2024.06.09

秋田でクマに襲われ、命を落とした男性の「死の瞬間」…遺体の「第一発見者」は“最期の声”を聞いていた!

野田 洋人

まさかクマにやられていたとは…

その後、佐藤さんには声をかけましたが、待っていてもこないので、その後一人でウドを採りはじめました。10時半ごろに佐藤さんのクルマが止めてある場所で奥さんと会いました。佐藤さんの帰りを待っている様子で、「叫んで呼んでくれないかな」と頼まれました。

近くまでクルマで行こうとしましたが、別のクルマが停車しており、通行できなくなってました。奥さんにそのことを告げてから挨拶をして、私はその場から立ち去りました。

 

この時は、まさか佐藤さんがクマにやられていたとは少しも思いませんでした。奥さんはその後、佐藤さんのリュックのあった場所まで歩いて行って、「おーい」と声をかけたものの反応はなく、佐藤さんは戻ってこなかったということでした。

翌日16日の午前9時過ぎ、もう一度同じ場所に行きました。前日、佐藤さんが行方不明になったことはまだ知りませんでした。タケノコ狙いで山に入ろうとしたのです。

すると、現地で会った山の管理者が、「佐藤さんが昨日から出てこない」と言いました。そこで初めて佐藤さんが帰ってこなかったことを知ったのです。警察や消防隊員らが集まって捜索をするとかで、その日はタケノコを諦め、その場所にずっといました。佐藤さんの安否が心配でならなかったからです。

SPONSORED