているのかもしれ
ない。それを目指す教師と共
に。
猫はそんな人間たちのことな
どはお構いなしで、自分の好
きなように生きている。
猫、よろしい。
君たちは充分パンキーだ。