整数での四則演算は問題なくできても、分数になるとどうでしょうか。
通分や約分など、整数のときにはなかった分数の性質に注意しなければいけません。
また、通常の電卓では分数の計算ができない場合が多いので、苦手な方は多いはずです。
今回は、「分数の四則演算」について確認をしてみましょう。
分数の足し算・引き算
(問題1)
次の計算をしなさい。
2/15+5/6
どのように計算するか覚えているでしょうか。
「分母+分母」「分子+分子」という計算をして「7/21」というのは違いますよね。
分母が異なる分数を足し算・引き算する際は、「通分」をしなければいけません。
さて、この問題の答えは「29/30」です。
途中の計算は次のようになります。
今回は分母の異なる分数同士の足し算なので、「通分」をしなければいけません。
「通分」とは、同じ分母に揃える操作のことです。
それぞれの分数の分母は、15と6なので、最小公倍数である30に揃えます。
「2/15」は、分母・分子にそれぞれ2をかけて「4/30」
「5/6」は、分母・分子にそれぞれ5をかけて「25/30」
分母が同じになれば、分子はそのまま足し算が可能になりますね。
分数の掛け算
(問題2)
次の計算をしなさい。
7/9×2/3×6/7
次は分数の掛け算です。掛け算の場合は、通分の必要はありません。分母だけで掛け算、分子だけで掛け算をしましょう。
この問題の答えは「4/9」です。
分母だけを掛け算:9×3×7=189
分子だけを掛け算:7×2×6=84
なので、84/189を約分と考えることもできますが、通常次のように計算します。
掛け算をする前に「約分」をすることで、計算がとても簡単になりますね。
分数の割り算
(問題3)
次の計算をしなさい。
2/7÷3/8÷4/3
分数の割り算は、掛け算に直してから計算しましょう。
この問題の答えは「4/7」です。また途中の計算は次のようになります。
分数の割り算を掛け算に直す際は、分母と分子を入れ替えなければいけません。
つまり、
÷3/8→×8/3
÷4/3→×3/4
と式変換します。
掛け算だけでの式になれば、先ほどと同じく、約分を考え、その後、分母同士・分子同士で掛け算です。
まとめ
分数の計算は、通常の四則演算だけでなく、「分母と分子をどのように扱うか」を考えなければいけません。
そのため、計算の過程でミスをしてしまうことが増えるので注意が必要です。
分数の計算は繰り返し練習を行いましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
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文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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