カーソンが怖い。
まさかの拷問でしたよ・・・俺が鋼を超えたメンタルじゃなかったら人格歪んでたね。
痛覚オフにしてるとはいえ、無表情で削り鰹体験はもうしたくねぇなあ・・・
ビクビクしながらログイン。マスター殺しの禁忌を犯したエンブリオの様子を伺う・・・
何事もなかったかの様にニコリと微笑まれた。怖い。お前は俺を以前サイコパスと言ったがお前が真のサイコパスだよ。
まぁ俺はちゃんと次に活かせる男。拷問を恐れず、ナンパを躊躇うことはないダイヤモンドの魂を持ち合わせてもいる。
「カーソン。済まなかったな・・・」
脳内で巨人に掴まれた碇総司令の姿を垂れ流す。やっぱ謝るの遅いよね。手遅れじゃん。積もり積もった結果一人息子に凄惨に殺されている。同じく身内に凄惨に殺された俺も人の事は言えねぇが。
何でも無いかのように振る舞うカーソンが聞き返した。
「なにが?」
酔わせた女性を連れ込むことを知ったらカーソンはきっと止めようとしただろう。
「【強制睡眠】で騙し打ちした事だよ。気にしてたんだろ?」
相棒のカーソンに対してプライバシーを守りたいが為に様々な隠し事をしてきた。今思うとその時から間違えていた気がする。いや。プライバシーを守ろうとするのは当たり前の反応の様な・・・
「主様はいつかやると思っていたからのう。」
犯罪者の同級生の様なコメントだ。的確だったが故にグゥの音も出ねえぜ。
「俺たちは一心同体だった。だったら分離じゃなくて相互理解を試みるべきだったんだ。それをプライバシーを理由に怠っていたのかもしれない・・・」
きっと、カーソンは寂しかったのかもしれない。なにも話さず自分を遠ざけるマスターの姿を見て。
「随分と寂しい思いをさせたのかもしれない。そう考えると早いうちから発覚したのは僥倖だった。取り返しのつかない所まで気付かずに行ってしまうかもだったんだ。」
これからは
「俺たちは2人で一緒だ。秘密ごとはもうしない。するべきじゃなかったんだ。」
カーソンがショボンとして言う。
「主様・・・ワシも些かどころかやり過ぎた。すまなんだ。」
あぁ。だからーーー
「今度は3Pにしよう。決して夜におまえを1人にはさせねぇ。些か好みから幼いが俺はイケる。」
カーソンが凍り付いた。
「主様?」
さっきの遠ざけられた事もそうだが、他の女を抱くのに嫉妬していたんだろう。近くに居るのに、と。心はレディだったんだ。プライドも傷がつくだろうよ。
「」
こんなテンプレな気遣いに気がつかなかったとは。まだまだ未熟か。だが、それだけの成長の余地があると言う事でもある。
「行こう。俺たちはいつどこでも一緒だからな。」
俺は時が止まったカーソンをお姫様抱っこして龍都の色街に消えていった・・・
・・・・・
事が終わってから混乱から正気に戻ったカーソンにフルボッコにされた件。
可愛い表情をしたカーソンの永久保存版のスクショが撮れたのでイーブンといったところか。随分と可愛らしく感じるんダナ?俺も男冥利に尽きるぜ。
だが、今度は殺されなかったのでカーソンの判定的にセーフだったに違いない・・・
殺されなかったらセーフ。ルンバ、覚えた!
・・・・・
カルディナの砂漠を越えるための対塵耐熱耐寒の砂漠用装備2組と予備、食料と水の購入、砂漠での野宿用携帯テント、それらを入れる為の容量と耐久性に優れたアイテムボックスの更新。
武器と防具も対物理性能に優れた物にしておく。カルディナは商人の国だから物価が高くなっているって掲示板で言ってたからな。今のうちに必要な物は買い揃えておこう。
砂漠のモンスターってのがどんなものか知らないが、状態異常対策と砂漠対策は十分。あとはそのステータスに対抗し得るものであれば砂漠越えは可能だろう。
カルディナ。
中央大陸中部、商業都市国家の連合体。
七大国家のうち、島国である天地を除く五つの国全てと国境を接する、国家交易の一大要衝。
大陸中央の大部分を占める巨大国家だが、その領土は強力なモンスターの生息地でもある砂漠地帯が殆どであり、広大な国土面積に比べて実際に人が住んでいる地域は所々に点在するオアシスの周辺のみと非常に偏っている。
特殊超級職の【宝皇】はもちろん、所属する戦闘系超級職すら一人もいない、掲示板で戦力の無さから呼ばれる“最弱の国家”であり、交易に特化した国だ。各国の特産品が全て集まる国でもある。
ここにログインした商売人系マスターはゲームの中で商売上のライバルを蹴落とし、時にライバルと結託して上に対して下剋上を目論んだが、上が炙り出す為に仕掛けた罠だったり。
謀殺、暗殺、冤罪、撃退、偽装、交渉、隠蔽、表は平穏に裏では過激に。
プライヤーのプレイスタイルによるが色々と別のゲームをやっている掲示板の住人も居るらしい。
他にも商人の用心棒やったり、行商人の護衛や交易の妨げになるモンスターを討伐したりと言った楽しみ方もある。
金と権力がものを言う国、或いは権威すら金で買う事すら可能・・・
砂漠は太陽の日差しも遮る遮蔽物が無く、熱砂が足をとる。モンスターはそれらを意識の内に入れる事なく砂中から、砂上から、或いは上空から元気に襲い掛かってくる。
俺達はもう既に融合して巨大鼠の形態になっていた。
砂漠を二足で歩く醍醐味とか砂漠の砂が舞う光景とか楽しんでいる場合では無かったし、危険極まりない砂漠で呑気に観光している意義を見出す余裕が無かったとも言える。
《星の救世》と《同病哀葬》の耐性獲得と状態異常共有化で動きを封じる。血霧の散布はダメだ。すぐに蒸発してしまう。砂漠の暑さは状態異常では無いから耐性が獲得出来ない。
【瘴鼠衛衣】で串刺し或いは握り潰し、巨体から繰り出される薙ぎ払いや押し潰しといった質量攻撃はモンスターを光の粒子に変換していった。砂漠のモンスターにスライムやゴーストみたいな《物理無効》を持つモンスターが居ないのは幸いだった。
砂漠の闘争を振動で察知したモンスター達が更に集まってくる・・・
《気配察知》と《殺気感知》で追加の接近を知った俺がキレた。
「掛かってこいやーー!!この命知らずどもガ!ミィンナシネバイインジャーー!!」
俺はモンスターどもを一匹残らず殲滅してやるとドス黒い殺意を抱いて殺し合いの渦に飛び込んでいった・・・
クレーターが所々空いた砂の上で俺達は満場一致でこの砂漠はさっさと出て行こうと結論を出した。
砂上を巨大な鼠の異形が駆けて行く。飛び出すモンスターを自動車事故並みの体重の差で轢き殺し、上空の刺客をカウンターで刺し貫く。ドロップアイテムすら一瞥しない、決して止まる事が無い疾走だ。止まってたら更に襲われる。
フィールドに一定のインターバルで現れるボスモンスターゴーレムの土手っ腹を、全身を覆う【瘴鼠衛衣】を変形させてドリルと化した俺たちが《採掘》を発動させて貫通した・・・
血で血を洗う世紀末の砂漠に、ドリルと暴力が全てを解決する時代が来る。
これはとあるVRMMOの物語。
突き刺す浪漫武器でもあるドリルは《採掘》と《槍術》の対象内だ。そう気付いた我々に激震が走る・・・
浪漫の螺旋が齎した風がデンドロの武器掲示板に吹き荒れた・・・
ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート
- 一人(抗菌と同じく特典化)
- 双子
- 五つ子(五等分の花嫁√(嘘))