ルートを含んだ計算は、日常生活ではあまり使う機会がありません。
しかし、数学の学習においては避けて通れない重要な単元の一つです。
今回は、ルートを含んだ計算問題に挑戦し、計算法則を再確認してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
√72–√x=√8
すべてルートがついた数です。
まずは、√72と√8を簡単にできないかを考えましょう。
解説
今回の問題の答えは「x=32」です。
また、途中の計算式は次のようになります。
√72–√x=√8
6√2–√x=2√2なので、
–√x=2√2–6√2
–√x=–4√2
√x=4√2
√x=√32
よって、x=32
ルートの中を小さい数にする
ルートを含んだ計算では、「ルートの中を小さい数にする」と計算がしやすくなります。
素因数分解をして、二乗になる部分をルートの外に出しましょう。
√72を簡単にする
72
=2×2×2×3×3
=(2×2)×2×(3×3)
よって、
√72
=2×3×√2
=6√2
√8を簡単にする
8
=2×2×2
=(2×2)×2
よって、
√8
=2×2×√2
=2√2
方程式として計算
ルートの中を小さい数にすることによって、元の式は
6√2–√x=2√2
となりました。
これは、方程式なので「x=」という式になるように変形をしましょう。
xにはまだルートが付いているので、まずは「√x=」という式にします。
6√2–√x=2√2
–√x=2√2–6√2
–√x=–4√2
√x=4√2
(移項したときの符号に注意)
「2√2–6√2=–4」というのは間違いです。ルート部分は引き算できません。
これで、式は「√x=4√2」となりました。
xはルートの中にあるので、一度ルートの外に出した整数も、すべてルートの中に入れます。
4√2
=√(4×4×2)
=√32
したがって、「√x=√32」となり、両辺を二乗してxの値を求めます。
√x=√32
(√x)^2 = (√32)^2
x=32
よって、「x=32」が答えです。
まとめ
一見すると難しい方程式も、一つひとつの計算は単純なものです。
ルートの計算は、日常生活では扱わないかもしれませんが、数学では大切な単元なので、忘れていた方はぜひ学び直しをしましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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