私は 20さい ホームレスになりました。 私は 19さい 呪いの実家を出て ひとりぐらし 始めました。 新しいおうちの場所は、横浜の天王町。お昼の仕事場が横浜でしたので、そこらへんにしました。駅まで徒歩10分くらい、間取りは1K、そこそこの築年数。まあ、そういうちょこまかとした条件なんてものは、私は別になんだって良かったのです。不動産のお兄さんに全ておまかせしました。私が「これだけは ゆずれないの ぜったい。」と不動産のお兄さんに わがまま言ったのは、お部屋の壁と床が まっ白 で あること。 なぜなんでしょうね 19さいの頃の私は、まっ白に執着がありました。 きっと、なにもかも 0 に したかったんだと思います。なにもかも0に、まっ白に。 わたしは、まっ白に「新しい人生のスタート」を求めていたんでしょうね。 だから 私は 限りなく白に近づいていたかった。 だから 私には まっしろなお部屋が必要だった。このお部屋に住めると決まった日は幸せでした。 19さいの頃、私、ケータイショップで働いていました。 毎日、なんでか、なんでなのか、わからないけれど、わからないまま、働いていました。 「働く」って一体なんなんでしょう。19さいの頃の私には全く理解不能でした。 「働く」なんかするより 私は もっと「私」をしたかった。 「ケータイショップの店員さん」じゃなくって「私は「私」なんですけどお」っていつも思ってました。 くそなまいきに。 世の中の常識というものが、私の頭からは ごっそり ぬけ落ちちゃってたみたい。 私はこの「世の中」から逃げだしたかった。だからまっ白なお部屋に住み始めた。なのに、そのお部屋まで、ぐちゃぐちゃになっていっちゃったんです。なんでなんですか。 ぴんくと白でかわいいお洋服(どこへも着ていく予定なんてないのに)でたくさん埋めつくされた床。キッチンにはずっと洗ってないグラス、ベッドには腐ったペットボトルのお茶。ケーキをのせてみたかったかわいいお皿のとなりにあるカビはえたスーパーのお総菜。捨てにいかなきゃって思ってから3ヶ月もいるゴミ袋。 私、そんな姿のお部屋みて、やっと気づいちゃったんです。まっ白なお部屋はただのまっ白なお部屋でしかないってこと。このお部屋が私の新しい人生みちびいてくれるわけじゃないってこと。それに気づいちゃったとき「私、なんだか夢みすぎてたみたい」って、このお部屋に失恋でもしたかのような気分になっちゃいました。 でも、良かったです。私 20さいになって知ったんです。 「 まっ白な世界 」が あるってこと。歌舞技町にたどりついて知ったんです。 だから 私は 20さい ホームレスになれたんです。 あの 夢見たまっ白なお部屋ともさよなら できたんです。 まっ白な新しい人生はここにあるって。歌舞技町にあるって。 私 20さいで やっと 気づけたんです。 (令和6年6月10日)
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