おぉ・・・やはりうちの子は天才、いやそれ以上だ。流石は俺の子。なんと凄まじい本能か。
よしよし、丁度お前が倒した【
俺はアイテムボックスから二重螺旋状のメビウスの輪を取り出してフィンに与えた。
フィンにはモンスターや人間からスキルを獲得する方法とは別に固有スキルを獲得する方法が存在する。
それは特典武具をフィンに捕食させるというものだ。【双胴白鯨】がカーソンを融合していた特典武具ごと置換したように、フィンは特典を喰らって己の力にする事が出来る。
というか《
捕食や鹵獲もその過程や結果が異なろうとフィンにとって全てがスキルを作る為の行為に過ぎない。
何百年も生き続けてきた〈イレギュラー〉、それも非常に相性が良い能力を持っていた為か超硬度な神話級武具を飴細工のようにカジカジしているフィンの表情は至福の表情で蕩けており、俺は心が満たされていくのを感じていた。
(・・・そんな所も、カーソンに似ているんだな。)
もっとだ。もっとフィンに良質な
その為には情報が要る。どんな能力を持った
という訳でたった今良い“素材”が手に入ったのでそれで手足となるものを作ってみようと思う。
無性生殖するモンスターの原型から採れた《
これまで作ってみたクローンはオリジナルと遺伝子レベルで同一なのだが人間だろうとモンスターだろうと一律で【クローン・サーヴァント】という秘匿性皆無な種族になってしまうため、使う機会が全く無かったがこれで何処にでも溶け込める様になった。
そして何より《看破》にも反応する仕様になった様なので今まで知ることの無かった潜在的な弱点も克服出来た訳だ。
取り敢えず一通り動作確認を済ませた【詐欺王】の偽物を殺害すると《詐欺王全身遺骸》という鑑定結果が出る死体がドロップした。
これは良い。どうやら《
元死霊術師の観点から死体を検屍した俺はフィンに【詐欺王】の偽物の死体を遠隔で風化させた。
死後もフィンの端末になる事で証拠隠滅、その気になれば人間爆弾も可能か。今までと比べてバージョンアップした感じだな。
そうこうしている内にフィンが《
全く同一の偽物を作るスキル《
この肉の塊からは魂は感じられない。本体から切り離されて動く文字通りの疑似餌。
【魅了】などの精神系状態異常には反応するが、自我が存在しないこれは哲学的ゾンビと言うべき存在だ。
空の器という性質上、後天的に独自の自我が芽生える可能性は無きにしも非ずだが・・・こうして先に漂白した魂を入れておけば特に問題は無い。いずれ肉体に定着して馴染んでいくだろう。
俺は【詐欺王】の偽物を何体か作り、情報収集と定期的に連絡するよう命じて放流した。後は彼等が勝手に動いて上手くやってくれるはずだ。
ここで【詐欺王】のような情報収集に優れた手足が出来たのは非常に大きい。洗脳教育では限界があるし普通超級職を何人も用意することなど出来ない。
それに【詐欺王】の偽物を足掛かりに組織を乗っ取る事も出来る。【詐欺王】の記憶には蜃気楼のボスは古龍人という情報もあったからUBMとは別に狙ってみるのも良いかもしれない。
【ヘイワン】によると古龍人というのは古龍という世界の管理者の末裔らしい。組織に所属している超級職含め良い能力が得られるだろう。
後は一々【詐欺王】の偽物と呼ぶのもなんか変だから適当な呼び方考えておくか・・・
思わぬ収穫はあったが俺は〈自然都市〉に無事に潜入する事に成功した。
いやぁ、それにしてもこのアバターが《看破》に反応しない事が今の内に判って本当に良かった。
エンブリオの能力という事にする事は出来ただろうが、身分が証明できないとなると少々面倒な事になる。
俺は今回の出来事で今のアバターについて詳細な検証の必要性を感じていた。
今度【設計王】のところに顔出しに行こうか。
興味のある事にしか気にしない変態となら協力関係を結ぶ事も出来る。
有能な変態が今後役に立つというのもあるが・・・【設計王】の力は【詐欺王】以上にフィンと相性が良い筈だ。
・・・・・・・
宿にチェックインした俺はベットの上で座禅を組み・・・魔力と魂力を練り上げ、体内で循環させた。
そのまま超集中状態に入る。
脳が冷え切り、鼓動が強くなる。全身の細胞が活性化する感覚。
全身から竜王気が溢れそうになったら循環させる竜王気を増やしながら圧縮していく。
更にその状態から複数の術式を同時並行して発動。
生命活性化、身体強化、魂魄励起、魔力濃縮・・・
術式の一つ一つは非常に単純だが、術式の内容がシンプルな分効果は高い。
限界まで高まった竜王気の奔流が全身を破裂させようとする力を全力で抑え込み、周囲に異常を察知されないよう完全な気配遮断を維持。
暴発の危険性はあるが【救命のブローチ】を装備した上で生命力を活性化させているので即死する事はない。
制御から外れて溢れたり、鍛錬終了後の圧縮竜王気はエネルギー生命体である【ヘイワン】と【キャンドル】とフィンが安全に処理する事で周辺環境に対する配慮もバッチリだ。
因みにとても濃厚で深いコクがあり、ほんの僅かに薫る潮の風味とジビエのような野趣溢れる強い旨味、吸収した瞬間全身にに奔る清流のような爽快感が非常に好評となっている。
これにはパクッと摘み食いした【もかでぃあ】もニッコリ。
おあがりよ!
終末との戦いで本能100%の状態で使う事が出来ていた《■神装》の再現度を少しでも高める為の鍛錬。
今の俺は鍛えれば鍛える程強くなれる。
ただでさえ使用者をも傷付ける圧縮竜王気を体内で循環させるなどという自殺にも等しい荒行だが、これならば戦闘以外で全力を発揮した状態でダメージを受けつつ回復し、全てのステータスを効率良く上げる事が出来る。
理想は循環させる竜王気を《竜神装》のレベルまで上げる事だが、今のままでは体内で循環させるどころか全身に纏うことも出来ず、即座に地上の花火となってしまうだろう。
故に竜王気の負荷はステータスの上昇値に合わせて徐々に高めていく。
だが、LUCの上昇値だけは・・・他と比べれば本当に微々たるもの。
当然、LUCも鍛える。これはそういう
LUCも鍛えれば鍛えるほど(多分)強くなる。
これは鍛錬だから合法・・・!!圧倒的合法ッッッ・・・!!!
俺はグランバロアから頂戴した軍資金を手に、カラフルなスポットライトで照らし出されたカジノに向かって歩き始めた・・・
俺にはフィンという幸運の女神がついているし、【
二重の幸運の祝福を受けている俺は─────はっきり言って無敵だ。勝てる気しかしない。
────さぁ、今夜は派手に稼いだ金で盛大にパーティといこうか!!
・・・・・・・・・・・
そんな馬鹿な!!俺には幸運の加護が・・・祝福が・・・!!
初っ端からスロットでラッキーセブンを当てた時、俺は確信を得た。
だがしかしその幸運にも次第にケチがつき始めた。
スロットは外しまくり、配られたカードは悉くブタ。ルーレットで掛けたところの隣に玉が狙ったように入っていった。
挙げ句の果てに有り金全てを全額投入した賭けで負け、グランバロアで貰った多額の報奨金はすっかり尽きていた。
明らかにおかしい・・・これは一体どういう事だ?まさか、何者かの攻撃を・・・?
すっかり寒くなってしまった懐が虚しい。一時ははち切れんばかりに膨れ上がっていたというのに。
フィンが信じられないものを見る目で有り金全てを剥がされた俺を見て言った。
「わぁ・・・スキル、出来た・・・!」
LUCは最初の大当たり以降全く鍛えられた感覚が無かった。くそったれ!
これはとある夢のVRMMOの物語。
※プレイヤー非通知アナウンス
《
蓄積した経験値を基にスキルを作成します・・・・。
竜王気を操るスキル《
──── 《
《
───アップデート完了、情報を更新します。
《
《
《
ERROR!
開放率が不足している為、固有スキルの封印を継続します。
※プレイヤー非通知アナウンス
《
《
この申請には管理権限を有する過半数の同意を必要とします。
反対:4賛成:1棄権:1中立:1
──── 審議の結果、《
《
現在、《
「◾️ーッ!◾️◾️◾️◾️ー!!(ビッタンビッタン)」
「可愛くて短慮で純粋で最も強い僕達の末っ子。あの子を外に出すのはまだ早いかな」
「未熟・・・まだ、ダメ・・・」
「つか、アイツじゃあリソースがあっという間に尽きんだろ。
「・・・(お前らも少しは自制しろ。リソースが全く足りん)」
「許さない許さない許さない許さない」
「jdifjffijdhj混dkckchfo侵dlekrにjrjfdksooはjfjfjjsajdd象dnd」
「djddjfhfawqwieieorois・・・
「それはッ────今すぐ止めろ!!」
「何を・・・するつもり」
「おいおいおい!奴さん、そいつはマズイだろ!!」
「・・・(妨害は・・・間に合わんか)」
「許さない・・・あら?あらあら、これは一体どういう風の吹き回しなのかしら」
「
《
子供の教育方針はどれにする?
- 蠱毒にぶち込む
- 普通の子供のように育てる
- 子供の為だけの揺籠()で育てる
- 放任主義。子供は勝手に育つ
- 帝王に愛など要らぬ!!