見えた刃物、頭よぎった「殉職」 男を取り押さえた警官
力丸祥子
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東京・秋葉原の歩行者天国で2008年6月、7人が亡くなり、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件から8日で11年。加藤智大死刑囚(36)を現行犯逮捕した警察官が朝日新聞の取材に応じた。
「これ以上犠牲者を増やすわけにはいかない」。警視庁向島署地域課の警部補、荻野尚さん(52)は加藤智大死刑囚(36)と対峙(たいじ)した当時をこう振り返る。
2008年6月8日。日曜日の歩行者天国は買い物客らでごった返していた。「雨が降り出せば、少しは人出が減るかな」。2週間前に配属されたばかりの万世橋署秋葉原交番の前で、曇天を見上げていた。
午後0時半すぎ、近くの交差点にトラックが突っ込んだ。交通事故だと思って駆け寄ったが、運転席に人影はない。見渡すと、四方八方に逃げ惑う人たちを追いかけ回す男の姿があった。加藤死刑囚だった。
体当たりされた人たちがその…