ストーカー被害者 助けを求めた先は「探偵」
テレQ(TVQ九州放送)
警察に相談した場合、かえって自身に危険を及ぼすこともあり対策が難しいという「ストーカー被害」。被害者はある意外な場所に助けを求めていました。 被害者の女性 「怖かった。自分も殺されるんじゃないかぐらい思っていました」 取材に応じてくれたのは福岡県内に住む20代前半の女性。飲食店に勤めていて客の40代の男性からストーカー被害を受けたといいます。 「2週間に1回ぐらいが2カ月ぐらい続いた。自宅の前での待ち伏せでした」 この女性が助けを求めた先が…探偵でした。 「(警察に)相談自体はすぐにできるが警察に動いてもらうというのがなかなか難しかった」 そこで探偵に依頼したのが証拠集め。警察は、当然のことながら証拠がないとストーカー禁止命令や警告を出すことはありません。被害者の話を裏付ける、証拠が要るのです。 総合探偵社スマイルエージェント本部 平野勇太社長 「例えば被害者の方が休日の日に多く訪れるのかだったり、どのような形でどのような時間帯でその加害者の方がそこの付近に来るのかどうかっていうのを見ている」 定点カメラを設置して時間帯や曜日、天候などストーカー加害者の行動のパターンを探ります。特別に調査の様子を再現してもらいました。 「マスクをした男性、がっちり体型の男性。こういう形で不穏な動きというか、キョロキョロしてますね」 ただ、この映像だけでは証拠として十分ではないといいます。 「そういった行為を繰り返しやってるかどうかっていうのも証拠として必要になってくる」 また、証拠を集めた後に被害者の相談に乗ることも多いといいます。 「被害に遭った時にご家族、近しい人に相談できない人も多い実態がある。事件があった当時の記憶って強烈に残っているわけなので先々また同じようなことが起こるのではないかと不安を抱えられている方が大半を占める。」 先ほどの女性。警察に証拠を提出したことでストーカー禁止命令が出され、ストーカー行為はおさまりました。また、探偵費用についても加害者に請求することができ、今後の安心につながりました。 被害者の女性 「(禁止命令が)あるとないとでは全然安心感が違う。書いてもらったことによって警察に動いてもらいやすくなったと思う。」 ただ、このケースのように加害者に損害賠償請求をできることはほとんどないといいます。犯罪被害者について調査し、著書もある太田教授。被害者に恐怖を与える「ストーカー」という犯罪について、被害者や遺族への支援が不十分だと強く訴えています。 慶應義塾大学法学部 太田達也教授 「ストーカーによる殺人や傷害の場合、加害者に損害賠償を行わせる必要があるが、報復の不安もあってほとんど損害賠償が行われていない。」 ストーカーという犯罪行為との向き合い方は非常に難しく、殺人事件にもつながりかねません。被害者、加害者双方への支援が求められています。
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