2021.10.12

生体認証とは?仕組み・メリット・デメリット・種類と特徴を一挙紹介

  • 生体認証とは何か
  • 生体認証の仕組みを知りたい
  • 生体認証のメリットとデメリットを確認したい

IT技術の発展により、人々の生活はますます豊かになっています。しかし、これらには情報漏えいや不正アクセスなど、セキュリティ上の問題も発生しています。


そこで、セキュリティの強化のために多要素認証が導入される事例が増えています。


多要素認証における認証の3要素には、「知識情報」、「所持情報」、「生体情報」の3つがあります。


本記事では、このうち生体情報を用いた「生体認証」について種類と特徴・メリット・デメリット、仕組みについて紹介します。

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生体認証とは

生体認証とは、「指紋や静脈、声など、身体の一部やそれに準ずる要素を使って本人を特定する仕組み」と定義できます。「バイオメトリクス認証」とも呼びます。

あらかじめ個人を特定できる身体的・行動的特徴を登録し、それにより認証を行うものです。

認証において、精度と処理速度はトレードオフです。どこまでの精度と処理速度が必要か見極めた上で、生体認証の種類などを選定する必要があります。

ただし、コンピューターやセンサーの進歩により、精度も処理速度も飛躍的に向上しているのが現状です。

生体認証の種類と特徴一覧

生体認証には、識別要素として用いる身体の部分によって様々な種類があります。また、それによって特徴も異なります。

生体認証の種類・識別要素・特徴を以下に一覧表でまとめます。

種類識別要素特徴
指紋指紋の特徴・読み取り装置小型で導入コスト安価
・指の状態が認識精度に影響
掌紋手のひら全体における紋理(筋模様)の特徴・読み取り装置大型
・手のひらの状態が認識精度に影響
静脈手や指の内側にある静脈の特徴・精度が高く偽装困難
・認識装置大型
・体調変化や環境が認識精度に影響
顔の輪郭、目や鼻の形状や配置の特徴・手軽に行える
・マスクや眼鏡、照明、顔の経年変化などが認識精度に影響
音声(声紋)声の特徴・手軽に行える
・体調変化や周辺の音が認識精度に影響
虹彩目の虹彩の特徴・経年変化が少ない
・精度が非常に高い
・照明が認識精度に影響
眼球血管目の白目部分における血管の特徴・手軽に行えて装置が安価
・スマートフォンなどのカメラとアプリの組み合わせでも実現可能
耳形(耳介)耳の形状の特徴・手軽に行える
・髪型、証明などが認識精度に影響
耳音響耳の穴(外耳道)の形状によって異なる反響音の特徴・意識せず継続的に認証可
・周辺の音が認識精度に影響
・一度に不特定多数を認証したい場合は不向き
DNA遺伝子配列の特徴・精度は理論上100%
・時間と手間がかかる

生体認証のメリット

ここでは、生体認証のメリットを以下の順に紹介します。

  • 紛失しない
  • 盗用されにくい
  • 複数組み合わせることでセキュリティ強化
  • 管理負担軽減
  • 認証がスピーディー

紛失しない

生体認証のメリットの1つ目は、紛失しないことです。

身体的特徴を用いるため、紛失しようがありません。一方、ICカードやワンタイムパスワードには、紛失するリスクがあります。

もし認証に必要な所持品をなくすと、重大なセキュリティ事故となります。この点で、紛失しないことは大きなメリットと言えます。

盗用されにくい

生体認証のメリットの2つ目は、盗用されにくいことです。

身体的特徴を用いる生体認証においては、ICカードなどの所持品やパスワードなどの知識と比べると、盗用のリスクを抑えられます。

ただし、指紋や声紋など、生体認証に用いる情報を物理的に採取することは不可能ではありません。そのため、盗用される可能性がゼロとは言い切れません。

複数組み合わせることでセキュリティ強化

生体認証のメリットの3つ目は、複数組み合わせることでセキュリティ強化できることです。

認証には、「知識情報」、「所持情報」、「生体情報」の3要素があります。

知識情報ユーザーだけが知っている情報(パスワード、PINコードなど)
所持情報ユーザーだけが持っている情報(身分証明書、ワンタイムパスワードなど)
生体情報ユーザー自身が持っている情報(指紋、声紋など)

これらを組み合わせる多要素認証を用いることで、セキュリティを強化できます。

例えば、これまでパスワードだけで認証を行っていたとします。この場合、万が一パスワードが流出すると第三者による不正ログインのリスクが大幅に上がります。

しかし、多要素認証を導入すれば、万が一IDやパスワードが流出してもワンタイムパスワードや指紋などをログイン時に要求されます。

そのため、多要素認証を導入することで、第三者によって不正にログインされるリスクを大幅に減らせます。この多要素認証に、生体認証が使えるのです。

管理負担軽減

生体認証のメリットの4つ目は、管理負担軽減できることです。

生体認証は自分の身体的特徴により認証を行うため、記憶する必要も紛失する心配もありません。

しかし、パスワードで認証を行う場合、パスワードを記録しておかなければなりません。もしパスワードを忘れたら、更新する手間もかかります。

ICカードで認証する場合も、認証に用いるICカードを持ち運ばないといけません。しかも、紛失するリスクもあります。

そのため、生体認証は管理の負担が少ないと言えます。

認証がスピーディー

生体認証のメリットの5つ目は、認証がスピーディーであることです。

機械読み取りで生体認証を行えば、認証は一瞬で完了するからです。指紋認証であれば指をパネルに当てるだけ、顔認証であればカメラに顔を映すだけです。

それに対し、パスワードによる認証ではパスワードの入力が手間になります。

また、人の目で顔を判断する場合、写真と見比べる必要があります。人の目で判断する以上、正確に判断するには時間をかけなければなりません。

日々忙しい業務の中で、認証がスピーディーであることは、認証を行う側にとって大きなメリットになります。

生体認証のデメリット

先ほど、生体認証のメリットを紹介しました。反対に、生体認証にはデメリットも存在します。

ここでは、生体認証のデメリットを以下の順に紹介します。

  • 生体情報を盗まれるとリスク大
  • 別人を認証の可能性
  • 生体認証に用いる部位が変形すると使えない
  • プライバシーの問題

生体情報を盗まれるとリスク大

生体認証のデメリットの1つ目は、生体情報を盗まれるとリスク大であることです。

なぜなら、一度生体情報を盗まれると、取り替えできないからです。例えば、指紋認証の場合であれば他の指を使うこともできますが、完全に取り替えできない生体情報もあります。

実際に、指紋や声紋など、生体認証に用いる情報を物理的に採取することは不可能ではありません。

生体情報が盗まれないよう、生体認証システムで登録データが暗号化されているか、もしくはデータが盗まれないようセキュリティ対策が行われているか、十分に確認しましょう。

別人を認証の可能性

生体認証のデメリットの2つ目は、別人を認証の可能性があることです。

その理由は二つあります。

1つ目は、生体認証は技術的にまだまだ完成されていないことです。進化はしているものの、まだ別人を本人と認証することも、反対に本人を別人と認証することもあり得ます。

例えば、一卵性双生児の場合、声紋にほぼ違いがありません。そのため、声紋認証で間違いが発生することは十分考えられることです。

2つ目は、生体情報は変化し得ることです。例えば、指紋は年齢を経るとすり減って変化することがあります。これにより、指紋認証で間違いが発生することも考えられます。

生体認証において別人を認証する可能性を減らすには、複数の認証を組み合わせるなどの対策が必要です。

生体認証に用いる部位が変形すると使えない

生体認証のデメリットの3つ目は、生体認証に用いる部位が変形すると使えないことです。

病気やけがにより、生体認証に用いる部位が物理的に変形することはあり得ることです。その場合、生体認証は失敗してしまいます。

その場合、生体認証に用いる部位の再登録が必要で、手間がかかります。

また、例えばパスワードであれば、何度でも変更できます。しかし、生体認証に用いる部位によっては、変更できる回数が限られます。

例えば、指紋による認証は最大でも指の本数分までしか変更できません。

プライバシーの問題

生体認証のデメリットの4つ目は、プライバシーの問題です。

生体認証に用いるのは身体的特徴です。これは非常にデリケートな情報です。

最近はスマートフォンやPCにおいて、指紋認証や顔認証が普及してきています。それでも、認証情報として登録することに抵抗を感じる人はまだまだ少なくありません。

ただでさえ認証に用いる情報の取り扱いは厳重に行う必要がありますが、生体認証に用いる情報については、一層厳重に取り扱う必要があります。

生体認証の仕組み

最後に、生体認証の仕組みを紹介します。生体認証は、以下の手順で行います。

  1. 装置によって身体的特徴を読み取る
  2. 装置で読み取った情報を、テンプレートと呼ばれるデータに変換
  3. 事前に登録されたテンプレートと、認証時に作成されたテンプレートをマッチングし、一致すれば本人と認証

認証に用いる身体の部位により、読み取る情報は異なります。また、それにより身体的特徴を読み取る装置も異なってきます。

まとめ

本記事では、このうち生体情報を用いた「生体認証」について種類と特徴・メリット・デメリット、仕組みについて紹介しました。

生体認証には様々な種類があります。また、メリットもデメリットも存在していますが、技術の発展によりますます使いやすくなっているのが現状です。

今後、オンライン化やデジタル化が更に普及すれば、便利な認証方法としてますます普及するでしょう。

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