ついに始まりました謎のプリンス編。
最初は皆大好き(?)綺麗なコーネリウス・ファッジ君のお話です。
コーネリウス・ファッジという男
『コーネリウス・ファッジ大臣の栄光の半生』という本がある。これは私が魔法大臣に就任してしばらくした頃に親愛なるリータ・スキーターのインタビューを基にして売り出された本だ。
正直なところ、私は自分の伝記が出ることに難色を示したのだが職員達に押される形でインタビューを受けたことを覚えている。
出版された本を買った妻からは好評だったが、私としては“あの”リータ・スキーターがインタビューしてきたということであることないことを書かれるのではと危惧していた。
実際そんなことは無く、至って普通な本であったことは幸いだ。ともかく、その本には私のこれまでの経歴だったり私とスキーターの会話の内容だったりが載っている。
何故私がこんなことを考えているか。それは視界に映る『彼等』が原因だろう。
彼等は全員が黒衣に身を包み、先頭に立つ女以外は皆仮面を被っており表情は分からない。しかし、身動きできない状態の私を見て実に愉快な表情になっているのだろうと予想はできる。
「あーあ、可哀想にねぇ大臣サマ? あのお方に刃向かったせいでこんなことになるんだもん」
「これでも魔法大臣だからな。イギリス魔法界の平和を乱す者が現れたならそれと毅然として戦う。当然の事だ」
「クルーシオ!!」
女───闇の帝王の腹心であるベラトリックス・レストレンジが『磔の呪文』を唱える。
まるで体の内側から無数の針が突き刺さっているかのような苦痛が私に悲鳴を上げさせる。数秒して呪文を止めたベラトリックスは杖を私の喉元に突き付けた。
「お前のような臆病者にあのお方の何が分かる……!」
「犯罪者の考えなど分かりたくないな」
「我々に従え。そうすれば命は助けてやる」
チラリ、と暖炉の方を見る。ベラトリックス達がやって来た事に気付いた私は妻を無理矢理に煙突飛行で息子夫婦の家に飛ばし、暖炉を粉砕した。これで私は逃げ場が失くなり、万が一逃げるなら目の前の死喰い人達を倒して脱出するしかない。
───元より、そんな選択肢など捨てているが。
未だ返答を返さない私に苛立ったらしい死喰い人の一人が喚くのを尻目に、私は自身の過去を思い返していた。
きっとこれが走馬灯と言うやつなのだろうと、そんなことを考えながら。
◆ ◆ ◆
コーネリウス・ファッジは、1943年のある日に生まれた。両親共に魔法使いで、いわゆる純血であった。父親は魔法省の役人で母親は専業主婦の至って普通の家庭だった。
純血主義ではなく、かといってマグル贔屓かと聞かれれば首を捻る──そんな家族と過ごしてきたコーネリウスもまた、極端な純血主義に走ることはなかった。
真っ当に愛されて育ち、無事ホグワーツへの入学証も届いて。そんな入学を間近に控えたある日の事。
いつもは寡黙な父が珍しく上機嫌で家に帰ってきた。母と共にどうしたのかと訊ねると、やはり上機嫌に父から答えが返ってきた。
「なんと、あのアーデル家が催すパーティに招待されたんだ! ここまで栄誉なことはそう無いぞ!」
熱くなる父を眺めながらコーネリウスは会話に出た『アーデル家』という単語を頭の中で繰り返す。
曰く、最後の騎士。
曰く、お気楽貴族。
曰く、千年の跡。
彼等を現す言葉は数多く、殆どがその栄華は過去のものだと嗤うものだった。
けれど、ファッジ家のような市井の魔法族や“品ある”貴族ならばアーデル家を良くも悪くも意識するだろう。
確かにかつての栄えていた頃とは違って今や本家とアメリカにある分家一つを残して衰退し、聖二十八一族のような格式ある家柄というわけでもない。
それでも彼等がその名を知られているのは彼等が闇の勢力と真っ向から戦い続け、魔法界を影から支え続けてきたからだった。
故に、そんなアーデル家に招待されることは望外の喜びであろう。
父と共に慣れぬ正装に袖を通し、アーデル邸の門を叩く。そしてパーティー会場に赴いて───コーネリウスは光を見た。
「おや。初めましてかな? 私はエドワード・アーデル。この度父からアーデル家の当主の座を譲り受けた者だ」
屈んでコーネリウスと目線を合わせて微笑むその姿に、コーネリウスはどうしようもないくらいに憧れた。
「いつか自分も彼のようになりたい」と。
そんな考えを得たからか、コーネリウスはグリフィンドールとスリザリンでハットストール寸前まで迷われて結果としてグリフィンドールに組分けされた。
ホグワーツでの生活はコーネリウスにとって刺激的な毎日だった。寮のメンバーと笑い合い、時に喧嘩もして。
そしてホグワーツを卒業した彼は魔法省の魔法事故惨事部という場所に勤めることになった。
闇祓いのような名声と栄光があるわけではないがコーネリウスはこの仕事に満足していた。
「やぁコーネリウス。久しぶり」
そんなある日。一人の青年が自身に声を掛けた。その顔を見たコーネリウスも自然と笑みを浮かべた。
彼はコーネリウスの在学時代一番の友人であった。彼はマグル生まれのハッフルパフで、あまり成績が良いとは言えず、そんな彼をコーネリウスは度々手助けしていた。
「久しぶりだな。闇祓いになると息巻いていなかったか?」
「あはは……それが、闇祓いには受からなくてね。今は魔法法執行部隊で働いてるんだ」
「そうなのか。だが学生時代のお前からすれば見違えただろう」
「だね。コーネリウスのお陰だよ」
そんな他愛もない会話こそ、この二人のいつもの光景だった。
そうして時が経ち、世間ではヴォルデモートと名乗る魔法使いが幅を利かせるようになった。
彼は死喰い人と名乗っている彼の手下達と共に、逆らう魔法使い達を虐殺していった。
それを看過出来ないとした魔法省は闇祓いを筆頭としてヴォルデモート一派と戦い始めた。
当初は誰もが魔法省の勝利で幕を下ろすだろうと思っていた。しかし、予想に反してヴォルデモート勢力が拡大し続け、逆に闇祓いの犠牲者の方が多くなる事態になっていた。
「死喰い人達による影響で我々魔法事故惨事部も忙しなく動く羽目になった」
「執行部隊も似たようなものだよ。闇祓いのように死喰い人と直接戦闘になることはないけど、それでもフェンリール・グレイバックのような奴とかち合って殉職する者も出てきてる」
「内閣府の方もマグルに警戒を促しているようだ。それに混乱する省内を諌めねばならんから気を揉んでいるだろうな」
泥沼だと呟き、コーネリウスはグイッとジョッキを煽る。剰りにも先が見えない戦いに、誰もが気を落としていた。
だがそれだけではないのだろうなと、コーネリウスは先日もたらされたとある情報を思い返した。
『闇祓い局局長、エドワード・アーデル及びその妻、ユスティア・アーデルの遺体、周囲に激しい戦闘の痕と十一名の死喰い人の遺体を確認。状況からしてヴォルデモートが手下を伴って犯行に及んだものと推定』
それはあまりにも大きな衝撃となって魔法界を駆け回った。闇祓いの星が墜ちた事で闇祓いの士気に多大な影響が及んだが、アラスター・ムーディを後任に据えることで何とか持ち直していた。
死喰い人にとって殊更警戒していた人物が消えたことで奴等は一気に攻勢に出た。以前よりも闇祓いの殉死が増えているのだから。
それでも彼等は諦めることなくヴォルデモート達と戦い続けた。不死鳥の騎士団というダンブルドアが結成した軍団の奮戦もあって、ほんの僅かだが状況を良い方向に持っていけているだろう。
この日も魔法事故惨事部の次官となったコーネリウスは執行部隊と連携して、死喰い人の襲撃にあった魔法使いの自宅を訪れていた。現場をマグルより隠蔽し、事後処理を行うためだ。
自宅に足を踏み入れ、被害者家族を確認する。誰もが死の呪文による死亡、そして天井に闇の印。間違いなく死喰い人による犯行だった。
割れた食器に花瓶、散らばった食事。きっと夕食を摂っていたのだろう。戦時下にあって和やかな時を過ごしていた筈だ。それをこんな形で奪われるなど彼等は想像もしていなかっただろう。
「……どうか安らかに……」
死後の世界があるかなどコーネリウスには分からない。それでも、この理不尽に殺された家族が少しでも安らかに眠れるようにとコーネリウスは願うことしか出来なかった。
部下と共に荒らされた家を修復し、遺体を運ばせてから家を出る。
いつもと変わらない作業。理不尽に殺された者達に手を差し伸べることさえ出来ない虚しい現実。
そんな思いを抱えたまま家から出た瞬間、コーネリウスの耳に何かが破裂したような音が聞こえた。
一体なんだと目を向けて、後ろの部下が緑の閃光に貫かれた。
「───は?」
声を上げることなく倒れる部下を見て、コーネリウスは呆然とするしかなかった。
気付けば、自分達の周りを黒い服の集団が囲んでいた。全員がマスクを着けている──つまり死喰い人だ。恐らく待ち伏せされていたのだろう。
咄嗟に杖を構えた執行部隊の一人を、またも緑の閃光が貫いた。
「死喰い人だ!!」
誰かが悲鳴を上げ、それをすぐさま緑の光が黙らせる。状況を理解した執行部隊が急いで杖を構えて死喰い人に呪文を飛ばし戦闘になった。
一拍遅れて状況を理解した惨事部の面々は慌てて『姿くらまし』しようとして、それが出来ないことに気が付いた。
「姿くらまし防止結界……!」
やられた、嵌められたのだとコーネリウスは歯噛みする。そうしている内に執行部隊の面々は数を減らしていき、ついにその凶行は惨事部にも牙を剥いた。
コーネリウスも呪文を放ち攻撃するが、容易く捌かれる。それでも何とか一人の死喰い人を倒してほんの一瞬だけ気を緩めた───緩めてしまった。
きっと、それが命取りだったのだろう。
「コーネリウス!!」
そんな自分を呼ぶ声が聞こえたのと同時、コーネリウスの背中に衝撃が走って吹き飛ばされた。
そしてつい先程までコーネリウスが立っていた場所が爆発し、コーネリウスの顔に何か温かい物が付着した。
咄嗟に顔を上げてその光景を見たコーネリウスは、何とか叫び声を上げないようにするのに精一杯だった。
人だ。人が血まみれで倒れている。どうあっても助からないであろう量の血を流して、物言わぬ肉塊となって地面に横たわっていた。
「───?」
「ちっ……穢れた血が馬鹿な真似しやがった」
「まぁいいだろ。ファッジ家なんて吹けば消えるような弱小の家だし、大してポイントになんないって」
「そうだぜ? それに比べてそこで血流してる穢れた血は殺せば十ポイントじゃん? 闇祓いは殺せば五十、上級の闇祓いは殺せば百だけど俺達にそんなリスキーな真似は似合わねえって。こうやってチマチマと弱い奴らを殺す方が性に合ってるだろ」
「それもそうか」
倒れているのがマグル生まれのあの友人だと気付いたコーネリウスは茫然とその名を呼ぶが、そんな声は死喰い人達の下卑た嗤い声に掻き消された。
そしてそんな死喰い人達の視線がコーネリウスに向いた。
「で、どうするよコイツ」
「念のため殺しとこうぜ。大したポイントにならなくても他の奴らより有利になるだろ」
「いやー、今んとこ俺らがトップかぁ……こりゃ今回の“ゲーム”は勝ったも同然かね?」
そう言って杖を向ける死喰い人に目を合わせることなく、コーネリウスは血まみれの友人に近付く。
「どう殺す?」
「粉砕呪文でいいだろ」
「いや爆破呪文にしとこうぜ」
「いやいや、やっぱ磔の呪文使って痛め付けてから殺した方が───」
そんな屑のような言葉は最後まで続かなかった。どこからか飛んできた紅い閃光が先頭に立っていた死喰い人の胸を穿ち失神させたからだ。
茫然自失するコーネリウスと死喰い人との間に無数の影が割り込む。
翻る黒衣。杖を握る手は固く。死喰い人に向ける眼差しは冷ややかで、コーネリウスや犠牲者に向ける眼差しは悲痛な物であった。
そんな彼らの内、真ん中に立つ魔法使いが毅然と告げた。
「魔法省、魔法法執行部闇祓い局。第一班班長のレックス・アーデルだ。大人しく捕まれ死喰い人ども」
そこからは一方的だった。逃げようとした死喰い人をすぐさまレックスの失神呪文が捉え、抵抗した死喰い人も例外なく失神させられ、あまりにも呆気ない幕切れとなった。
「……大丈夫でしたか? 申し訳ありません。我々が駆けつけるのが遅くなり……」
「………んだ……」
「え?」
部下の闇祓い達に死喰い人を連行させ、勇敢に戦い散ってしまった魔法使い達の遺体を運ばせたレックス・アーデルは未だ座り込むコーネリウスに駆け寄り声を掛ける。
悲痛な面持ちで謝罪するレックスを見て、コーネリウスの胸に暗い感情が宿った。
「何故……何故もっと早く来てくれなかったんだ!! 闇祓いなんだろう! エドワード・アーデルの息子なんだろう!? アイツと違って、闇祓いになれたエリートなんだろう!! だったら、だったらもっと早く……!!」
蹲り、くぐもった声を漏らすコーネリウスにレックスは掛ける言葉が無かった。
コーネリウスとて分かっているのだ。彼等には何も非が無い。寧ろこうやって駆け付けて事態を収拾してくれただけでも充分に有り難いことなのだと。
だが、だがそれでもコーネリウスの胸に空いた穴は大きかった。一番の親友を自分の油断で亡くし、それを成した奴等はゲームだの何だの、挙げ句の果てに友人を穢れた血と呼んだ。
なのに何一つ言い返すことさえ出来なかった。何が勇敢か騎士道精神か。こんな臆病者に勇敢さなどあるものか。
あるのは、ただ惨めで哀れで臆病な己の心だけだった。
そこから、事態は目まぐるしく動いた。あの後何とか立ち直ったコーネリウスは今まで以上に職務に忠実になった。それは暗い井戸の底に沈むように危うい物で、妻や息子の前ではいつも通り振る舞いながら生活していた。
そして1981年のハロウィーンに、ヴォルデモートが凋落し英雄ハリー・ポッターが生まれた。
人々は闇の時代が過ぎ去った事に歓喜し、魔法大臣たるミリセント・バグノールドも今回ばかりは無礼講と気を緩めた。
しかし旗頭を喪って尚も死喰い人は諦めなかった。ポッター家襲撃の実質的元凶とされるシリウス・ブラックが逮捕され、そしてこれからの時代、闇祓いの希望となるはずであったロングボトム夫妻がベラトリックス・レストレンジを筆頭とした死喰い人によって心を壊され、それが原因でバーテミウス・クラウチシニアは輝かしい出世街道を追われた。
ヴォルデモートが消えてなお、闇は深く魔法界を傷付けた。
それが終わりを迎えて、ようやく一息つけたコーネリウスの下に一人の省員があるものを届けてきた。その省員は友人の同僚だった人物だった。
「これは?」
「アイツのデスクを片付けていたら出てきた物です。ファッジさん宛でしたのでお届けに」
「アイツの……そうか。ありがとう、君も辛いだろう。戻って休んでくれ」
頭を下げ、退出する省員を見届けたコーネリウスは早速手渡されたもの──どうやら手紙らしい──を開いて中身を確認する。
『コーネリウスへ
これを君が読んでいるということは、僕はきっと死んでしまったんだろう。本当ならこんなものは見せずに済むのが一番なんだろうけど、今の時代を考えると必要と思って残しておくよ。
君と出会ったのはホグワーツに行くためのボートの上だったね。マグル生まれで魔法界の事を何一つ知らない僕の事を君は色々助けてくれた。それから何かある度に君は僕を助けてくれて、ホクズミードの三本の箒でバタービールを一緒に飲んだのも凄く楽しい思い出だ。
覚えてるかい? 僕と君があんまりに親しいものだから“そういう仲”なんじゃないかって一時期疑われてたの。あれ、実は君の奥さんにも詰められたんだよ。お陰でどれだけ君が彼女に首ったけなのか話す羽目になったんだから……。
でも、そんな毎日が僕は本当に楽しかった。君と友達になれて本当に良かった。あ、だけど僕が死んだからって自殺なんてしないでくれよ? そうなったら蹴り飛ばして君を送り返すからね!
本当は怖がりで、それでも誰より勇敢な君の事が、僕は何より大好きなんだから。
だから、元気でね。
君の友人 ルパード・ケイロンより』
手紙を閉じ、そっと自分のデスクに仕舞い込む。
「なんだよ……まったく、ホントに───馬鹿な奴だなぁ……」
こんな平和な時代に涙なんて似合わない筈なのに、それでも流れる涙を止めることは出来なかった。
あぁ、お前がそういうなら私は前を歩こう。憧れた人のようになれなくとも、お前の信頼に応えるために大切なものを守るために立ち上がろう。
きっと、
◆ ◆ ◆
そんな長い回想を終えて、私は未だ喚く死喰い人に目をやる。そんな私に気付いてか、ベラトリックスが気だるげに声を上げた。
「もういいや。殺しちゃおっかぁ……我が君は従わないなら殺していいって言ってたしぃ?」
愉しげに口元を歪めるベラトリックスに賛同したように死喰い人達はゲラゲラ嗤う。ルパードを殺した時のように。
「それじゃ大臣サマ、何か言い残すこととかある?」
「お前がそんなことを聞くとはいよいよ君達のご主人様も耄碌したのかね?」
スン……とベラトリックスの顔から表情が消え、それを感じ取った死喰い人達が震える。
「死ね」
「なら早く殺すといい。どうせ老い先短い身だ。生き残った所で意味もあるまいよ」
飄々と語る私を見たベラトリックスの魔力が膨れ上がり、それに応じて杖先に魔力が集中する。
やれやれ……どうやらここまでか。だが出来ることはした。心苦しいが後は彼等に任せよう───
(なぁルパード。向こうであったら……)
「アバダ・ケダブラ!!」
放たれた死の呪文が私に迫る。しかし、私の心はどこまでいっても穏やかだった。
(またバタービールでも飲みながら笑い合おうじゃないか。昔のようにさ)
ドサリとファッジの体が倒れる。完全に息絶え、骸と化したそれを見て死喰い人は嘲笑を響かせた。
そうして戦果を確認しようとした時、ファッジの肉体が膨れ上がる。
それは内側に施していた呪詛。自身が何らかの闇の魔術によって死亡した時に敵対者を破壊する呪詛。指向性も何もない、ただ純粋な魔力の嵐。
───我らは決して、闇に屈さぬ。
膨れ上がるそれを見たベラトリックスは獣じみた本能で察知し、盾の呪文を敷く。しかし他の連中はそんなことに気付く筈もなく、嵐が吹き荒れ、悲鳴が木霊した。
「魔法省……!!」
ベラトリックスは自身に血が付着するのも気に止めず、もはや僅かな肉片だけを残すのみとなったファッジを血走った目で睨み付けた。
──あぁ、実に忌々しい……。
『魔法省内閣府より通達。
コーネリウス・ファッジ魔法大臣、及びアメリア・ボーンズ魔法法執行部長の死亡を確認。両者の殺害現場で抵抗の痕跡を確認した為、死喰い人による犯行と推定される。尚、大臣の遺体は肉片のみ。同時に死喰い人数名の遺体も確認済み。それぞれの殺害に闇の帝王と副官のベラトリックス・レストレンジが赴いた可能性大。
以上を踏まえ、ウィゼンガモット、各々の高官との議論の末、新たな魔法大臣をルーファス・スクリムジョールに、魔法法執行部長をパイアス・シックネスにそれぞれ任命するものとする。
内閣府議長 ランドルフ・ローガン』
ルパード・ケイロン
在学時代のファッジの親友。彼が居なければファッジは原作通りになってた。
闇祓いにはなれなかったものの、執行部隊では優秀だった。
なぜファッジは綺麗だったのか。
1.エドワード・アーデルに憧れたこと。
2.それによってグリフィンドール適性の方が高くなったこと。(勇敢さとか正義感とかその辺)
3.心を許せる親友が出来たこと。
4.その親友の遺書で覚悟完了したこと
大体こんな感じ