これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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長らくお待たせしました!

設定が固まってきたので現状説明がてら設定の開示回となります。折角なので特殊タグを使ってみたり。_φ(・_・

情報量で圧殺していくスタイル。


微睡む世界の夢
微睡む世界の夢


───現状を整理しよう。

 

今後infinite dendrogram内で活動するにあたって幾らか必要不可欠なものがある。

 

と言ってもそんな大層なモノでもない。

 

まず、零落した俺の力を取り戻す。

 

ただし、この身は人間範疇外であるためジョブにはつけず、ステータス上の種族がコロコロ変化している様から見て取れるように不安定な状態にある。

 

終末との闘いで自らの魂魄に対して施した“自らの特性を切り換える”という改造が大幅にダウングレードしつつも魂の特性として定着しているため・・・と、夢幻を経由して魂魄に干渉できるようになった【ヘイワン】と【キャンドル】が言っていた。

 

・・・若干俺から目を逸らしながら。

 

((・・・もしかして“あの時”の自爆って結構不味かったのでは?))

 

【ヘイワン】と【キャンドル】は夢幻に特化した能力構成、それも古代伝説級と称される個体だ。

 

決戦兵器と同じく、夢幻を通じて魂魄に干渉できるようになったその潜在能力は非常に高い。

 

が、前提として魂魄に干渉した事などマスターの魂が決戦兵器に乗っ取られかけた時のみ。

 

二体とも魂魄に干渉するだけの土台はあったが、魂の専門家ではない。

 

夢幻が魂魄に干渉可能だと知ったのはつい最近・・・正直言って前提知識も道具も経験も・・・何もかもが足りない状態で非常に難解な手術を行うようなもの。

 

しかも手術の対象である存在は自身を改造する前からその魂魄は人外じみていた。

 

先々代文明の対化身用決戦兵器の魂魄をバグのまま取り込んだ上で再起可能状態まで自力で回復したという偉業ならざる異形。

 

寧ろ他人の魂を取り込み続けたという前例があったものの、システムが違法改造塗れの異形魂魄を人間範疇内生物として判定していたという事実は驚愕に値する。

 

ましてや取り込んだ決戦兵器の演算領域を用いた術式の補完、まだ辛うじて繋がっていた【死霊王】とカーソンが【双胴白鯨】第1形態戦闘時にキメていた【ハイエンド・カートリッジ】による極めて強力な興奮・覚醒作用etc・・・

 

飛躍的に押し上げる要因はあったとは言え、本能的に《■神装》に至り、進化したSUBMと単身エンブリオ無しで討伐するほどの変貌を遂げた、魂という名のナニカ。

 

これだけでUBM判定されるに相応しい経歴を持つ者は歴代【死霊王】の中でも俺一人だけだろう。

 

要するに混沌そのものと化した魂魄を古代伝説級の素人二体がどうこうできる問題ではなかったのだ。

 

 

魂魄を切り換え続けるという強大な負荷をかけ続けた事に加え、【ヘイワン】と【キャンドル】によって魂魄の均衡が崩れた結果、自爆。

 

 

案の定、ボロボロとなった魂魄は崩壊し───俺は一度死んだ。

 

 

そして“終末”のリソース操作を逆手に取り、“存在の死”からの再創造によって完全なる不死者、“王”へと成り果てた。

 

 

“王”であって俺だったモノ。俺の人格は“王”として完成されていた。

 

 

そこから“終末”が“王”にかけた呪いを利用して俺を引き戻したのはカーソンだ。

 

 

“終末”と俺が成り果てた“王”の融合で持ちうる力が最盛期となっていたカーソンが齎した奇跡。

 

 

“王”の力の殆どへと呪いの矛先に変更させ、カーソンが持っていた俺の情報と“王”からサルベージした情報を基に魂と人格を復元。

 

 

最後に“王”の一部と認識されないように僅かなリソースから俺の肉体を創造し───“王”から俺を分離させた。

 

 

 

あの瞬間、カーソンは死者蘇生を呪いで消滅するまで僅かな時間で成功させたのだ。

 

 

 

・・・カーソンの種族:天使って欺瞞情報じゃなかったんだなぁ、という感想を抱いたのは墓場まで持っていくつもりだ。

 

閑話休題。

 

まぁ、そんな訳で俺がどれほど弱体化しているかわかるだろう。

 

冒険の書が消えたというほど取り返しのつかない訳ではないが、それに近い喪失感がある。

 

不幸中の幸いと言うべきかこの肉体はジョブの恩恵を受けることは出来ない代わりにリソースを自らの器に貯めて成長出来るようになっているらしい。

 

俺の目的そのものである超級武具【滅導界核 モビーディック・コア】は単体でリソースを収集、蓄積する事ができるため“コストを必要としない”固有スキルと“比較的コストが軽い“固有スキルは使用できるがそれ以外の固有スキルはコストが重過ぎて使用不可。

 

またフィン自体が天文学的潜在力を持つ生命体であり自力でリソースを生成する事が可能だが、現在進行形で成長にリソースが使われている為スキルを使用するにはリソースが溜まり切るまでインターバルが必要となる。

 

その点、レジェンダリアは〈アクシデントサークル〉が多発するほど自然魔力が濃い為此処でリソースを貯めるべきかと思うだろうが、〈アクシデントサークル〉が発動しなくなるほど自然魔力を奪ってしまうと生態系が崩れてレジェンダリアから指名手配されるのは確実。(象徴にして国宝である【アムニール】の残滓を盗掘している時点で手遅れだが)

 

つまり、兎に角リソース、リソースが足りないのだ。

 

現時点では組織からの支援もあまり期待出来ない。

 

今まで直接戦闘能力に長けた凖〈超級〉である事と組織運営によって恩恵を受けていたが、エンブリオが封印されレベル0も同然なまでに弱体化しているお陰で折角の超級武具の能力の殆どが使用不可。

 

 

その最低にも近い状態で〈イレギュラー〉を討伐したという実績はあるが、レジェンダリアの環境が前提条件として存在しなければならない。

 

 

というかぶっちゃけると以前のスタイルである自己蘇生コンボがあったとしてもこの貧弱なステータスでは命が幾つあっても足りない。

 

 

暫くは組織の活動を休止し、ある程度の力を取り戻すまでリソースを収集することを短期目標としよう。

 

 

ところで────偶に変化する種族:魔王って何?

 

 

・・・・・・・

 

 

 

“フィン”と仮称される超級武具【滅導界核 モビーディック・コア】の機能は多岐にわたる。

 

そして、それらは機能としてあげると大まかに三つの分類に定義に分けることが出来る。

 

 

───フィンが保有する“先天的”固有スキル。

 

 

───フィンが創造した”後天的“固有スキル。

 

 

───フィンが外部から取得した保有スキル。

 

 

“フィン”はその出生と能力から“最も多くのスキルを保有する超級武具”である。

 

 

【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】第3形態“終末”の概念を三分割した一側面として具現化した超級武具であり、特典化の際にはルンバのみ特殊な裁定が挟み込まれている。

 

 

【双胴白鯨】に置換されたカーソンが使用した《メッセンジャー・アポートシス》。

 

 

勝利以外の戦闘終了に対して重過ぎる罰を定め、使用者の潜在能力を全てノーコストで解放するカーソンの禁じ手である。

 

 

特典武具の消滅、総合レベル消去、エンブリオをデンドロ時間で一年封印というリスキー過ぎるスキルではあるが、このスキルの本質は天秤のような公平性を有するという事。

 

 

 

───このスキルにおける公平性とは“敵対者に対しても”このスキルが有利に働くという事にある。

 

 

 

このスキルは敵対者が使用者に勝利した場合、使用者のリソースが“超強化された使用者に勝利したことに対する報酬”という形で全て敵対者に譲渡される。

 

 

簡潔にまとめると───討伐者に討伐報酬として莫大なリソースが支払われるのだ。

 

 

第6形態(《メッセンジャー・アポートシス》発現時は第4形態)のエンブリオが生み出すリソース1年分、特典武具、総合レベル全てのリソースが。

 

 

よって特典化の際、素の状態の【双胴白鯨】を三分割した上で【誇獣闘輪】と【竜禍喰匣】のリソース、【星浄巫蠱】のリソース1年分、“終末”としての成長分、最終スキルによって融合したまま消滅した“王の力の殆ど”が特典に加算されている。

 

 

その為【盗賊王】と【大提督】の超級武具よりも【滅導界核】に込められたリソース量は比較にならない。

 

 

正にハイリスク・ハイリターン。

 

 

今回はルンバが失った分、利子をつけて返ってきた形になる。

 

 

 

フィンの能力解説からフィンの誕生経緯へと壮大に脱線していたが、本題に入るとしよう。

 

 

 

───【滅導界核 モビーディック・コア】は、“非常に異常で非常識な”超級武具である。

 

 

 

 

幾つもの強力な固有スキル、固有スキルの創造、外部から取得したスキル。

 

 

 

この時点でとんでもないことになっているが、【双胴白鯨】が取り込んだものと“終末”の潜在能力を考えれば・・・まだ納得できる範疇だろう。

 

 

 

 

だが、【滅導界核】の本質はスキルであってスキルではない。

 

 

 

【滅導界核】は文字通り“核”であり、【受胎酷致】によって受肉した生命である。

 

 

【双胴白鯨】に対し、管理AIジャバウォックが施した改造は無形であるスキルを本体として活動するというもの。

 

管理AIジャバウォックは“水を肉体に置換する”という固有スキルを“スキルによって肉体を形成する”という点に絞って先鋭化させた。

 

 

 

本来スキルは肉体が保有する身体能力の延長線上に存在するものだが、【双胴白鯨】はスキルから肉体が形成されるという鶏と卵が逆転した矛盾関係にある。

 

 

 

つまり、【双胴白鯨】という怪物はスキルと肉体の因果関係の逆転によって異常進化した存在だ。

 

 

では、どのようにその特性は【滅導界核】強いては受肉した仮称超級武具“フィン”に継承されたか。

 

 

 

管理AIジャバウォックは彼の超級武具を───“神造迷宮”と称した。

 

 

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

それは漆黒の恒星である。それは反転した樹木である。それは真円の宇宙である。それは真理の体現者である。それは───




本当はタイトルに某運命の有名な“アレ”を使ってみたかったけど未見の人に対するネタバレになりかねないので泣く泣く断念しました・・・( ;∀;)


カルデアス

子供の教育方針はどれにする?

  • 蠱毒にぶち込む
  • 普通の子供のように育てる
  • 子供の為だけの揺籠()で育てる
  • 放任主義。子供は勝手に育つ
  • 帝王に愛など要らぬ!!

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