ロールモデル紹介 新庄 博志さん
株式会社CS香里 代表取締役
新庄 博志さん
びわ湖大津館にあるレストランBel van Brugge(ベル ヴァン ブルージュ)を経営しながら 大津市のまちづくりの各種活動にも携わり、大津市男女共同参画審議会の会長も務められています。
過去には、滋賀県、大津市、ファザリング・ジャパンさんと一緒にイクメン全国大会を開催されたこともあります。
現在17歳になるお子さんがおられます。
1. 男性の育児参加を応援する事業所として気づいたこと
(男性として育児参加してきて職場の雰囲気を教えてください。 )
大学卒業後サラリーマンとして調理師をし、30歳になって自分で店を始めました。子どもが生まれた頃は、現場で調理をしながら社長業もやっていました。
飲食業は昼間のランチと夜のディナータイムの間に時間があくため、その時に抜けさせてもらって子どもを迎えに行ったり、近所に住んでいた両方の親に子どもを預けたりして育児を行っていました。
会社の中で制度を作っていたわけではありません。現在の従業員も同じですが、現場で調整しつつ、お互いに協力しあいながら対応しています。
17年前は、育休という制度もなかったので、長期に休むようなことはなく、1日の中でちょっと出たり、休みの日に顔を出したりといったできることをやっていました。
妻もバリバリのキャリアではありませんが働いていました。当時はマタニティ関係の仕事をしていましたので、ベビーカーで赤ちゃんを連れていくことができました。仕事にも恵まれたと思います。
女性やお年寄りの方が調理場におられたことが良かったです。子育ての経験がある方や介護をされている方がおられましたので、お互い様という雰囲気でみんなで協力しあっていましたので、非難されるようなこともありませんでした。
2. 子育てと向き合うことで、働き方にも変化
子どもの状態はずっと一緒ではなく、赤ちゃんの時、ヨチヨチ歩きの時、幼稚園の入園と順番に成長していく過程では、その時その時で接し方が変わります。大事なことは、その時を逃したら二度と同じ経験ができないということです。
私は子どもと接する中で、「今、その時の彼との日常を楽しみたい」と思いながら接していました。
このご時世ですから、会社にしても来年につぶれるということはないですが、5年後にはどうなるかわかりません。
その時の時代の変化に応じて、変わっていかなければならない。
育児をすることで、会社についても将来の推測と今をどうするかを並行して考えることができるようになったと感じています。
「家庭の日常を楽しむと同時に、仕事の日常を楽しむ」「彼の成長を楽しむと同時に、会社の成長を楽しむ」ということをパラレルに考えられるようになったと思います。
3. 苦労や楽しさも。すべてが大切な思い出に
(育児に関わって良かったこと、苦労したことは? )
苦労と思うから、苦労になると思います。私は自分から育児をしようと思い楽しんでいました。
育児をする中で、夫婦の会話が増え楽しかったというのはもちろんあるのですが、例えば「明日のあなたの予定は?何時に出るの?晩御飯はどうする?誰が作る?買って帰る?」など、家庭もひとつの会社のように夫婦で連絡調整しながら協力して育児をしていました。
ただ、周りからは「大変だな」と思われていたことも事実です。
当時は、父親が幼稚園のバスのお迎えに行くということは珍しく、連続で私がお迎えに行く日が続くと、妻の体調が悪いのかと心配されたり、ある時は晩御飯のおかずを作ったのでとお鍋を渡されたこともありました。
現在では育児参画する父親も増えていますが、当時は周りからみたら不思議な存在だったようです。だからといって自分たち夫婦のスタイルを変えようとは思いませんでしたし、苦労とも思いませんでした。
4. イクメンがもっと増えることに期待!
(あなたの周りにイクメンはいますか?また、イクメンが増えるには?イクメンのコツとは? )
最近、イクメンもそうですが、女性活躍も含めて、社会からの鋭いメッセージが大量に入ってくる時代になったと感じています。
直接的ではないが、活躍という言葉の中に「女性は子どもを産みなさい。でも働きなさい。家庭もちゃんとしなさい。男性も子育てをしないと一人前じゃない」というような風潮があるのは少々しんどいのではないかと。
イクメンをやりたいと思う人や楽しいという人には、その楽しさをお伝えしていきたいと思いますが、男性は育児より仕事だと思う人が社会的に評価されなくなる必要もなく、みんながみんなイクメンになることはないと思っています。
ただ、人生80年の中で、赤ちゃんと接することができるのはたった1年。2,3歳を含めてもたった80分の2か3です。そこを逃してしまうということは、男性が長い人生を生きる上で、非常にもったいない。もしも、目先の判断でチャンスを逃しているのであれば、本当にもったいないと思います。長い人生の中でしんどかったこととしても、不安と向き合って子育てに関われば、きっとよい経験になると思います。
周りは、すでにイクジイもいますが、そういう人は、仕事も大事、家庭も大事というスタンスでこられています。ワーク・ライフ・バランスが自分一人では実現できないことを良くわかっていて、家族といい関係を作られていますね。
5. 今後、子育てでチャレンジしたいこと
(今後どんなイクメンになりたいですか?)
私はもうイクメンの時期は終わってしまっているので、次はいつイクジイになるかですね。まだ、先ですがね。
今後イクメンになりたい方へのメッセージではないですが、自分のもらった80年という人生をどう生きていくか、どう楽しんでいくか、ちゃんと意識を持って過ごして欲しいと思います。
ダラダラなんとなく生きているよりも、その瞬間瞬間を楽しみつつ、人生の一つに成長の早い子どもと向き合う時間も作られてはいかがでしょうか。
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更新日:2018年08月27日