最終学歴は小卒で、二十年引き籠っていた女性Ｈ様が会いに来た。私が「お前は何にもやらねえよ」と書いた記事を読み、逆にやる気が出て「こんちくしょー」となり、二十年振りに外に出ることが出来たとＨ様は言った。引き籠っていた間はトイレさえも行けない時期があり、一切合切を自分の部屋で済ませた。家の階段を降りるだけで筋肉痛になるくらい、心も体も衰弱をしていた。そのようなことをＨ様は話した。

人の力になる方法は「情に寄り添うやり方」と「氷のように冷たい愛」がある。情に寄り添うやり方は、大衆に受けるし、人気も出るし、金も稼げるが、効果がない。占いやタロットやオラクルカードに、その傾向は強い。大丈夫だよと言って欲しがる人に大丈夫だよと言ってあげたところで、一時的な気休めにしかならない。だからこそ、相手を依存させることができる。結果、人気も出るし、儲かる。だが、効果はない。占いにはまると、自分で決める力を失う。

占いにはまると「何もやっていないくせに、何かをやったつもりになる」と言う病気になる。占いを、やらない言い訳に使う。やるアクセルには使わない。何もやっていないのに何かをやっている気になり、自分はその道に乗っているのだと勘違いをする。理想の自分の姿はうすらぼんやりと描けるのだが、現実の自分をまったく見ることが出来なくなる。自分を見るのが嫌だから、理想ばかりを見るようになる。結果、地に足がつかなくなり、ダメになる。頭ばかりが優先され、体験との繋がりが絶たれて行く。

占いをやっている瞬間は、栄養ドリンクを飲んだ時のように元気になる。だが、効果は持続しない。なんならちょっと吸われている。中毒になり、オラクルカードを買い足すようになる。オラクルカードは全部燃やせ。オラクルカードを十種類持っている人は、オラクルカードを捨てただけ強くなる。パワーストーンも同じ。パワーストーンを持つほど、その人は弱くなる。捨てただけ、強くなる。人を頼るな。自分を頼れ。オラクルカードを買うなら「やっちゃえ」としか書かれていないカードを買うといい。だが、そんなオラクルカードは売ってない。理想的なオラクルカードは、自分の中にしかない。

不幸な人は不幸にしがみつく。あらゆる手段を駆使して悩みの種をかき集め、自分の苦しみや自分の悲しみに固執する。苦しくなる努力をする。これをやれば幸せになれると言われてもやらない。自分の苦しみを守り抜く。不幸な人に「そのまま死ね」と言うと、悪口に聞こえる。だが、これは悪口ではない。順調な時も順調ではない時も、このまま生きて、このまま死ぬ。これが自然。そのまま死ねと言われて腹が立つ時は、自分の生き方が狂っている時。そのまま死ねと言われた時に「はい！このまま生きて、このまま死にます！」と言える時は、絶好調。あらゆる局面において、罪悪感を利用してはならない。情に寄り添った言葉の方が受けるし、人気も出るが、効果がない。変わらない。氷のように冷たい愛は、世界の言い訳を無価値化させ、引き籠りを飛び出させる。オラクルカードは全部燃やせ。やっちゃえ。私からは以上だ。