以下、『逸周書』諡法解より意訳 「文」→天地を経営した。道徳にとても博識だった。学問に勤しみ、質問を好んだ。民を愛して慈しんだ。民を憐れんで礼に従った。民に爵位を賜った。 (經緯天地曰文。道德博厚曰文。勤學好問曰文。慈惠愛民曰文。愍民惠禮曰文。錫民 爵位曰文。) 「武」→剛強で、物事の道理を正した。威信があり叡智と徳を備えた。戦乱に打ち勝ってそれを平定した。民を刑罰に服させた。志を誇ってそれを極めることが多かった。 (剛彊理直曰武。威彊叡德曰武。克定禍亂曰武。刑民克服曰武。夸志多窮曰武。) 「成」→民を安んじてまつりごとを行った。 (安民立政曰成。) 「康」→物事の根本を広く通用させた。作物を豊かにしてよく楽しんだ(いまいち意味が取れない……)。民をいたわって安楽にした。民を安楽にした。 (淵源流通曰康。豐年好樂曰康。安樂撫民曰康。令民安樂曰康)。 「献」→聡明でとても賢かった。気質は聡明で素晴らしかった。 (聖聰明叡哲曰獻。知質有聖曰獻。) 「懿」→温和でとても善い人となりだった。 (溫柔聖善曰懿。) 「元」→よく思いやって衆を治めた。正義を行って民に説いた。国都の建設を始めた。徳を行うことを旨としていた。 (能思辨眾曰元。行義說民曰元。始建國都曰元。主義行德曰元。) 「章」→見つけられませんでした…… 「壮」→見つけられませんでした…… 「景」→義によってこれを広めた。義を施して力強く行った。大きい思慮をもち意思を成し遂げた。 (由義而濟曰景。布義行剛曰景。耆意大慮曰景。) 「宣」→善を聞いてすべてに通じた。 (善聞周達曰宣。) 「明」→全世界に臨んでこれを照らした。悪口や訴訟をしなかった。 (照臨四方曰明。譖訴不行曰明。) 「昭」→徳をもって照らして手柄があった。威儀があって賢い者に恭しくした。とても立派なことを聞いてすべてに通じた。 (昭德有勞曰昭。威儀恭明曰昭。聖聞周達曰昭。) 「正」→内外に客人を心服させた。 (內外賓服曰正。) 「敬」→朝夕ずっと警戒を怠らなかった。朝夕ずっと事に恭しかった。法典を善行に合わせた。 (夙夜警戒曰敬。夙夜恭事曰敬。善合法典曰敬。) 「恭」→事を敬って上位のものを尊んだ。賢きを尊び義を貴んだ。賢きを尊びうやまって自分がへりくだった。既にやってしまった過ちを改めることができた。事を執り行うに、しっかりしていた。民を愛して、年上を敬い年下を大事にした。礼を執って客人を御した。近親の欠点をおおった。賢きを尊び善にへりくだった。 (敬事尊上曰恭。尊賢貴義曰恭。尊賢敬讓曰恭。既過能改曰恭。執事堅固曰恭。愛民長弟曰恭。執禮御賓曰恭。芘親之闕曰恭。尊賢讓善曰恭。) 「荘」→戦争を速やかになした。辺境を諭してこれに勝った。敵に勝って強い志をもった。野原(戦場かな?)において死んだ。たびたび遠征して討伐を行った。武力を遂げなかった(これもイマイチ……)。 (兵甲亟作曰莊。叡圉克服曰莊。勝敵志強曰莊。死於原野曰莊。屢征殺伐曰莊。武而不遂曰莊。) 「粛」→強い志をよく達成した。心を決めて決断した。 (剛德克就曰肅。執心決斷曰肅。) 「穆」→徳を施して義を執り行った。うわべを見て中の感情が分かった。 (布德執義曰穆。中情見貌曰穆。) 「烈」→民を安んじた功があった。徳に従い行いをまもった。 (有功安民曰烈。秉德遵業曰烈。) 「桓」→僻地より遠いところ服させた。労働する民をよく敬った。僻地を国に併せた。 (辟土服遠曰桓。克敬勤民曰桓。辟土兼國曰桓。) 「威」→武勇を以て剛を果たした。武勇を以て強いものを果たした。強い意志で信義を正した。 (猛以剛果曰威。猛以彊果曰威。彊毅信正曰威。) 「貞」→清らかで節義を守った。立派な思慮でよくことを為した。逃げ隠れせず屈することがなかった。内外に恩情を用いた。 (清白守節曰貞。大慮克就曰貞。不隱無屈曰貞。外內用情曰貞。) 「節」→よく慎ましやかにしてみずからに勝った。 (好廉自克曰節。) 「靖」→見つけられませんでした…… 「真」→見つけられませんでした…… 「順」→慈しみ調和して遍くものを服させた。 (慈和遍服曰順。) 「顕」→見つけられませんでした…… 「和」→見つけられませんでした…… 「高」→見つけられませんでした…… 「光」→見つけられませんでした…… 「英」→見つけられませんでした…… 「睿」→見つけられませんでした…… 「憲」→物事をよく知っており多彩な能力を持った。 (博聞多能曰憲。) 「孝」→先祖から子孫に至るまでこれを安んじた。慈しみ恵ませて愛し、親しんだ。時期が合わさり始まりを享けた。 (五宗安之曰孝。慈惠愛親曰孝。協時肇享曰孝。) 「忠」→危機において身を棄てて当たった。 (危身奉上曰忠。) 「恵」→穏やかな気質で民を慈しんだ。民を愛しよく与えた。 (柔質慈民曰惠。愛民好與曰惠。) 「徳」→諫め争い、恐れなかった。士民を穏やかに安んじた。 (諫爭不威曰德。綏柔士民曰德。) 「仁」→見つけられませんでした…… 「智」→見つけられませんでした…… 「慎」→見つけられませんでした…… 「礼」→見つけられませんでした…… 「義」→見つけられませんでした…… 「敏」→見つけられませんでした…… 「信」→見つけられませんでした…… 「清」→見つけられませんでした…… 「良」→穏やかで良い人物でよく楽しんだ。 (溫良好樂曰良。) 「謙」→見つけられませんでした…… 「純」→見つけられませんでした…… 「哲」→見つけられませんでした…… 以上が所謂『美諡』ですかね。次は『平諡』行ってみよう 「霊」→死んだが志は成った。乱があったが損なわなかった。鬼神や仙人について知ることを極めた。勤労せずに名を成した。死んだあと神となった。鬼神や先祖をよく祭った。 (死而志成曰靈。亂而不損曰靈。極知鬼神曰靈。不勤成名曰靈。死見神能曰靈。好祭鬼神曰靈。) ラストは『悪諡』です。 「野」→見つけられませんでした…… 「戻」→以前の過ちを悔いず、認めなかった。 (不悔前過曰戾。) 「厲」→乱暴で傲慢で親しむことがなかった。無辜の者を殺戮した。 (暴慢無親曰厲。殺戮無辜曰厲。) 「幽」→早々に一人になって官位から転げ落ちた。良言をさえぎって通さなかった。世の動きが常に乱れていた。 (蚤孤隕位曰幽。雍遏不通曰幽。動靜亂常曰幽。) 「煬」→礼儀を去って衆を遠ざけた。よく内にあって礼を遠ざけた。 (去禮遠眾曰煬。好內遠禮曰煬。) ふぅ~疲れた。私も結構勉強になりました。 わかんないとこはまたおって調べます。 漢文の翻訳はかなり適当なので間違いの指摘は後進に任せます。……過ちを放置したとなると「戾」ですね(笑)