orangestarの雑記

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後で消すかもしれません。白人社会で、白人の犯した罪を『人類の犯した罪』として、そのほかの黄色人種や黒人も背負わされている件について

ここ数年思っていることなのだけれども、白人の犯した歴史的な罪を、なんで、人類全員の罪として黄色人種や黒人も背負わないといけないんだと思う。思うというか、これからはそういうのは『切り分けて考えないといけない』んじゃないかなって思ってる。

依然世界は白人中心社会で、他の人種は差別される側で、直接虐殺や民族浄化に関わっていない他の人種や国の人間(歴史が違えばその時代に同じように虐殺されていただろう人間)が、白人の罪の清算の支払いや贖罪を一緒にさせられてる、そういうのはやっぱりおかしい、この世界は白人世界ではない、ということをちゃんとしていかないと、と思う。

ユダヤ人の虐殺や、黒人の奴隷化、アジアでの植民地政策、アメリカ先住民の虐殺。これらは『白人』が『白人の持つ教理の元』行われたことであり、その責任は『白人社会(と白人社会の持つドグマ)のみ』にある。当たり前の事なのに、人類の罪的なものとして、世界中の人間がその罪を負い、触れてはいけない、その題材を扱う時には、「ごめんなさいこれは人類の、そして私たちの罪です」というポーズをとらないといけない。でも、それ違うくない?

白人のドグマの外側にいる人間は、全員その白人社会の被害者になる可能性があり、そして、そうだった過去(そして現在)を持つわけで、もっと

「お前ら(白人ども)思い知れ」

というような姿勢でいてもいいはず、というか、そうあるべきだと思う。
文化の収奪、という概念が嫌いで、これ、本当に白人社会の傲慢さが溢れてると思うんですよ。文化というものに上下をつけて、持たざる者の文化から奪ってるという、そういう傲慢さがある。
もっと文化というのは、混じって、影響されて、変わって、変化していくもので、生きている文化というものは、常に同じ形をしていない。『文化を保存しよう』という考えが、その文化は死んだ文化で上目線で「私たちが価値を認めてあげるから保存しましょう」っていう、なんかそういうのを感じるんですよ

まあ、なんでこんなことを急に掻き出したのかというと、
『Mrs. GREEN APPLE』のコロンブスという曲のPVが今炎上しているからなんですけれども。
コロンブスとベートーベンとナポレオンに扮した歌い手が類人猿の家に勝手に忍び込み、文化を啓蒙する、という流れになっているんですけれども、これ、皮肉としたらものすごい皮肉だし(文化を啓蒙される側の黄色人種が白人のまねごとをしてさらに原住民的な類人猿に文化を啓蒙する、という)本気でやってるなら、自分が白人側だと思ってる本当に能天気なMVだ。

で、これを謝罪するとしたら(謝罪することになるだろうけど)、一体、誰が、どういう立場から、どの方向に向けて謝ることになるんでしょうね?

かつて、コロンブスによって、虐殺されたアメリカの原住民の人に対して、名誉白人(名誉白人!)として、白人の犯した罪を、自分の罪として、「”自分たち” が傷つけた人たちに対して反省をせずにこのような茶化したMVを作ってすまなかった、”自分たちの犯した” 罪に対して無自覚だった」

というんでしょうか?

(実際のところはどこかよくわかんない方角に向かって、配慮と歴史の勉強が足りなかった)というのだろうけれども。虐殺者としてのコロンブスを陽気な『虐殺される側の友人』として描いたのは、正しい歴史に対して誤解を与える行為であり…とでもなるんでしょうか。

こういう風に思うようになった理由というか、発端は、ウクライナロシア戦争とイスラエルのガザの侵攻です。

ウクライナ戦争以前も、世界の別の場所では、民族の自決をかけた戦争があちこちで行われていたのに、白人と白人同士の戦争になった途端に『これは世界の終りの戦争だ、罪だ!』と大きく騒ぎ出したり、

イスラエルの戦争でも、そこで行われているのは実際のホロコーストのような民族浄化であったのに、それを見ずに(まあ、ハマスはハマスで悪いですけれども、そこに住んでいる一般市民は関係ない)一方的にイスラエル側を支持する声明を出した、白人社会の要人たちを見ていて、結局、この世界の道理とドグマは白人中心に動いていた時と何も変わらない、建前でどんなに、『人類が全員等しいので、人類の罪は人類全員が背負わなければならない』みたいな事を言っていても、いざことが起こるとこういう風になるわけだ。

ちゃんとしないといけない。
見てみないふりをしてはいけない。

ちゃんと、
『白人中心社会で白人が犯した罪は白人が償わねばならない』

『そして、それは、それ以外の人種は非難する側でこそあれ、その罪の責任を負う立場にない』

そういう風にしていかないと、していない借金だけ背負わされて、『一緒に返していきましょうね』って食い物にされ続けるだけだ。

エネルギー問題だってそう。

自分たちが散々、エネルギーを使用して、二酸化炭素を放出した後で、後追いでやってくる人たちに対して、『地球の環境が汚染されています、全世界の人間は罪びとです、地球環境のために、エネルギーの使用や発展を辞めましょう』

これは通らんし、やっぱり通しちゃだめだよ。通すなら、まずちゃんと全部清算させてからだよ。
結局、生産させられないのは、白人のドグマが、ジャイアンで、法律だから、それに従わざるを得ないわけで、でも、その暴力性に対しては、『それは暴力だ』って言い続けないといけない。支配者に自己同一化してはいけない。

自分たちはコロンブスの側ではなく、コロンブスに征服される側なのだから。