『いだてん』感想あらすじ視聴率 第19回「箱根駅伝」
雪の中を駆け抜けて
駅伝は、沢田が地元民の案内を受けて午後8時、ゴールしたんだそうです。
箱根の山で迷う慶応もいる中、なんとかゴールです。
ガッタガタじゃないか。
ガッタガタじゃないか。
翌朝、復路は積雪6センチ、マイナス4度で中止も検討されましたが、雪かきをしてくれている。
「中止になんかできんばい!」
滑って危険だろうと走る。
足袋を脱ぎ、溝を掘り滑り止めにするんだそうです。
足袋を脱ぎ、溝を掘り滑り止めにするんだそうです。
かくして続行。
しかし、車のエンジンも動かないため、伴走するそうです。
しかし、車のエンジンも動かないため、伴走するそうです。
「さすがいだてん!」
嘉納は喜び、応援に行こうとします。8区では傘のトンネルを作ってくれたそうです。
ここで、衝撃の事実。
五りんの父は、箱根駅伝走者で、かつ戦死しているそうです。
五りんの父は、箱根駅伝走者で、かつ戦死しているそうです。
こんな中、最終10区は最終ランナーの今松により語られます。
と思っていたら、五りんに交替です。
と思っていたら、五りんに交替です。
東京高等師範アンカーの茂木は金栗になれないという中、ともかく走るのでした。
明治か?
高師か?
最終コーナー、明治の西岡が転び、茂木がゴール。
優勝を果たします。
高師か?
最終コーナー、明治の西岡が転び、茂木がゴール。
優勝を果たします。
ここで這いずりながらゴールする明治アンカーが映し出されるわけです。
この場面に、嘉納のクーベルタンへの手紙が語られるのでした。
この場面に、嘉納のクーベルタンへの手紙が語られるのでした。
「マラソンのないオリンピックなんて……!」
そう語り終えて、五りんが感極まっています。
サゲを考えていないそうでして。
サゲを考えていないそうでして。
マラソンのないオリンピックなんて、黒豆のないおせちみたいなものだというサゲがつけられるのでした。
MVP:永井
すみません。
もろもろのテンションについていけない中、救いは彼だった気がします……。
もろもろのテンションについていけない中、救いは彼だった気がします……。
総評
はい。
楽しい気持ちで本作を見ている方。ここまでです。
楽しい気持ちで本作を見ている方。ここまでです。
大丈夫ですかね、本作は。
あまり他のレビューやニュース、感想漁りはしませんが、気になってちょっと試してみました。
どうにも第2部以降、テンションが下がっていますね。
どうにも第2部以降、テンションが下がっていますね。
「TNG! TNG!」の頃の盛り上がり、まだありますか?
ファンと思われる方も、天狗で止まっている感があります。
ファンと思われる方も、天狗で止まっている感があります。
これが後半になっても天狗と踊っているようでは、残念ながら厳しい評価になるのではないでしょうか。
『真田丸』で真田昌幸が退場した時。
ここまでテンション落ちましたっけ? 衝撃的ではありましたが。
本作の場合、ああいう劇的な退場ではなく、静かな退場なのでわかりにくいのかもしれません。
本作の場合、ああいう劇的な退場ではなく、静かな退場なのでわかりにくいのかもしれません。
大河ドラマは、毎年夏になると勢いが落ちるものです。
本作は初夏の時点で息切れをしているのかもしれません。
本作は初夏の時点で息切れをしているのかもしれません。
東京オリンピックの露払い大河が、天狗コールの盛り上がるだけで終わるとしたら、これほどの悲劇もないでしょう。
ただ、その場合責任を取るべきはクドカン氏でも、主演以下出演者でもありません。
総大将です。
企画を通した人ですからね。
企画を通した人ですからね。
そもそも、大河ドラマと政治情勢を切り離せるんですかね?
そして今年の『いだてん』です。
事前に失敗がわかりきったことでありながら、露骨な東京オリンピック礼賛題材です。
事前に失敗がわかりきったことでありながら、露骨な東京オリンピック礼賛題材です。
一度や二度は偶然かもしれません。
しかし、ここまで重なってもそうと言い切れるのでしょうか?
しかし、ここまで重なってもそうと言い切れるのでしょうか?
『花燃ゆ』、『西郷どん』、そして『いだてん』。
スリーアウトではありませんか?
スリーアウトではありませんか?
NHK大阪の朝ドラ、京阪神の企業宣伝ドラマにまで堕落し、大河はこの惨敗です。
NHKの本丸そのものが危ういのでは?
NHKの本丸そのものが危ういのでは?
以下、個人的な激情です。
「何も終わっちゃいない! 何も終わっちゃいないんだ! 俺にとって奴らとの戦争は続いたままなんだァ!」
(『ポプピピテック』のアレ)案件ね。
(『ポプピピテック』のアレ)案件ね。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」
この名言の趣旨はわかりますが、間違った使い方をする。
運動部のことだ!
スポーツができるからって、何かと思い上がってないか――。
運動部のことだ!
スポーツができるからって、何かと思い上がってないか――。
タックル強制事件。
パワハラ。セクハラ。性的暴行。
体罰。覚せい剤。遠征先での買春。盗難。その他諸々。
パワハラ。セクハラ。性的暴行。
体罰。覚せい剤。遠征先での買春。盗難。その他諸々。
そんな事件報道を見るたび、別に健全じゃありませんね〜と言いたくなります。
そういう心理を、どうして見つめなおさなくちゃいけなんだろう。
美濃部、美川、小梅には、自分が迷惑でダメな奴という自覚がある。
しかし、金栗や嘉納にはない。
スポーツが道楽と割り切る、三島や天狗倶楽部はこの点マシだったんですが。
スポーツが道楽と割り切る、三島や天狗倶楽部はこの点マシだったんですが。
スポーツを愛する自分のイノセントに酔いしれ、迷惑上等状態に見えてしまい、不愉快が止まりません。
金栗も、嘉納も、人としてどうなんでしょう。
オリンピックでマラソンがあるかどうかもわからないのに、それを餌にして駅伝ランナーを叱咤激励ってふざけてんのかよ……と突っ込みたい。
金栗はまだ同情の余地はあるとはいえ。
無責任きわまりないとしか言いようがありませんし、永井が正論に思えます。
結局、嘉納以下、自分たちのことばかりを考えている。
駄々っ子のように思えるのです。
駄々っ子のように思えるのです。
第一次世界大戦で、ベルギーほか欧州諸国がどれだけ傷だらけになったのか――すら考えていないように思えます。
箱根駅伝で、アンカーが這いずり回ってゴールするところを、感動する演出にしているところも不愉快極まりない場面でした。
個人的な感情ではありますが、ああいうの大嫌いなんですよね。
甲子園で力投して肩を壊す投手だの。
熱中症で倒れるランナーだの。
熱中症で倒れるランナーだの。
どうしたって、これを思い出すわけです。
そもそも金栗以下、無責任で無計画に思えます。
雪の中でも走ると決めた金栗ですが、選手の今後を気遣って中止することはできなかったのでしょうか?
続行するにせよ、あまりに拙速に思えてしまう。
続行するにせよ、あまりに拙速に思えてしまう。
「観客がいるし雪かきしているからやるんだ!」
って、あれのどこが美談なのか。
って、あれのどこが美談なのか。
もう、全体的なつくりが雑で無計画、根性論。
それを賛美するお寒いノリでもう見ているだけで腹が立って来ます。
それを賛美するお寒いノリでもう見ているだけで腹が立って来ます。
ラザロの死――その重みや対策を考えているようには思えない。
人が死ぬと気にしているのは永井だけ。
あとは突っ走れ〜根性だ〜!
って、おいおい……人命のかかった指導者にあるまじき無神経さではありませんか。
あとは突っ走れ〜根性だ〜!
って、おいおい……人命のかかった指導者にあるまじき無神経さではありませんか。
こんなの、
「危ない? 感動するからやるべきだろう!」
と、子供に組体操をごり押しするゲス大人と大差ないでしょ……。
「危ない? 感動するからやるべきだろう!」
と、子供に組体操をごり押しするゲス大人と大差ないでしょ……。
自分たちの気持ちだけでごり押しする――あまりに愚かな体育会け根性論のノリで、吐き気がするほど不愉快でした。
こんなもんを受信料で作って、国民的ドラマだと放送することそのものが邪悪です。
こんなもんを受信料で作って、国民的ドラマだと放送することそのものが邪悪です。
ストックホルムの第1部まではそこへの批判精神があったものの、それが消えてしまいました。
視聴率惨敗を受けて、クドカン氏の繊細な脚本に野暮なゴリ押しが入っている気配が漂っています。
演技と演出も単調。
金栗と嘉納は怒鳴ってばかり。
スヤはいつもニコニコ。
金栗と嘉納は怒鳴ってばかり。
スヤはいつもニコニコ。
こんなドラマでしたっけ?
救いの落語パートも力押しが目立ち、緊密さが失われたかのように思えます。
いくらなんでも一人三役はないでしょ……。
いくらなんでも一人三役はないでしょ……。
当初は本作の打ち切りは回避したいと考えていました。
今は違います。
もういいです。
もう、半年で終わっても別に構いません。
もういいです。
もう、半年で終わっても別に構いません。
それほどまでに、つまらない。
つまらないだけならばいい。
不愉快です。
つまらないだけならばいい。
不愉快です。
本作だけじゃない。
大河ドラマ枠はもう、気息奄々ですね。
大河ドラマ枠はもう、気息奄々ですね。
さて、先日フィナーレを迎えたこのドラマですが。
HBOもそれを知っているようだ。同社には「ゲーム・オブ・スローンズ」なしでやっていくための考えがあるようである(それぞれの趣向に合わせた新番組を大量生産して3週間に1度リリースしよう!)。しかし幹部たちも心のなかでは、シリーズが終われば否応なくテレビの一時代が幕を下ろすことを承知しているのだ。
「番組が初放送されたころと比べて、テレビを取り巻く環境は変化しています。放送局にとってもケーブルテレビ局にとっても、あそこまでの大ヒットを生むのは恐らく困難になっています」。HBOで番組構成を担当するケイシー・ブロイズは、そのように「Vulture」の取材に語っている。ただ、これでも控えめな表現といえるだろう。
これが世界の認識です。
日本は世界中でも、数少ないこの熱狂から取り残され気味の国とされております。
日本は世界中でも、数少ないこの熱狂から取り残され気味の国とされております。
そして日本では斬新なこのドラマすら、もう世界的に見ると一時代の終わりということです。
『ゲーム・オブ・スローンズ』ですら一時代の終焉です。
『ゲーム・オブ・スローンズ』ですら一時代の終焉です。
もう、大河は化石になっているとしか言いようがありません。
※他にも多数の朝ドラ・大河作品も視聴できます(時期によって対象番組が異なりますのでご注意を)。
【参考】
いだてん(→link)
いだてん(→link)
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