俺、教育する
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体とは一切の関係はありません。
特定の人物を馬鹿にする意図はありません。
「この学校はくそだ!!!くそな学校だからお前らみたいな屑が生まれるんだよ!駆逐してやるよ!!!」
生徒たちの恐れを孕んだ表情が俺に向けられる。
こうだ。生徒はこうでなくてはならないんだ……
◇ ◇ ◇
朝早く起きて、学校へと向かう。
俺の仕事は教師だ。当然なりたくてなったわけではない。早称田大学という高学歴の俺はなぜか就職に失敗し、めんどくさい生徒どもの面倒を見る仕事に就いてしまった。
そんな俺の唯一の楽しみはエロゲ配信だ。ニマニマ動画でよく生中継をしている。好きなキャラは貧乳JC。やっぱ昨日コメントしてたオタクはゴミだな。巨乳が好きだとか……貧乳が恥じらって裸を見せているのがいいんだよ!
そんなことを考えながら教室に着くとなにやら騒がしい。高校生なんてまだ猿から進化していない状態だ。ぴーちくぱーちく囀りやがってうるさいったらありゃしない。
こいつらのせいで付近の家からどれほどクレームが来ていることか。
クレームしてくる奴もきちがいの暇を持て余した老害だけだからな。ったく、なんで俺みたいな高学歴がこんな仕事をしなきゃならないんだか。
「さっさと席に戻れ!馬鹿がよぉ……」
いつもは立場をわきまえて席に戻るのだが、様子がおかしい。こちらをあざ笑っているようだ。
「おい!なんだぁその目はよぉ?」
手ごろなところにいる男を捕まえて、怒鳴る。謝ったら殴るくらいで許してやろうと思ったが、そいつは小さい声で口答えをした。
「エロゲ配信をしてる癖に……」
「何!?」
黒板には俺のエロゲー配信アカウントの写真と、レビューの内容が貼られていた。
くはぁ~~(>ω<)♪
柚夢ちゃん、柚夢ちゃん♪
はわぅ~…お腹一杯でございました(ぇ
これはまさに俺だ。なぜバレているんだ……
周りを見渡すと、俺の反応を面白がりながら伺っている生徒達。
こいつら……
「うわっっっ!」
生意気な生徒の顔を殴り飛ばす。盛大な音を立てて生徒は壁にぶつかった。服にシミがついている。鼻血がついてしまったようだ。汚ねぇな……
「出てこい、さっさと出て来いやぁ!ぶちのめすからよぉ……」
周りを見渡しながら叫ぶが、誰も出てこない。卑怯なやつらどもめ……
「俺はいいんだよ。こういうのは毎年のことだからヨォ、だけどな……フゥ(深呼吸して直前までの繋がりを忘却)。じゃなくて、こういう陰湿な奴が居るっていうのがこの学校の"カスさ"加減をよく表している。はいカス出てこい。"駆逐"してやるからよ!!!」
誰も出てこない。どうやら恐れで口も開けないようだ。今更自分のやったことを後悔しても遅いんだよ。カスが。
コイツらも可哀想な奴らだな。まともに教育をされてないんだから……
心理学を修めた俺が性根を叩き直してやるか……
「まあ、出て来たとしても許さねえけどな。一生こき使ってやるよ。奴隷だ奴隷笑。お前らは犯人出てくるまで帰れないぞ〜」
そうして夜まで拘束して生徒全員が土下座したところでようやく許してやった。
俺も腹が減ったしな。
最後には皆うつむいて泣きながら土下座するときたもんだ。笑えるぜ。
ま、俺を馬鹿にしたんだから当然か。明日からの態度が楽しみだぜ……
◇ ◇ ◇
「あいつ帰った?」
「帰った帰った。あいつダルすぎだろ……今の時代に暴力教師とかありえねえわ……」
生徒達の不満の声が溢れた教室で、一人の生徒がpcで何やら動画を再生し始めた。
「ちょっとこれ聞いてw」
「何? ……ってこれやば!録画してたのか!有能だわ!」
「ああ。これをインターネット上に流したらどうなるだろうな」
「最高!宴だわ」
「だろ?明日が楽しみだな」
to be continued……