第15話

黄金色の夕焼け(貴方)に照らされて
4,814
2022/09/17 16:00


めめんともり
はーい、みんな集まったかな?
めめんともり
これで今日の部活動を終わりにします。
ありがとうございました!
ありがとうございましたー。
Sレイマリ
(やっと部活が終わった。)
Sレイマリ
(今日こそは、今日こそは……)


________________________



~女子トイレにて 30分前~
八幡宮
あ、レイマリ。奇遇だね。
Sレイマリ
お、八幡宮。文化祭の曲の調子はどう?
八幡宮
うーん、まあまあかな……


八幡宮が嘘をつく時は必ずと言っていいほど首を手でかく癖がある。


つまり今は絶賛嘘をついているということ。
Sレイマリ
ふーん、なんか悩んでんの?
八幡宮
え!?いやなんで!?
Sレイマリ
親友だからこそ分かる謎の違和感よ。


八幡宮は恐らく頑なに話す気はないようだった。


それでも私との長時間の謎の見つめ合いに負けたのか渋々愚痴を零した。
八幡宮
はぁー、『恋』ってなんだろう……
Sレイマリ
恋!?
Sレイマリ
(八幡宮からそのワードが出てくるとは思ってなかった。)
Sレイマリ
その、『恋』してるの?
八幡宮
それが分からないから困ってるんだよねー。


分からない恋!?


まさかそんな難しい恋を??


先生と禁断の恋、てきな……
Sレイマリ
危ない恋なら、悪いようには言わないからやめとけ。
八幡宮
えぇ…?
八幡宮
なんか、その人には……兄妹がいて、
八幡宮
その人と兄弟が仲良くしているのを見ると胸が締め付けられる、というか……
Sレイマリ
……それは、『恋』だね。
八幡宮
……!や、やっぱりそうなのかな。
Sレイマリ
うん、きっと。
Sレイマリ
初恋ファイト!!!
八幡宮
う、うん!頑張る…!


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八幡宮は初恋を自覚して、今やっとスタートラインに立ったところだと思う。


だから私も少しだけ勇気を出してみようと決めたんだ。


何も行動しないでうじうじしてても変わらないから!
Sレイマリ
(髪、変じゃないよね?)
Sレイマリ
(さっきトイレで髪整えたし、服装も正して、あと……)
Sレイマリ
(少しだけ、スカートも折っちゃったし。)


なんとなく可愛い女の子はみんなスカートを2回も3回も折ってる気がする。


だから私も気合いを入れて2回折ったら、
Sレイマリ
なんかスース―して変な感じ……。
Sレイマリ
(私にはまだ早かったかな?)


『う、うん。頑張る…!』


ふと八幡宮の言葉を思い出した。
Sレイマリ
私なら、いける、はずっ!!!







ぜんこぱす
ガンマスさん、今日一緒に帰りましょ!
ガンマス
えー、いいよん。
ぜんこぱす
じゃあ帰りに……
Sレイマリ
あ、あああのっ!
ガンマス
Sレイマリ
今日一緒に帰りません?
ガンマス
えっ?


よく言った!私!でかした!


あとはオーケーが貰えるかどうかだけ……
ガンマス
全然良いよ!3人で帰る?
Sレイマリ
あ、えっと、それは……
ぜんこぱす
い、いやぁ!僕はどうやら文化祭の曲出来なさ過ぎて部長に呼ばれてるみたい!
ぜんこぱす
だから2人で帰ってていいよ、うん。
Sレイマリ
……!
ガンマス
おっけ、なら2人で帰っちゃお。


ぜんこぱすさんは本当に空気読むの得意。


さすが吹部一の優男!(レイマリ基準)







ガンマス
レイマリのクラスはさ、文化祭何やんの?
Sレイマリ
私のクラスはジェットコースターやるよ!
ガンマス
お、じゃあ絶対行く。
Sレイマリ
(やった…!)





嗚呼、好きな人と一緒に居るってこんなにも幸せなんだ。


胸がドキドキして止まらない。


この心臓の音が聞こえてないと良いな。



ガンマス
そういえばなんでスカート折ってるの?
Sレイマリ
えっ?いやこれは、特に意味は……
ガンマス
うーん。
ガンマス
ならやめた方が良いよ。


『やめた方が良いよ。』


その言葉が頭の中に重く響いて心がスッと冷えた。


やっぱり私には似合ってない?





そう、だよね。


いつもおしゃれなんかしない女が突然着飾ったって、きもいよね……。

Sレイマリ
あ、うん……なら、次からは、もう……
ガンマス
レイマリの足、細くて白くて綺麗だから電車とかで変な目つきで見られるよ。
ガンマス
あと日焼けしちゃうし。
ガンマス
まぁでも似合ってるから僕は気にならないよ。
Sレイマリ
えっ?あ、ありがと……
Sレイマリ
……あっ!ごめん!ちょっとトイレ行ってくる!
ガンマス
うん。ここで待ってるよ、
ガンマス
って、もうあんな遠くに。









まるで太陽のような暖かさと光を持つ貴方に、私は今日も照らされている。


さっき貴方は「日焼けしちゃうから」と言ったよね。


でも私は自分の足も心も、貴方になら燃やされてもいいと思ってしまうの。


それほど心から惚れてしまっているんだよ。






夕焼けに照らされた帰り道は、人生で初めて好きな人に褒められた思い出になった。








Sレイマリ
ぅ、うう、ああああああ……!
Sレイマリ
(褒められた!?)
Sレイマリ
(しかも心配してくれてた!?)
Sレイマリ
(う、嬉しい!)
Sレイマリ
(でも、恥ずかしい。)
Sレイマリ
やばい、好きすぎてやばい。
Sレイマリ
あぁぁぁぁぁ_________











貴方はこんなことを聞いたことがありませんか?




『月』は『太陽』がいないと輝けない、と。




『太陽』の灯が消えたら、『月』もまるで『運命共同体』のように煌めくを失ってしまう。




私と貴方はまるで『月』と『太陽』のような関係ではないかと密かに思ってる。















私は、広い広い宇宙の中で貴方と巡り会えたことに、ただただ感謝します。




薄暗い宇宙の中でも私が輝けるのは、貴方が隣にいるから________

















通行人
(公園のトイレから発狂の声が……?)
通行人
(やっぱりコンビニのトイレ行こう。)
Sレイマリ
(早くこの喜びを誰かに話したい!よしっ、すぐ帰ろう!)



もちろん、この時私はガンマスさんのことなど頭になかった。


嬉しさと恥ずかしさだけで満たされていたから。




ガンマス
帰り遅いなぁ。もしかして置いてかれた?










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作者
今作の中で今のところ一番文字数が多い……
作者
この作者のメッセージを抜いて1948文字です。
(なお、これをいろいろと考えて作るのに50分かかってます。集中力って恐ろしい。)
作者
中々にスレガンで良いのが思い浮かばなくて悩んでたんですけど、結構頑張った方だと思います。

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