頂き女子“のんちゃん”逮捕 会員制の恋愛詐欺レクチャー受けたか “りりちゃん”に似た手口が横行
恋愛感情を利用した詐欺が後を絶ちません。「お身体しんどいだろうに会いに来てくれてありがとう! これ食べて元気出してね」という手書きのメッセージカードを男性に渡した21歳の看護師の女が、詐欺の疑いで逮捕されました。だますテクニックは、会費を払って電話でレクチャーを受けていたとみられます。
“手書きのメッセージカード”と“3つのうそ”で巧みに金をだまし取る
18日、詐欺の疑いで逮捕されたのは、名古屋市東区に住む看護師・浮田妃菜(うきたひな)容疑者(21)です。
自らを看護の専門学生“のんちゃん”と称し、マッチングアプリで知り合った清須市に住む58歳の男性に、お金をだまし取るために重ねたのは“3つのうそ”でした。
1つ目は去年10月。「卒業式で仲間外れになりたくないから袴を着たい。総額8万2000円する。立派な看護師になって、少しずつかもしれないけど必ず返済する」と聞き、男性は現金10万円を手渡し。
2つ目は約1か月後。「前の彼氏に学校の学費と入学金を立て替えてもらっている。その件で家やバイト先に押しかけてくる」という連絡を受け、男性は現金86万円を手渡し。
3つ目は、さらに約1か月後。「看護師試験の参考書の費用で10万円必要」と言われ、男性はさらに現金10万円を手渡し。
これらの話は全てうそ。“のんちゃん”こと浮田容疑者は、総額106万円をだましとったと見られています。この後、男性は“のんちゃん”とぱったり連絡が取れなくなりました。
しかし、約3か月後、男性の元に「3月11日に卒業式がある。その後、仕事につく4月1日までに運転免許を取りたいけど合宿費用が足りない」というメッセージが届きました。そして、求められた金額は37万円。
さすがにおかしいと思った男性は、“のんちゃん”が通っているという専門学校に電話をかけると、返ってきたのは「そのような生徒は在籍しておりませんが…」という言葉。そこで男性は、初めて騙されたことに気付きました。
警察によると、浮田容疑者はSNSで知り合った人物に会費を支払い、男性を騙すテクニックなどのレクチャーを受けていたとみられています。浮田容疑者は手書きのメッセージカードを男性に渡していました。書かれていたのは感謝や応援メッセージ。これもレクチャーを受けたテクニックの一つなのでしょうか…。
調べに対し、浮田容疑者は「ホストクラブに通っていて、お金が足りなくなったから」などと容疑を認めているということです。
マニュアルやレクチャーなどで恋愛詐欺指南がビジネス化か?
男性の恋愛感情を利用して、現金をだまし取る詐欺が相次いでいます。中でも記憶に新しいのが、頂き女子“りりちゃん”こと渡辺真衣被告。約1億5600万円をだまし取った詐欺などの罪で5月に実刑判決を受け、その後、控訴しています。
渡辺被告は金をだまし取るテクニックを記した、いわば“マニュアル本”を1万円~3万円ほどの価格で1000冊ほど売ったとみられています。
そのマニュアルを購入し、2人の男性から1千万円以上をだまし取った罪で、20代の女子大学生も逮捕され、裁判では懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が確定しました。
今回の事件も、逮捕された浮田容疑者は、SNS上で知り合った人物に会費を支払い、男性をだますテクニックなどを電話で複数回、レクチャーを受けていたとみられます。
誰かに手口を教わって男性をだますという構造は似ていますが、今回の事件は“りりちゃん”とは無関係とみられています。
警察は、余罪がないか捜査するとともに、浮田容疑者の犯行を手助けした人物がいるとみて、調べを進めています。