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下着の着用はマナー子どもも納得の指導に
東京都足立区立・上沼田小学校
(前任校/西新井第一小での実践から)


  東京・足立区立上沼田小学校(大森隆雄・校長)の養護教諭・渡辺みどり先生が前年度まで勤務していた同区立西新井第一小学校は、児童数約600名の中規模校。「だるま供養」で有名な西新井大師の近くにある。渡辺先生は同校で10年間を勤務、歯科指導など数々の健康教育を行ってきた。児童への下着指導については、学校保健委員会で学校医からも意見が出されたこともあり、保護者からの要望もあって昨年9月に実施した。


■ひやかし対策としても
 下着の着用は機能性ばかりでなく、マナーとしても必要だと渡辺先生。運動会で成長の早い女子の下着をつけていない姿を見たときは、見苦しさを覚えたともいう。数人の女子に聞くと、同級生からひやかされるなどの理由で下着をつけない子がいた。また、中には逆につけていてもおしゃれを勘違いして見せびらかす子、高学年では、冬でもキャミソールという薄着姿の児童もいた。

 だから、下着指導実践セミナーが実施されることを知った時は、すすんで参加した。セミナーでの講義はこれまでに知らなかったことが多く、下着指導キットには実際に触れられる見本もあるので、学校で十分に活用できると思った。そんな折、保護者から要望があって、下着指導を行った。

 下着指導は、5・6年生の女子を対象に、下着はプライベートゾーン、また、つけないと見苦しいという説明を加え、学年ごとに行った。どちらの学年も最初は恥ずかしがっていたけれど、進めていくうちに納得してくれたという。

■性的被害がなくなるように
 前任校と現在勤務している上沼田小学校は、距離的には近いが、小規模校の上沼田小の子ども達は、素直な子が多い。フィリピン人の母親を持つ児童が成長にあった下着をきちんとつけていたのを見たとき、大人がしっかり意識を持つようにすれば、下着着用は当然となるのではないかと思った。ただ、身体測定で胸囲を計っていた頃のほうが、親も学校も子どものバストの成長が把握しやすく、的確に指導しやすいのではないだろうか。

 メジャーに関しては、肥満傾向にある児童に対しても有効的に使えると、渡辺先生は下着指導キットに入っているメジャーの別な使い方にも重宝している。

 無防備なファッションが流行る現在、少しでも性的被害を避けられるよう、今年度も9月に下着指導を行っていきたいと渡辺先生は意欲を持つ。

 

健診の待ち時間で指導
東京都練馬区立・光が丘第二中学校


  東京・練馬区にある光が丘第二中学校(坂井晃・校長)は昭和62年(1987)開校。日本でも有数の大型団地の中にある。約1・3キロ四方の中に同校も含めて9つの小学校、4つの中学校があり、周辺には、大小の公園や整備された並木道など緑も豊かで、環境にも恵まれ、進学熱も高い。

 同校の養護教諭・栢木智子先生は、看護師として病院に勤務していた実績を持つ。多くの病人を看てきた経験から病気にならないためには、子ども達のうちから健康への意識をつけてもらおうと、養護教諭に転身したのだという。その栢木先生は今年4月、同校の1年生女子を対象に下着指導キットを使用して実践を行った。

 「本校では、教育熱心な保護者が多いせいか、下着に関しても知識を持っている生徒は多い」というが、工夫した点は、クラス毎に内科健診を進める中、その待ち時間を利用したことだった。これまでは暇をもてあまし気味だった生徒達は興味を持って指導を受けた。

【2005年7月16日号】