• 現代ファンタジー
  • 異世界ファンタジー

ラフと、創作の雑談

 感想返信にて、「幽世妖怪は多胎か否か?」といった質問をいただいたのでお答えします。

 これについては質問していただいた斑猫様と同じで、世代交代を経て妖怪としての力を蓄えた個体の場合、人間と変わらないくらいの妊娠妖数となります。
 万里恵ちゃんも大瀧さんも世代的には三〜四世代、短いスパンで高い妖力を濃縮した世代なので、おそらく人間と変わらない数の妊娠妖数ではないかと思います。

 設定的には大瀧さんたちの息子・雷疾君には兄か姉がいる、と考えていますので、双子かもしれません。

 妖怪を生物として捉えた時、そこには遺伝子的・本能的な習性に目を向けるのですが、同時に妖怪として人里に接して生きる以上文化的遺伝子——いわゆるミームにも触れるので、思想や行動が人間よりになることもあるんじゃないか、と考えています。
 それこそ、一夫多妻の生物由来の妖怪が物凄く一妻のみを愛するようになったり、逆に悪い文化に触れて淫蕩のかぎりを尽くすようになったり……とか。
 あるいはだからこそ、古い血統を守りたいと思う妖怪は人里離れた土地で暮らしていたりするのかもな……と思います。情報にたくさん触れることが決していいこととは限らないと、最近強く思うので(だからって弾圧したり、強権的に独裁的な教育を是とする気は一切ないが)。

 稲尾家はど田舎の山間の村にあるわけですが、ネットを禁止しているわけでもなければ街に出ていくことを悪く言っているわけではない、という感じです。
 当主代理をしている柊様も、江戸時代中頃から現世に関わるのをやめていますし、子孫がどうしようが勝手、と思っているんだろうな、と。

 キャラの物理的なプロフィールだけでなく、こういった思想的・文化的な部分を掘り下げる際、私は「まずは話を書く。そこで掘り下げてまとめる」という手法をとっています。
 どうしても設定だぞー! と意気込むと手が止まってしまいます。


 ラフは燈真君。仕上げる意思はありますが、このラフをそのまま使用するかは未定です。

4件のコメント

  •  ご回答ありがとうございます!
     椿姫さんの子が一子だったところから、恐らくはそうだろうな……と思っていたのですが。

     九尾シリーズ本編では恐らくそこまで話は進みませんが、源吾郎君の子供が8人(三つ子+五つ子)と多いのは、米田さんが一代で変化した妖狐であり、多胎である為に起因します。源吾郎君は多分、その頃には「息子たちも娘たちもたくさんいるから、子供はもうええやろ」と思っているかもしれません。
     逆に彼の先祖である玉藻御前(=金毛九尾)は、大妖怪だったので一度に生まれた仔は一人だけとかだったみたいです。源吾郎君の祖母にも、特に同父母の兄弟はいませんし。

    >>ミームにも触れるので、思想や行動が人間よりになることもある
     これはめちゃくちゃ興味深いですね。特に蕾花様の妖怪は、生物的な側面もありますが神としての側面も大きいようなので、尚更その法則が適用されそうな気もします。
     実は拙作では妖怪たちと人間のミームの関りは深く考えていませんでした。一夫多妻の妖怪は一夫多妻のままやし……という感じですね。源吾郎兄貴も、一夫多妻が合法的に可能と知って、妖怪社会に飛び込んでますし。

    蛇足:雪羽君の母親は下男(=雪羽君の父親)を婿に迎えた際に、周囲から「一族の者を正式な伴侶として受け入れ、今の夫は愛人にしておけ」という地獄のような提案をされた過去があります。
     もちろんこれを突っぱねた訳ですが、雪羽君は「その提案を受け入れていれば、母は長生きしたのではないか」と第四部で述懐しております。
  •  椿姫ちゃんあたりも「もう一人、女の子が欲しいなあ」とか思っていそうですが、はてさて。

     源吾郎君と米田さん子宝に恵まれましたねえ……子育てでわちゃわちゃして大変そうですが、島崎夫妻ってご家族といい交友関係といい力になってくれそうな人・妖が多そうですよね。

     妖怪自体、その発祥や在り方について民俗学的にはいろんな説があるんですが、私は「妖怪の源流は神から下った者」と捉えています。なので、柊様も何かの弾みで神の魂が狐の胎児に宿り、生まれ落ちたのでは……とか。
     作中世界で最も神に近い妖怪は柊様ですが、種族的には龍族がこれに起因している設定です。稚魚から龍魚、蛟龍を経て龍に成るという設定ですが、古い龍なんかは神代の生き残りだったりします。

     貴族としてふさわしく、一族の在り方に従え、というところですかね。
     実際のところ、それで本当に長生きしたかどうかは私には分かりませんが、もしかしたらを夢想してしまうのはよく分かります。
  •  確かに源吾郎君も、子育てとかちゃっかり自分の親族に協力を要請しそうですね。実際問題、キツネって血縁関係のあるメスが子育てを手伝う事がありますし、何なら初産の場合は、娘狐は仔を産んで、母親狐がその仔(血縁的には孫)を育てるという事もあるそうですし。
     特に米田さんは、源吾郎君の叔父叔母の事を慕ってらっしゃるので、夫側の親族とも良好な関係性ですし……いちかさんも女狐ですし、可愛い妹分の子供たちの面倒を見てくれそうな気がします。

     それとは別に、源吾郎君の長兄たる宗一郎さんも「孫たちを可愛がるお祖父ちゃん」みたいなテンションで源吾郎君の子供たちや甥姪たちに接してそうです。そしてそんな兄に対して「兄さんは子供たちに甘いんだから……」と源吾郎君が苦笑いしてそうです。
     源吾郎君は何となく子供たちにちょっと過保護ですし、何ならそれは「弟」であるホップ君への態度にも出てます。

     神の魂がキツネの胎児に宿ったんだったら、確かに神に近くなりますよね……
     私の場合は何故か妖怪は生物ありきで、そこから年数を重ねて神格を得たり、妖怪仙人になったりするというイメージだったりします。
  •  キツネ村でも、数々の子供を育てたみんなの母的なキツネがいました。そう思うと柊様の子々孫々を育てる様子は決しておかしくないんですよね……。
     源吾郎君はそれこそ甘え上手って描写されてますし、自覚もしてますからねえ……一人っ子にはないスキルだぜ……!
     燈真君は正史世界でも稲尾家で過ごしているので、最強のお母さんである伊予さんを頼れる意味では最高の環境ですね。その分、父親像に困っていそうですが靖夫さんを参考にするかもしれません。

     子供に甘い、というと燈真君もそのタイプですね……。彼は自分にあったことへの反動として甘くなってそうです。大瀧さんは、ちょっとぶっきらぼうな感じになりそうです。可愛がるけど、なんかこう、ちょっと無骨というか。
     ホップ君に対する優しさだったり、まさに今読んでいるパートの「嫌われてショック」という感じは、まさに我が子に嫌われたお父さんって感じしますもん……。

     落ちた神の魂を宿した動植物・器物が妖怪化、それが原初の妖怪みたいなイメージです。そこから枝分かれしていって、今の妖怪があるって感じですかね。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する