「過去最低の投票率、沖縄県民の政治離れ直視を」 沖縄大の宮城能彦教授(地域社会学)

沖縄大の宮城能彦教授
沖縄大の宮城能彦教授

沖縄の地方議員選挙では政策やイデオロギーよりも地縁血縁の影響が大きく、県議選の結果は知事に対する評価だけではない。とはいえ、子供の貧困問題に代表される県民生活の質の向上について、玉城県政は成果を出せていない。そうした不満が投票結果に表れた部分はあるだろう。

重視すべきは45・26%で過去最低となった投票率。沖縄県民の多くが政治に期待しておらず、無投票という形で意思表示をしたとみるべきだ。結果的に知事を支持しない保守系勢力が議会の過半数を占めたが、それは県民が保守系勢力に期待したわけではない。玉城県政に対する不満が背景にあり、消極的な支持で選んだだけだ。

選挙では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非についての訴えが取り上げられがちだったが、沖縄の喫緊の課題は県民所得の向上だ。自民が進めようとするインフラ整備では、大手企業が潤うだけで多くの人には恩恵がなく、県民は嫌気が差している。そうした県民感情を直視しなければ政治離れは止まらないだろう。

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