これまで超電導方式が主流だった量子コンピューター業界の勢力図が大きく変わろうとしている。中性原子(冷却)や光パルスを使う量子コンピューターの台頭で、新しい量子誤り(エラー)訂正技術の開発が加速する。量子コンピューターの早期実用化を見越し、次世代のアルゴリズム開発などに乗り出すプレーヤーも出てきた。
量子コンピューター業界では、従来の開発ロードマップを見直し、量子エラーを訂正しながら誤りのない量子...
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誤り訂正に画期的技術、量子計算は新時代へ 24年展望
量子コンピューティングの世界では現在、大きな変化が起きている。これまでは不完全な量子コンピューターに、現行の古典コンピューターを組み合わせる方式の開発競争が進んできた。しかし、エラー訂正技術の発展で今後はその状況がリセットされ、新しい段階に進もうとしている。 これまでの量子コンピューター開発の流れを振り返ると、2012年にカナダD-Wave Quantum(Dウエーブ・クアンタム、当時の社名はD
100万でスパコン超え 量子ビット増加のインパクト解説
量子計算を担う「量子ビット」の増加により、量子コンピューターの応用に向けた道筋が見えてきた。米IBMや欧米のスタートアップが開発を進め、足元では量子ビット数が1000を超えた。今後さらに量子ビットが増えていくと何ができるようになるのか、事例を紹介しながら解説する。 量子コンピューターと一般的なコンピューター(古典コンピューター)では、得意な計算が異なる。量子コンピューターは、量子化学計算や組み合
驚異的なIBMの433量子ビット 台頭する中性原子方式
「量子コンピューター最前線」は、量子コンピューター技術に詳しいblueqat代表取締役の湊雄一郎氏が注目のニュースを解説するコラムです。 世界各国で量子コンピューターの開発が激化するなか、米IBMは2022年11月に433量子ビットの新型量子コンピューターのチップ「IBM Osprey(オスプレイ)」を発表した。IBMは量子コンピューター開発において先頭を走る1社で、超電導と呼ばれる方式では独走状