加藤被告「掲示板での嫌がらせが契機」
秋葉原殺傷
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われた加藤智大被告(27)の第16回公判が27日、東京地裁(村山浩昭裁判長)であり、被告本人への被告人質問が始まった。質問の冒頭、加藤被告は「事件を起こすべきではなかったし、後悔している」と述べた。にぎわう休日の繁華街で白昼、17人が死傷した事件。動機をはじめ、真相解明につながる言葉が語られるかどうか、被害者や遺族は注視している。
加藤被告は「被害者や遺族の方に申し訳なく思う。責任はすべて自分にある」と謝罪。「同じような事件が起こらないよう、真相を話したい」と述べた。
まず、事件を起こしたきっかけについて「ネットの掲示板で他人が自分になりすますなどの嫌がらせを受けたこと」と説明。事件の内容を書き込んだうえで同じ事件を起こせば「自分が嫌がらせを本当にやめてほしいと思っていたことが伝わると思った」と話した。
弁護人が「別の掲示板を使えばよかったのでは」と問うと「自分が自分でいられる本音の場所。ほかに代わるものはなかった」と述べた。
事件の原因については「言いたいことを相手に言葉で伝えるのではなく、別の行動をとることでアピールしようとする自分の考え方が最も影響した。自分がこんな事件を起こそうと思いつかなければ、事件は起きなかった」と説明。そうした考え方は「幼少期の母親からの育てられ方が影響したのではないか」と述べた。
起訴状によると、加藤被告は2008年6月8日、日曜日で歩行者天国になっていた秋葉原の交差点に、トラックで時速40キロ余りのスピードで突入。5人をはねて3人を殺害、2人にけがを負わせたうえ、車を降りるとダガーナイフで通行人計12人に切り付け、4人を殺害し、8人にけがを負わせたとされる。
今年1月の初公判で加藤被告は「事件を起こしたことは間違いない。亡くなられた方、けがをされた方、遺族には申し訳ございません」と謝罪。「なぜ事件が起きてしまったかを明らかにすることがせめてもの償い」と語ったが、弁護側は犯行時に責任能力がなかった可能性があるとして争う方針を示している。
これまでの公判では検察側、弁護側双方の証人尋問などが行われた。