Lesson 8 全訳
1
➊食べ物や食は,私たちにどんどん食べさせるように狙った(さまざまな)方法で売り込まれる。➋広告主やマーケティング責任者は,食べ物に関しても食べ物の包装(デザイン)に関しても,あなた(=消費者)が何を好むか[消費者の好み]を知っているし,商品を買ってくれるように消費者にそれを伝えるのが極めてうまい。➌彼らは必要に迫られたときにしか,否定的な情報を提供しない。➍それは必ずしも悪意をもったたくらみというわけではなくて,自由経済において食べ物を売るという業務の一環にすぎない。
2
➊マーケティング責任者がうまく仕事をすると,利便性だけを売るのではない。➋彼らは広告や包装(デザイン)や販売促進活動を通じて,あなた(=消費者)がその商品を食べたり飲んだりすると,(今よりも)より幸せに,より健康的になり,より細く,より賢く,より人気者になり,より成功すると確信させる〔→信じ込ませる〕のだ。➌そして,たとえそれらの特質(のうち)のいくつかを備えていなくても,備えているかのように見せることができる。
3
➊そういうふうにして,広告やマーケティング戦略は,あなたが食べ物と健全な関係をもとうとするのを妨げることがある。➋もし自分が何をどのくらい食べているのかについて不安があるなら,特定の食べ物を買って食べるように駆り立てるマーケティング戦略のいくつかを理解するようにしたほうがいい。
4
➊たとえば,特売[セール],特に「1つ買えば,もう1つは無料」という類の特売は,食べ物,あるいは(もっと正確に言えば)特定の種類の食べ物を,普段買うはずの量以上に(多く)買うように促す〔→買いたい気にさせる〕かもしれない。➋新鮮な果物や野菜や肉に対しては「1つの値段で2つ買える」という特売を,普通は見かけないということに注目してみなさい。それらの食べ物が食べごろを過ぎていなければの話だが。➌こういう販売促進戦略の大半は,パッケージに入った加工食品のためのものであり,それらの多くは健康によいとみなされてはいない。
5
➊マーケティング責任者は(消費者の)財布や忙しいスケジュールに訴えるだけではなく,パッケージ上の[パッケージに印字された]健康上の利点をほのめかしたものや特定の色,言外のうたい文句を利用して,購買時の決断を左右する暗黙のメッセージを送る。➋そのメッセージは本当(のこと)かもしれないし,そうではないかもしれないが,特定の食品に対する食欲を刺激することが狙いなのだ。
6
➊ある食品を,それが伝える社会的メッセージにつられて購入することもあるだろう。➋「有機栽培の」とか「グルテンを含まない」とか「砂糖無添加」とか書いたラベルを貼った商品をもっていると,そのメッセージが正しいかどうかに関係なく,あなたは健康について真面目に考えていて,健康によい食事をしているというメッセージを世の中[世間]に伝えることになる。➌ブランドの個性も,食べ物の選択において同じような役割を果たすことがある。つまり,おしゃれな包装に入っていたり,有名人の推薦付きで売られている〔→有名人が勧める〕食べ物や飲み物を買うと,使っている商品と同様に,あなた自身もかっこよく,魅力的で,好ましく,楽しい人だというメッセージを送ることになるのだ。