挿絵表示切替ボタン
▼配色






▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~【1巻5/15発売】 作者:エリーゼ

第六部

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
258/536

256 衝突

◆ 加賀利・城下町 ◆


『虫けらどもが、調子に乗りやがって!!』

『あの3匹だ、注意しておけ』

『ぶち殺してやる、虫けら共がァ!!!!』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【ドラゴニックマッシブボディ】を発動、STR・AGI・MNDが急激に上昇します!』

『星龍ラージウス(Lv,????)が【マジックジャマー】を発動、魔術系攻撃の狙いが定まらない領域が展開されました』

 

 こいつらね、今までのドラゴンと全く違うタイプだわ。ブチギレててもやることしっかりやってくるし、ゼオちゃんが良性状態を破壊してくるって学習したら、もう良性状態系のスキルとか一切使ってこないもん。こういうマッシブボディ系は状態って言うより筋肉を活性化みたいな身体変化だから、ディスペルとか状態破壊で解除どうこうの話じゃないんだよね。これの対抗は【衰弱】とか【脱力】とかのデバフ系だから魔術でデバフ掛けたいのに、あっちの黄色い方(ラージウス)がしっかり邪魔してくる。なんとウザい……。しかも『あの3匹に注意しておけ』の3匹、零姫おばあちゃまとゼオちゃんと()っていうね。がっつりとマークされてるもん。


「…………」

『星龍ラージウス(Lv,????)が【不明なトラップスキル】を発動しました』

『ピピピ……。罠感知【ダイバークラッシュ】』


 これだよ。アビスウォーカーを見られた途端、次からはそれ禁止ねとばかりにアンチダイブ系スキルの上位っぽいやつ設置してくるし。いやぁ~やりにくい、おばあちゃまもゼオちゃんも同じように対策を積んでくるんだよねこいつ。


「領域と罠は、破壊出来ない。困った、ました」

「ディストラップで破壊しますかっ!?」

「いや、ジャマーで破壊系魔術も妨害してるから当たるか微妙、多分当てさせてくれないと思う」

『潰れろぉ!!!!!!』

「来る、来ます!」

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【アトミックボディプレス】を発動、破滅的衝撃波が発生します!』


 来た、これがあまりにも単純であまりにも対策困難! こういうときはね、こうよ!


「ペルちゃんガーーード!!!」

「任せなさいですわ~~!!!」

『ペルセウスが【アイギスフィールド】を発動、ペルセウスの周辺に【ペネトレイト・25】の領域が展開されます』

『【アイギスフィールド】が攻撃を無効化しました! 【残ペネトレイト・5】』

『っらぁあああああ!!!!』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【大激震!】を発動しました!』


 あ、ヤバ――ごめんペルちゃん。


『【浮遊】を発動、空中浮遊状態になりました』

「あら!?」

『【アイギスフィールド】決壊! ペルセウスが5,202Kダメージを受けました。ド根性発動! HPが50%回復し、3秒間の無敵状態になりました』

(みな)は退かせて正解じゃったな、なんという馬鹿力じゃ!!!』

『零姫が【切り払い】を発動、攻撃を無効化しました』

『ゼオが【魔盾・戦姫】を発動、攻撃を無効化しました。【残ペネトレイト・175】』


 ん~~~ペルちゃんが実質一回死んだ~~……。あ、リアちゃん大丈夫だった……?


「リアちゃん!」

「平気です、猫は飛べます!」

『狐も飛べるのじゃぞ!』


 飛ぶっけ……。飛んだかも……。いやトカゲが飛べるんだから猫と狐ぐらい飛ぶか……。いやそうじゃなくって、これは本当にヤバいなぁ~。もうハッゲさん、シュタークさん、エリスさんがあっという間にやられちゃって30分の侵食状態デスペナ、どん太達とかきぬちゃんは北側の残党処理でめちゃくちゃ忙しくてこっちに来られないし、ペルちゃんだけ無理してこっちに来てもらったけど、かなり余裕がない。というか攻め手に困るようになってきた。


「この、大人しくお肉、なるべき!!」

『ゼオが【魔槍・獣狩】【スナイパーランス】を発動しました』

『何度も当たるか! 当たらなければどうということもない!!』

『星龍ラージウス(Lv,????)が【歪曲空間】を発動、空間の一部が歪みました』

『MISS……。ゼオの攻撃対象が存在しません』

「ズルい! ズルいズルいズルい!! むぅぅぅぅう~~~~!!!!」


 これがね、遠距離攻撃が真っ直ぐ飛ばなくなるクソスキルね。明らかに直撃コースで飛ばしてるのに、ラージウスに当たる直前にギュゥゥン!! って曲がってくのよね。それだけならまだこのスキルはクソスキルって言い難いんだけど、問題はこのスキルね……。


『そぉら!! 返してやる!!』

『星龍ラージウス(Lv,????)が【歪曲空間】を発動、空間の一部が歪みました』

『ゼオが【魔杖・獄炎】に形状変更しました』

『ッチ……。武器を軽くも出来るか、あの銃使いのように楽には行かんな』

「わあ、危ない危ない。もう投げるのは、やめておきます」


 歪曲先を更に歪曲させて返してくるんだよね、遠距離攻撃。これを見ちゃったもんだからリアちゃんの攻撃も迂闊に発射出来ない――そもそもリアちゃんの攻撃ジャマーで曲がるし――し、リトルブラックホールも射出型魔術だから迂闊に撃てない。こういう時こそ面で攻撃できる大規模範囲攻撃なんだけど、それが欲しいと思った途端に気がついちゃったね。あ、私含めて従者の誰も大規模な範囲攻撃持ってないじゃんって。そこそこの規模なら持ってるんだけどなぁ……。

 

『どうした? 掛かってこい! 近寄ってこの首を落とせばいいだろう!』

『乗るな乗るな、完全に誘っておるぞ!』

『こちらはやりたい放題、お前達は指を咥えて見ているだけか! ハハハハハ!!!! 守りだけは硬いが、いつまでそうしていられるか見ものだなァ!!!!』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【グラビトロンブレス】の発動スタンバイ!』

『星龍ラージウス(Lv,????)が【歪曲空間】を発動、空間の一部が歪みました』


 あ~~~もうやりたい放題やってくる! いつもならこっちが対策を取ってギッタンギッタンに叩きのめせるのに!!! 悔しいけど向こうのほうが戦術が上手だわ、挙句の果てにタフでちょっとやそっとの攻撃じゃビクともしない! ん~~ぐぉぉぉおおおおおお……!!! 頭に来る……!!!!!


『なんとか止められぬか!!』

「これは、そう! ヤバいです!」

「かくなる上は特攻あるのみですわ!!!」


 駄目だってペルちゃん、守りの要なんだよペルちゃん!!! ん~~どうする、どうするどうする? どうしようもない? いや、なんかあるはず! なんかはある!! 待って、これだけの歪曲空間があるのにアイツどうやって攻撃をこっちに通そうとしてるわけ? 向こうの攻撃だって歪むんだよね? ブレスを撃とうとしてる方向は、なんか微妙に私達の方向を向いてない…………!


「リアちゃんとにかくばら撒いて!!! あっちの方ね!」

「え!! や、やりますよ、やっちゃいます!」

『オーレリアが【まがちゅ・超猫猫祭】を発動しました』

『歪曲……。オーレリアの【まがちゅ・超猫猫祭】の軌道が歪曲空間に捻じ曲げられました』

『何をやっても無駄だ!!! ガリャルドの重力の前にひれ伏せ!!!』

『ガァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!!!!!!』


 ジャマーを展開してるのはラージウスの周辺だけ、ガリャルドの周辺はジャマーが展開してないならリアちゃんの猫は狙った方向にしっかり向かっていく、これだけの数……当たり(・・・)があるはず。一発ぐらい、あるはず!!


『ア――――ッッッ!!!?』

『オーレリアの【まがちゅ・超猫猫祭】が合計1匹、真龍ガリャルド(Lv,????)に直撃しました! 真龍ガリャルド(Lv,????)に425Kダメージを与えました』

「ゼオちゃん!!! この方向に投げて!!!」

「肉ッッッッッ!!!!!」


 待って、どっかで聞いたその掛け声。いやでもこの際掛け声は良い! 向こうの攻撃が通るルートが存在してるんだから、逆にこっちの攻撃が通るルートだって用意されてるんだ! 当たれよ、肉になれ!!!


『ゼオが【魔槍・獣狩】【スナイパーランス】を発動しました』

『マズい、ガリャルド! 口を閉じ――――』


 もう遅いんだよ!!!!!


『特効! クリティカル! 真龍ガリャルド(Lv,????)に55,352Kダメージを与えました』

『ガァ――!!!??』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【グラビトロンブレス】の発動に失敗! 自傷ダメージとして112,220Kダメージを受けました』

『クソッ!! ラウダ・ナウダ!!!!!』

「サレナ! ゲグ・ナウダス、アニェーラ!! ニーリル・ベギルリンフェ!!!」

『ガァアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【怒髪天】状態になりました!』

『立て直せ! 調子に乗らせるな!!!』

『黙れ!! 守ってばかりの臆病者がァ!!!!!』

『なんだと貴様ァ!!!!!』


 おーおー、一旦崩れると一気に崩れるじゃん。これはこっちにチャンスが巡ってきたんじゃないの~? ここは調子に乗らせて――――ッ!!!


『星龍ラージウス(Lv,????)が真覚醒スキル【星の息吹】を発動、真龍ガリャルド(Lv,????)が完全に回復、全ての状態異常を回復、全ステータスを劇的に向上させました!!!』

『守るだけではない!! 回復も補助も出来るわッッッ!!!!』

『…………おおお!!! おおおおおおお!!!! 力が溢れる、漲る、昂ぶる!!!! ハハハハハハハハハハ!!!!! 流石だ、ラージウス!!! 素晴らしいぞ、この力ァ!!!』


 あ、無理。ヤバいとかいう次元じゃないわ。そうだよね、これだけ色々なスキルを巧みに使いこなせるってことは、それなりに修練してんだよねこいつ。覚醒スキルなり、真覚醒スキルなりが使えてもおかしくないんだわ……。最悪なのはペルちゃんタイプで、真覚醒スキルを撃った反動がブレイクじゃなくってクールタイム発生だけで職ポイントある程度帰ってくるってタイプ。これでラージウスがグロッキーになったと判断するのは愚の骨頂…………!!!


「逆にあちらの黄色ドラゴンが弱っているはずですわ! 攻め時でしてよ!!!」


 あのね、愚の骨頂いるわ。いやいや、私が怖気づいてるだけかも。ペルちゃんのこの『行ける時に行く!』ってスタイル、この局面では逆に大事……!!


「むんっっっ!!!」

『ペルセウスが真覚醒スキル【アポカリプス】を発動! 終焉の魔剣が振り下ろされます……』

『パーティ全員が【ペネトレイト・15】状態になりました! ペルセウスが【ペネトレイト・105】状態になりました!』

『ペルセウスが【アイギスパワー・メイクアップ!】を発動、保有していたペネトレイトを全て消費しました。ペルセウスの全ての能力と複数のスキルが強化されます!』

「眠れぬ不死者達よ、我等の力となれ! ネクロフォース!!」

『パーティ全員にステータス+150・被ダメ時無敵3秒・HP20%回復・状態異常回復が発動しました』

 

 行け、ペルちゃん!!! あのクソトカゲコンビをやーーっておしまいっ!!!


『これが力だァ!!!!!』

『真龍ガリャルド(Lv,????)が【グラビトロンブレス】を即時発射しました!』

「あ」

『あ』

「あ、ヤバい、です」

「あら!?」


 いや、さっきそれスタンバイ必要、あ、これ無理――――死――――!


『打ち消し! 【アポカリプス】の威力が【グラビトロンブレス】より劣っています!』

『無敵効果発動! ダメージを無効化しました』

『パーティ全員に無敵効果が発動、ダメージを無効化しました』


 あ~無理だ、3秒以上は続くタイプのスキルだわこれ。はい、はい。無理でした……!! ペルちゃんのアポカリプスまで消えちゃったし、ペネもごりごり削れてるし、せめておばあちゃまとゼオちゃんだけでもここから離脱してくれないかなぁ……。こいつら強すぎるよぉ……。



『つみれの応援バフが発動、つくねが強化真覚醒スキル【テラインフェルノブレス】を発動しました!』

『ッ!!!??』

『相殺! 【グラビトロンブレス】と威力が同等です!』


 

 い、生きてる……。生きてる? なんで、ログ――――つくねちゃん!!!?


『厄介なのが増えたな……』

「厄介? もしかして、わっちに勝てるとか思ってる? 頭が高いんだよクソトカゲの分際でぇ!!!!!」

『速い……ガリャルド!!!』

『しまっ――!!』

『つみれの応援バフが発動、つくねが【地獄猛龍身弾】を発動し、真龍ガリャルド(Lv,????)に13,352Kダメージを与えました』

『ガァ……!! 小癪な――!!!』


 つくねちゃんが、新装備を早速活用してくれてる!! 間一髪助かった、でもこいつらにはこのダメージじゃ……。


『構うな、威力は大したことはない!!』

「っく、っふふ、はははははは!!!! これでダメージを負うようなら、わっちには勝てない……勝てないんだよォ!!!! 身の程知らずが、思い知らせてやるッッッ!!!!!」

『つくねが【巨大化】を発動しました!』

『……! で、デカくなった程度で――』

『つくねが【★巨大狂龍姫式地獄巡り】を発動、目にも止まらぬ斬打突の複合攻撃! 真龍ガリャルド(Lv,????)に60,084Kダメージを与えました』

『グァ!!! グッッ……!!!?』

「きゃああーーーーー!!!!???」

「うわ、ヤバいです! 風、凄い!」

『まるで大怪獣合戦じゃ!! 儂らは退くのじゃ!!』

「でもつくねちゃん一人だけじゃ――――」

『(*´∀`*)?』

「!?」


 なんでおにーちゃんが居るの?! なんでおにーちゃんが居るの!!?? なんでおにーちゃんが居るの!!!??? なんで!? なんで!!?? なんで!!!???


『フリオニールが【巨大化】を発動しました!』

『(*´∀`*)』

『( * ´ ∀ ` * )』

『(  *  ´  ∀  `  *  )』

『なんだこいつは!!??』

「そっちが二体なら、こっちも二人だ、連れてきたんだよッ!」 

『クソ、もはや邪龍王を超えるための余力など、残しておくわけにはいかんぞ!!』

『全力を出す、今ここでッッ!!!!!』


 つくねちゃんが空輸して連れてきたのか~~!!! ここはもう巨大怪獣同士の大決戦場、役に立たないチビちゃんズは退散だ退散! いやでも、つくねちゃんは今ならまだ余裕がありそうだし、パーティ申請飛ばしておこ……。


『つくねのパーティへ加入申請を送りました』

『つくねが承認しました』

『現在のパーティを脱退しました』

『つくねのパーティへ加入しました』


 これでつくねちゃんに気がついたこととか、こいつらの攻撃パターンとかを垂れ流しておこう。特に歪曲空間の攻略方法とかは使えるはず、私は物陰に潜ませてもらうよ……。


「お姉ちゃん!? なにやって――――むぐぐっ……」

「しーーっ……。ここであいつらの弱点を探って、つくねちゃんに教えるの。そしてあわよくば……ね?」

「……! ぷはっ……なるほど、わかりました!」


 よぉし、戦線からは離脱したけど戦闘からは離脱してないからね、私は。チビちゃんズにはチビちゃんズの戦い方があるってのを、あいつらに嫌って言うほど思い知らせてやる! さあ、第二ラウンドだ!!!




  • ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいねで応援
受付停止中
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ