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ヨックモックのミュージアムはお菓子の博物館ではない?!

ヨックモックミュージアムをご存知ですか?
ヨックモック青山本店からほど近い、閑静な住宅街に佇む美術館。 

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ヨックモックのお菓子やパッケージの展示をしているの?と質問をいただくことも開館当初は多かったのですが・・・巨匠 パブロ・ピカソのセラミック作品を中心に、さまざまな企画展を通して展示しています。

なぜヨックモックミュージアムが誕生したのか?
運営を担当される皆さんにお話をお聞きしました!

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(写真左から)
松本純さん:2007年入社。経営企画部所属。ヨックモックミュージアム 広報担当(臨床美術士)
富安玲子さん:ヨックモックミュージアム 主任学芸員
飯島英奈さん:ヨックモックミュージアム ワークショップデザイナー(臨床美術士)

ヨックモックミュージアムが誕生した理由!

― なぜ、ヨックモックミュージアムが誕生したんですか?

松本:当館の館長でもある、ヨックモックの会長・藤縄利康が開館したプライベートミュージアムなのですが、そもそもは約30年前にパブロ・ピカソのセラミック(陶器)作品に出会ったことから始まります。

「お菓子は創造するもの」という創業者の想いを受け継ぎ、ピカソの豊かで自由な発想が投影されたセラミック作品を通じて、誰しもが驚きと発見に出会える場として誕生しました。

ピカソの絵画は有名ですが、セラミック(陶器)もつくっているんですね!

松本:ピカソのセラミックは、とても明るくて楽しい気持ちにさせてくれる作品が多くて、藤縄館長は初めて見た時に心から感動したそうです。

ピカソが熟練の職人たちとの協働によって制作したこともそうですが、セラミック作品はお皿など、食器も多いのでヨックモックのお菓子との親和性を感じて、30年以上かけて作品をコレクションしてきたそうです。

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― 屋根もあって、家のような不思議な美術館ですよね。

松本「友人を自宅に招くように、お客様をお迎えしたい」という、館長のこだわりなんです!閑静な住宅地エリアなので、デザインも周囲に馴染むよう配慮されています。南青山にあるとは思えないくらい、都会の喧騒を離れて「市中の山居」のようになっているのも特徴です。

― 基本的には、ピカソのセラミック作品を展示しているのですか?

富安:そうです。500点以上あるヨックモックコレクションの大半をピカソのセラミック作品が占めます。企画展でもそのコレクションの特徴を活かして、ピカソのセラミックの世界をご紹介するようにしています。とは言え、もちろんピカソ以外の作家の作品も展示することもありますよ。

― へー!ヨックモックミュージアムでは、どんなことが楽しめるんですか?

松本:私たちは、3つの柱をもとにさまざまなコンテンツをご用意しています。企画展、教育プログラム、そしてカフェ事業の3つです。

― 一つずつ、詳しく聞かせてください!

ピカソ-セラミック作品の魅力とは?

― まず、一つ目の柱、企画展について聞かせてください!

富安:今は年に1つ、企画展を開催しています。現在は「ピカソ いのちの讃歌」展を開催中です。展覧会ごとに第一線の研究者を監修にお招きしているので展覧会としての見応えももちろんありますし、ピカソのセラミック作品が持つ明るさも十分楽しんでいただけると好評です。

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 セラミックの作品を中心に企画するのは、かなり面白い試みですよね。

富安:ピカソ研究者の方からも、とても面白いとおっしゃっていただけます。展示会によっては、コレクションの中から同じ作品を展示することもありますが、切り口が違うと見え方が変わってびっくりしますよ!

 これから訪れる皆さんのためにもピカソのセラミック作品の魅力を教えてください!

富安:少し長くなりますが、ピカソがセラミックを手がけた背景を知ると、より楽しめると思います。ピカソは、絵画に関しては、暗い題材を扱った作品も多く描いています。

 暗いテーマ?

富安:例えば、代表作の絵画《ゲルニカ》(1937年)は戦争の悲惨さがテーマです。他にも暴力性や死への恐怖などをテーマにした作品が多くあって、そういう作品は鑑賞者にも緊張を要求します。

一方、セラミックの作品は、藤縄館長が惹かれたように、基本的にはどれも陽気で楽しくて明るいのです。

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 なぜ、それほど違いがあるのでしょうか?

富安:ピカソがセラミックの制作を本格的に始めたのは、第二次世界大戦が終わったばかりの頃でした。戦争が終わって平和な時代がやってきたという喜びが世間に満ちていて、ピカソ自身が「これからはみんなで幸せになろう」という考えを持つようになった時期と重なります。

 戦争も終わって、ちょっとだけ明るくなっていたのかもしれませんね。

富安:その時期に、ヴァカンスで南仏のヴァローリスという伝統窯業の町を訪れたことでセラミックの制作が始まりました。

 その頃、ピカソはもう60歳を超えていますよね?すごい精力的ですね。

富安:当時の感覚だと老人扱いでもおかしくないですよね。でも、91歳で亡くなるまで生涯現役だった人ですから。それに、絵画や版画、彫刻などさまざまな分野で新たな表現を切り開いてきたピカソにとって、陶土との新しい出会いはワクワクするものだったのではないでしょうか。

 ピカソは、セラミックのどんなところに惹かれたんですか?

富安:立体(彫刻)とも平面(絵画)とも少しずつ違うというのは、まず楽しかったでしょうね。それから恐らくですが、出来上がりのコントロールが他の手法に比べて難しいというのも新鮮だったのではないでしょうか。ピカソは絵の具の扱いには熟達していましたが、土は焼くと縮みますし、釉薬は焼く前と焼いた後では色が変わります。勝手が違ったことでしょうし、それを自在に操る職人への敬意も持ったことでしょう。

 セラミックは、ピカソの絵画とは、また違った楽しみ方ができる作品なんですね!

富安:ぜひ、ヨックモックミュージアムで、絵画とは違うピカソの魅力を発見してもらえたら嬉しいです。

臨床美術をベースにしたアートセッションは大盛況!

― では、二つ目の柱「教育プログラム」について教えてください。

飯島:「YM アートセッション 心を元気にするプログラム」と銘打って臨床美術を基礎としたアートセッションを定期的に実施しています。

―  臨床美術とは?

飯島:臨床美術は、認知症の予防や改善を目的に生まれたアートプログラムです。現在では、働く大人のストレス緩和や子どもの個性を磨く感性教育にも効果が期待されています。

※『臨床美術』及び『臨床美術士』は、日本における(株)芸術造形研究所の登録商標です

― どのようなプログラムなのですか?

飯島:どなたでも感じたままに作品を描いていただけるプログラムです。小さなお子様から、お年を召した方まで、誰でもが五感で楽しんでいただけるんですよ。上手に描くことは目的でなくて、表現すること、楽しむことを目的にしています。

 へー!

飯島:これが、実際のプログラムでできた作品です。

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 素敵な桜の絵ですね。

飯島:この桜、実は板に垂らした墨汁を吹いて偶然にできた形を枝に見立ててオイルパステルで花びらを点描しました。板にオイルパステルがトントン!と響く音や感触も楽しみました。

 偶然からこのような素敵な作品がうまれるのですね!

飯島:臨床美術は、写実を用いたりすることなく、感じたままに描けるプログラムなんです!だからどんな作品でも「間違い」がないし、「みんな違って、みんないい」んです。アートが苦手な人こそ、ぜひ体験して欲しいですね。最後に出来上がった作品を、参加者全員で鑑賞するんですよ。

 鑑賞会は、どんな雰囲気なんですか?

飯島:鑑賞会は、年齢・性別・肩書も関係なく、フラットな関係でお互いの作品の素晴らしいところを伝え合います。毎回、すごく盛り上がるんですよ!私たちはこの時間を大切にしています。

 ぜひ参加してみたいですね!

飯島:季節に合わせたプログラムがありますので、ぜひチェックしてご参加いただければと思います。

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「カフェ ヴァローリス」に流れる、ゆるやかな時間。

― 三つ目の柱「カフェ事業」についてお聞きしたいと思います。

松本:ミュージアムに併設した「カフェ ヴァローリス」は、ピカソがセラミックと出会った街にちなんで名付けられました。

 日当たりも良くて、とても居心地の良いカフェですね。

松本:メニューにもこだわっていて、特に軽食のクラブハウスサンドは、大変好評いただいています。「スモークサーモンとクリームチーズ」が私の推しです!

 美味しそう…!

松本:カフェには、バリスタがほぼ常駐していますので、本格的なコーヒーもご用意しています。冷たいお飲み物も、きちんと淹れたてを冷やしてご提供しているんです。

 すごいこだわりですね!

松本:もう一つのこだわりが、ミニャルディーズ(ひとつまみサイズのお菓子)です。毎日、ヨックモックグループ内のミニャルディーズ専門店アン グランから8種が届きます。そのうちの一つは当館限定なんです!

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ヨックモックミュージアム限定「ヴァローリス」※イートインのみ

 華やかなお菓子ですね!

松本:その他、“美術館カフェの新しい過ごし方”の提案として、お茶をしながらアート体験も楽しめる「art for café」というセットもご用意しています。

 色鉛筆が入っていますね?

松本:現在は、「世界に一つだけのコースターをつくろう」というメニューですが、季節に合わせて、当館の教育普及担当学芸員が開発しています。

飯島:こちらも臨床美術をベースに開発しました。パッケージに手順が記載されているので、誰でも簡単に作品を描いていただけます。無地のコースターに線を引くことから始まるんですけど、気がついたら止まらなくなります。

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線を引いて、偶然うまれた形に好きな色を塗ります

松本:実は、アート体験型メニューとして、ラテアートを体験できる「art for latte」というメニューもあります。せっかくなので、やってみませんか?

 ちょっと緊張しますが、ぜひ!

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ラテアートの一つの技法であるエッチングを体験できるカフェメニュー。
ピックを使用して自由にデザインや文字が描けます!
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取材スタッフも初体験!バリスタさんのアドバイスもあり、楽しめました!

 なんか、ついつい熱中してしまいますね。そして、カフェラテ美味しいです。

松本:カフェを目的にご来館されるお客様もいらっしゃいます。ミュージアムだけでなく、カフェでも楽しんでいただきたいです。

アート作品以外にも見どころ満載!

― 他にも色々見どころがあるとお聞きしました!

富安:館内のマップやサイン類もセラミックで制作しています。

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― 本当だ!かわいい・・・!

松本:当館ロゴと同じく、廣村正彰氏にデザインをお願いして、京都の陶芸作家である荒木寛一先生に焼いていただきました。

随所にこだわりがたくさんありますね。

松本:美術館としての役割を守りながらも、既成概念にとらわれることなく、こだわりが詰まった美術館なのでいろいろな方々に楽しんでいただきたいです。

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ミュージアム限定デザイン!
プティ シガール「ヴァローリス」缶もご用意しています。


ヨックモックミュージアムには、静かにアートを楽しむ時間が流れていました。ぜひ皆さんも、お散歩がてら訪れていただけたらと思います!

とってもありがたいことに、お客様によるミュージアム訪問noteをたくさん投稿いただいています。#ヨックモックミュージアム もご覧ください。

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楽しそうな笑い声が写真からも聞こえますでしょうか?お三方の仲の良さが印象的でした!
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ヨックモックミュージアム
開館時間:10時〜17時 ※入館は閉館の30分前まで
※カフェは11時〜17時30分まで(L.O.は閉店の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は翌平日)、展示替期間、年末年始
住所:〒107−0062 東京都港区南青山6丁目15−1
アクセス:東京メトロ「表参道」駅B1出口から徒歩9分

(おわり)

■ヨックモックの商品情報、最新情報等、詳しくはこちら
・ホームページ       https://www.yokumoku.co.jp/
・オンラインショップ https://www.yokumoku.jp/
・公式Instagram     https://www.instagram.com/yokumoku_jp/
・公式X(Twitter)      https://twitter.com/yokumoku_jp


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