掛け金横領か、21億円が不明 長野県建設業厚年基金
長野県建設業厚生年金基金(長野市、佐々木力理事長)で、県内の建設会社従業員から集めた掛け金のうち21億9000万円が不明になっていることが12日分かった。掛け金を管理していた同基金事務長の男性(52)と連絡が取れなくなっている。同基金は「横領の可能性がある」として、11日に長野中央警察署に被害届を提出した。
同基金によると、年金資産を運用する生命保険会社に送金する掛け金の一部が、事務長によって現金で引き出されていたという。こうした取引は2006年7月以降、30数回にわたり行われ、不明金は累計21億9000万円にのぼる。
生保から掛け金が少ないとの指摘を受け、同基金が内部調査したところ、銀行の取引書類が偽造であることなどが発覚した。同基金側は「事務長が1人で決済し、通帳と印鑑も管理していた。システムに問題があった」としている。
同基金は今年3月末時点で381社が加入、加入員数は6889人。年金資産は209億円。