複雑な計算式も、簡単な式に変形する方法を知っていれば、素早く正確に計算できます。
基本的な四則演算の計算法則に加えて、計算の簡略についても学びましょう。
今回は、「分配法則」を使った問題に挑戦します。
問題
次の計算をしなさい。
24×(7/12-1/8)
通常、カッコがついた計算式はカッコ内の計算を最初に行います。
ただ、今回の問題ではカッコ内が分数同士の計算なので少し厄介です。
そんな時は、計算式を簡単な式に変形できないか考えてみましょう。
解説
今回の問題の答えは「11」です。
途中式は次のようになります。
この計算を簡単にするために、ここでは「分配法則」を利用しました。
分配法則とは
分配法則とは、「2つの数の和(差)にある数をかけても、2つの数にそれぞれある数をかけてからその和(差)をもとめても、結果は変わらない」法則です。
具体的には、以下のような形式で表されます。
a×(b+c)= a×b+a×c
a×(b-c)= a×b-a×c
今回の問題に当てはめると、次のようになります。
24×(7/12-1/8)=(24×7/12)-(24×1/8)
それぞれ計算すると、
24×7/12=14
24×1/8=3
これらの計算は、分母がうまく約分されるので、簡単な掛け算だけで計算が可能です。
そして、最後に引き算をします。
14-3=11
したがって、答えは「11」ということになります。
このように分配法則を利用することで、多くの方が苦手とする分数の計算(通分)を省略して、計算を進めることができます。
まとめ
分配法則は、中学数学の「式の展開」でもよく使われる重要な法則です。
計算を効率的に進めるためには、分配法則の活用方法を理解することが大切です。
繰り返し練習することで、どのような場面で計算を工夫できるのかが分かるようになります。
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
四則演算の問題にもう一問挑戦!