32年前、福岡県飯塚市で女の子2人が殺害された「飯塚事件」をめぐり、5日福岡地裁は元死刑囚の遺族が裁判のやり直しを求めていた2度目の再審請求を棄却した。
弁護団は、「全く不当なもの」だとして即時抗告するとの声明を出した。「理不尽な決定がなされた背景に、既に死刑が執行されており再審開始することが死刑制度の根幹を揺るがしかねないとの思惑があるものと推測せざるを得ない」としている。
登校中の女児2人が殺害された飯塚事件
1992年、福岡県飯塚市で登校中の小学1年の女の子2人が行方不明になり、翌日約20キロ離れた山中で遺体で見つかった。殺人などの罪で有罪が確定した久間三千年元死刑囚は、2008年に死刑が執行された。無実を訴える元死刑囚の遺族と弁護団は、裁判のやり直しを求めて2度目の再審請求を行っていたが、福岡地裁は5日、請求を退ける決定を出した。
ふたつの新証拠決定は「信用できない」
福岡地裁の決定を受け5日午前11時すぎ会見した弁護団は、新証拠として提出した2人の新証言をいずれも「信用できない」とした福岡地裁の決定に対し、「全く不当なものであって強く抗議する」との声明を出した。