問題演習超高速化教室~『量』と『復習』に押しつぶされる前に
皆さんこんにちは。クラスマネージャーの黒澤です。
司法書士試験受験生の皆様、膨大な問題演習に勉強の可処分時間を圧迫されていないでしょうか?
勉強するべき科目数が増えるにつれ、複数間の問題演習を同時並行で回せなくなっていませんでしょうか?
司法書士試験の業界では、過去問等の問題演習が膨大なので、「やる過去問の量を絞りましょう」、「平成○年くらいまでは過去問はやったほうがいいでしょう」といったように、問題演習の『対象を絞る』趣旨のアドバイスを受けたことがある人は多いかと思われます。
しかし、『絞った対象をどのように学習していくと合理的か?』といった部分は、あまりアドバイスを詳しく受けたことはないのではないでしょうか?
最近、受験生方の相談を受けていると、この『絞った対象をどのように学習していくと合理的か?』という部分で迷いが生じてる方が多く、実際にそれがうまくできていないせいで、可処分時間の有効活用や学習効率の差が生じているなと感じることが多いです。ある意味受験生に『任されている部分の方法』において差が生じているのでは?ということです。
この受験生に『任されている部分の方法』は受験生によって千差万別であり、ある意味『ブラックボックス』になっています。他の受験生が問題集をどういう風にやっているのか?ということについて知る機会はないですよね。そして、受験生としては特に気になるのは合格者があの大量の問題集をどのように捌いていたのかということでしょう。
そこで、今回はその『ブラックボックス』の中身を一部公開です。
具体的には、合格者のサンプルとして、私が受験生の期間や今でも問題演習をするときにどのようにやるのかという点をご紹介していきたいと思います。自分はこの方法で勉強対象の問題集を圧縮しまくり一日平均100問くらい(肢でいうと500肢)くらいを安定して片付けていたので効果は実証済みです。気に入った部分があれば大いにパクってご自身の勉強に使えると思った部分を取り入れてみてください。
《用意するもの》
①演習したい5肢択一の問題集(肢別本でも可)
②赤の下敷き
③フリクション等の消えるボールペン(オレンジ)
《最初にやること~1周目》
まず、1周目でやるのはその問題集をこれから2周、3週・・・と繰り返して高速でやっていくことの『仕込み』です。
この1周目では私の場合、上記③で問題文自体に書き込みをしていきます。正解するかどうかという点はぶっちゃけこの1周目ではどうでもいいと思っています。ここで躊躇して解けるまでテキストでインプットを・・・と思ってしまうと演習敬遠病のような受験生がよくかかる謎の病(自分はこれ受験生の初期でかかってます)になるので「問題集は書き込みしながら読書」と思って迅速にやるべき問題に着手するのがポイントです。手を動かすだけでも人間やる気になってきます。
具体的には、さっさと問題の解説を読んでしまい正誤の○×をどんどん書き込んでいきます。そして、ここで問題の誤っている部分等に下線を引き、その下に正しい答えを書いていきます(書き込むことは一言でOKで、書くことに神経を使いすぎないのもポイント)。
この作業をやりながら「ああここが間違ってんのね」だとか「ああここで騙してんのね」というのを、解説を見ていいというカンニングし放題状態で意味を納得していくわけです。また、問題を見て気づいたことなどのメモを書き込んでおくと記憶の喚起がしやすいです。
「解いていないじゃないか」と思うかもしれませんが、本格的に「その知識を覚えているのか」といった趣旨で解くのは書き込みをした問題を②で隠して演習の高速化の下準備が終わった2回目以降なので、1回目で解かないことに対する罪悪感は一切持たないで大丈夫です。
以上をやっておくことにより、2回目以降の演習が高速化します。なぜなら、2回目以降は原則として時間のかかる解説は読まず上記②を被せて自分の書き込みを隠してドンドン問題だけを見て解いていくからです。2回目以降の演習がめちゃくちゃ手軽にできます。自分の書いた書き込みなので他人の書いた解説より記憶の復元も容易です。
また、この方法でやると2回目以降の演習を通して気づいたことなどを書き込みをしていくので、自分の勉強をした『痕跡』が残るので、その問題集が自分の完全カスタマイズ使用になっていくので、単に解くことを繰り返すよりも、重層的な勉強が可能になってきます。お試しあれ。
《2周目以降の繰り返し演習で意識すること》
・『減らす』という意識を持つこと
2周目以降では、②を被せてガンガン問題を解いていくのですが、ここでポイントとなるのは『減らす』という視点でやりましょうということです。
どんどん問題を解いていってそれを繰り返すとしても、それをまた最初から全部解き直しといったことを延々とやり続けているだけでは、あなたがやらなければいけないことに永久に終わりはやってきませんということです。
また、効率のいい勉強というのは、できないことに集中的に可処分時間を使える勉強です。そうすると、できることはさっさと削らないとできないことに集中できないということになってしまいます。
ですから、「○○までできたら、その肢は次からはやらない」という風に、その問題を次からやらない基準を作り機械的に処理するのが大切です。こういった基準があいまいだといつまでもできる問題を何度も解くことで時間を浪費することになるからです。
自分の場合、解答の○×の正誤と解答根拠を3回連続で言えたらその肢とはおさらばと考えて、問題文自体にでっかくXと書き込んでしまいます。そして、以降の周回では残った肢だけを検討するので物理的に検討するものが減るり、その分だけ早く終わるということになります。
以上のようにやることで、まずメンタルの面で自分がやるべきことが減っていくので安心感とできるようになっているという達成感が得られます。これが実は直前期のメンタルに効いてきます。また物理的な面でもやることが減るので、演習以外の他のことに勉強時間を使うことも可能になってきます。
司法書士試験は11科目あるので、やるべきことをどんどん圧縮していくということを意識していかないと、どんなに処理能力が高い人でも破綻します。ですから、知識を「増やして」できることを「増やす」という意識も大切ですが、もうやらなくていい知識を勉強対象から「減らす」という意識も持つことが大切になってきます。
・『短期間を置いて』『簡単でいいので』『繰り返して』『思い出す』こと
勉強というのは1回全力で長時間かけて死ぬ気で覚えても繰り返さなければ忘れます。高校や中学での中間テスト前日の無勉状態での必死の追い込みを思い出してください。テストが終わった後の1か月後って覚えてますかね?
ある物事を覚えたい場合は、『短期間を置いて』『簡単でいいので』『繰り返して』『思い出す』ことが重要です。
ですから、上記の要領で赤シートで隠せるように改良したのはこれができるようにするためです。
上記の要領で書き込みをしていると2回目以降の問題演習が慣れてくると高速化します。しかも、自分の書き込みなので簡単に確認できます。つまり、繰り返しが素早くものすごく気軽にできるようになってくるので、上記の勉強が実現しやすくなります。また、繰り返す度、できるようになった問題はでっかく×をつけて消していくので、できない部分に戻ってくるスピードも速くなっていくということになります。
この要領で数年分の過去問や問題集が数日で終わるといった状態になればしめたものです。
《本試験までにやること》
・どうしてもできない問題は別途ストック
上記の要領で問題演習をしていると、直前期まで何回やっても間違えて正解できない問題が必ず出てきます。そのような問題は特に付箋などを貼って目に見える形にしてストックしておきます。なぜなら、そういった問題は直前期であれば問答無用で脳内に突っ込む必要があるからです。直前期にそのような肢が検索できない状態になるのは危険です。
そのような肢は、上記の要領で減らしに減らした後で数も少なくなっているので、ICレコーダー等のボイスレコーダーに録音して、無理矢理覚えていくといったことをやりました。覚えていれば解ける以上覚えたもの勝ちだからです。
・問題演習中心の学習者ほど網羅性の確保をすること
問題演習中心の学習者ほど陥りやすいのが、『問題でやっていないところ以外はできない』という状態です。そこを避けるための対策はしましょう。
上記の要領で問題演習をした後に、テキストを読むと演習の後なので、演習でやった知識に関しては「さっと読める」状態になっています。「はいはい、知ってます」といった感じです。演習を通してその知識は強固に濃いものになっているからです。問答無用でどんどん読み流していってください。逆に、問題演習でやっていない知識というのは、「あれこれ読みにくい」だとか「ああこれ知らないわ」と浮き彫りになってきます。ですから、この後者にあたるものに付箋などを貼って重点的に読み込んでいってください。
以上のようにやって、その貼った付箋を剥がせるようになれば、ただテキスト全体を漫然とやっているよりも、穴のない学習を効率的にできたということになるわけです。
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