渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

モーターサイクルが安定する時

2024年06月11日 | open




オートバイが一番安定する時、
それは何か。どういう時か。
二輪が一番安定しているのは
エンジンを切ってスタンドを
かけて立っている時だ。
では走行中では?

これの答えは直線時だと思い
がちだが違う。
直線時はジャイロモーメント
作用が働こうとも、左右どち
らにも倒れる、倒せる、とい
う状態にある。
一番二輪が走行中に安定する
のはバンクさせて旋回Gと二
輪構造の原理による内向性を
得ている区間、すなわちコー
ナリング中が二輪は挙動が一
番安定している。
例えば右旋回の場合、右旋回
方向にしか車体は進まない。
倒れるとしたら右側に倒れる
しかない。左に曲がって左側

に倒れるという事はハイサイ
ドという特殊例以外には存在
しない。
つまり、二輪の旋回時は、直
立直進の時の左右方向へ向か
う特定性が二分割され、曲が
る旋回方向にしか下へ向く挙
動が発生しないのだ。
これはトラクションと外力と

二輪の車体構造上の内向性の
相互関係からそうなっている。
物理的現象なので否定のしよ
うがない。二輪とはそういう
乗り物なのだ。
そして、旋回時は、両手放し
をしようとも車体は旋回して
行く。その場でパタリとイン
側に倒れたりすることはない。
コーナリングフォースをかけ
た適正旋回の場合は二輪は全
てそのような動きをする。
(マシンの設計やセッティング
により前輪が切れ込んだり、
後軸からのプッシュ現象の発生
により前輪トラクションが消滅
する等々の
特殊事例は除外)

オートバイの走行について、
車体を直立させて直進させて
いる時が二輪は一番安定する
とか思っているとしたら、そ
れはまだまだ二
輪の素人だ。
物理的な現出現象
を理解して
いない。

なお、二輪の走行時、一番不
安定な領域は超低速走行をし
ている時だ。
極端な例が、走行を止めてス
タンディングしてバランスを
取っている時が一番不安定だ
が、これは操縦ではあるが走
行ではないので除外する。
二輪の走行において、一番不
安定な状態とい
うのは超低速
走行の時だ。


コーナリングにおいてタイヤに
面圧をかけてサスを沈めてサス
に仕事をさせて旋回するのは、
何もサーキットレベルの170km
での寝かし込み旋回とかに限ら
ず、公道で
の規制速度域でも
十分に適正
旋回は実現できる。
原付スクーターでの30km/hだ
ろうと、原付2種スクーターで
の50km/h旋回だろうと、自動
二輪の法定速度60km/h旋回だ
ろうとである。
国内の公道でのすべての道路の
規制速度範囲内で適正旋回の
挙動を引き出す事は可能だ。
これは速度域に二輪の挙動が
規定されないという物理現象
の現実的存在を指し示している。
それを理解できるかどうかは
人間次第。
「二輪の乗り方」を知っていな
いと当然理解には及ばない。
 

 
 


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