2024.06.09
「遺体はすでに硬直し、足は曲がったままで…」秋田でクマに襲われ死亡した男性の「第一発見者」が明かす「恐怖の現場」
第一発見者の独白
「佐藤さんの身体はすでに硬直をしていて、左右の腕を身体の前に差し出された格好でした。足もまっすぐではなく、膝が曲がったままでした」
Aさんはこれまで15年ほど、佐藤さんと山中で行動をともにしてきた。春先の各種山菜からタケノコ、キノコ類、そして薬草の原材料採取など、レジャーではなく職業として、自然と向き合っている。
そこは、登山愛好家が決して知ることのない奥深い山。登山道もなく、人の気配も絶たれた世界。そこで食物連鎖の頂点に立つのは、ヒトではなくクマになる。
以下、佐藤さんの第一発見者・Aさんの独白をお読みいただきたい。
子どもの頃から父親に山の歩き方、山菜の見つけ方などを教わっていました。山に入るのは私にとって日常のことでしたし、クマが間近にいることも怖いとは思わなかった。
こちらが彼らのテリトリーに入っていることを考えて、礼儀というのかな、これ以上は採ってはいけない、無遠慮に近付いて怖がらせてはいけないという、自然に自分の中ででき上がったルールのようなものはありました。
山菜や漢方薬の原材料を採取するため、私は青森と秋田県の県境を中心に、山に入る生活を長年続けています。熊取平や四角岳がタケノコの時期の定番でした。スーパーK(2016年に4人の男女を襲って喰ったクマ)の騒動があって、それらの山が入山禁止となってしまい、それ以降は発荷峠が中心になっています。今回、佐藤さんが殺されたところです。