「触らない痴漢」も摘発対象へ
全国紙社会部記者が解説する。
「たとえ女性の身体に直接触れていなくても、不快を感じさせる行為であれば、警察から警告を受けるなどの事案はすでに報じられています。悪質であれば、迷惑防止条例の適応なども考えられるでしょう。
また昨年、新たに法改正され、より量刑が重い『不同意わいせつ罪』(刑法176条)で摘発される可能性も、ないとは言いきれません。この法律の要件は、同意のない『わいせつな行為』と規定され、必ずしも身体への接触行為に限定していません。
現段階で身体への接触なしに条例や刑法が適応された例は報じられていませんが、今後は悪質性が高いと判断されれば、身体への接触の有無にかかわらず、なんらかの罪に問われる可能性はあるかもしれません」
それでは、冒頭の優花さんが体験した「見るだけ痴漢」の場合はどうか。
「さすがに、ただ、チラチラ見ただけであれば、警察に摘発されるとは考えにくいが、10分間も続いたとなれば、誰であっても不快に感じる行為であることは間違いない。このような不適切事案の認知が広まって、社会の価値観が許容しなくなれば、今後、このような“被害”は収まるかもしれません」(前出の社会部記者)