吉田神道の五臓神について
吉田神道には一般的な神道では聞かない五臓神という神様がおられる
吉田神道の「身固め大事」という秘伝は、五臓、つまり人間の身体の内臓にも五行が関連していて、そして内臓一つ一つにはそれぞれ神が宿っていて、その神の光が五行の色となり、耳や口や鼻などから各色の光が出て、それが青龍・朱雀・白虎・玄武の四神となり、その人の四方を守護するというものである
同じく吉田神道の奥義とも言える「六根清浄太祓」の中にも「五臓の神君」という言葉が出てくる
では、この「五臓の神君」とは一体何であるかと言うと、唯一宗源神道(吉田神道)の秘伝である「三元五大傳神録」には、
天八降魂命(あめのやくだりむすびのみこと)、
天三降魂命(あめのみくだりむすびのみこと)、
天合魂命(あめのあひむすびのみこと)、
天八百日魂命(あめのやほひむすびのみこと)、
天八十萬魂命(あめのやそよろづむすびのみこと)
と記載されていて、そして、それらの神々は化して五臓心神となり、それぞれ脾臓・腎臓・心臓・肝臓・肺臓を司ると教えている
これらの五臓心神は、木火土金水を司る五行神の分魂(わけみたま)である
五行神とは、同じく「三元五大傳神録」には、
木神 句句廼馳神(くくのちのかみ)、
火神 軻遇突智神(かぐつちのかみ)、
土神 埴安神(はにやすのかみ)、
金神 金山彦神(かなやまひこのかみ)
水神 罔象女神(みづはのめのかみ)
と記載されていて、そしてこれらの神々が化して五行霊神となり、それぞれ・木・火・土・金・水を司り、さらにそれらの神々が化して五龍霊神となり、それが青龍・朱雀・黄龍・白虎・玄武になると教えている
この五臓心神は唯一宗源神道(吉田神道)に伝わって来た、秘せられてきた御神名である
そして、この五臓心神の全ての神魂を統合した生命の根源に関係する第六番目の神があるのだが、これは極秘伝であるので今回は秘させて頂く
さて、これらの五行神の分魂である五臓心神の神々の御神徳(徳、とは働きの意味である)があってこそ、人間の生命を保つことができるのである。
この五臓心神に関連する秘伝は少なくないが、今回は吉田神道の秘伝の一つである「五形祓」を紹介したいと思う。
『五形祓(ごぎょうはらひ)』
『謹請(きんしょう)、三元三行三元加持(さんげんさんぎょうさんげんかじ)、人にかかります大神と申し奉るは、天八降魂命(あめのやくだりむすびのみこと)、
天三降魂命(あめのみくだりむすびのみこと)、天合魂命(あめのあひむすびのみこと)、天八百日魂命(あめのやほひむすびのみこと)、天八十萬魂命(あめのやそよろづむすびのみこと)、この五柱(いつはしら)の神を慎みて男の姿と化し奉れば、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)なり、この五柱の神の慎みて女の姿と化し奉れば、伊奘冉尊(いざなみのみこと)なり、日と申すは天の幸魂(さきみたま)なり、月と申すは地の幸魂(さきみたま)なり、陽龍は天の幸魂(さきみたま)なり、陰龍は地の奇魂(くしみたま)なり、精心は日月の精気なり、昼を照らす神は大日孁尊(おほひるめのみこと=天照大御神の御事)、夜を照らす神は龍王(たつのきみ)なり、諸(もろもろ)の衆生(ひとくさ=人々)の心(みこころ)を照らす神は國常立尊(くにのとこたちのみこと)なり、衆生の姿(みかたち)を照らす神は龍王、常にこれを受け継ぎ持つ故に命は無量に幸(さきわ)い勢いは極まり無く、願いとして成就(なら)ずと云うことなし、思いとして通ぜずと云うことなし、無上霊宝、神道加持』
この「五形祓」の内容を読むと、五蔵心神は、八百万の神の太祖であるイザナギ・イザナミともなり、天照大御神にもなり、國之常立尊にもなり、陽龍にもなり、陰龍にもなり、人を守護し、生命力を与え、願望を成就させる力を与える無上の霊宝であると教えている
そして、この五臓心神は、鎮魂の神ともなる
道教などで「存思」という方があるが、この存思と言うものは元々は五臓神と深く関わっていて、本来、存思という術は、内臓をイメージする技法なのである
それ故に、五臓神を存思することは我が身を固める、つまり自分の身体自体の内側からと外側からの両側から自分を守る術なのである
さて、では五臓神をどのように存思するかと言えば、まずは解剖学的知識が必要になる。解剖図を熟読して正確に内蔵や骨などの位置を覚え、それを体内にイメージ出来ねばならない
そうして、その五臓の位置を体内で実感出来るようにまでなれば、五臓神を体内から呼び出すことも出来るようになる前準備が出来た事になる
そうして、一つずつ五臓の内臓を体内でイメージして、その内臓に対応する御神名を唱える。そうして五臓神を呼び起こしたら、それを腹部を両手の掌で時計回りに渦巻きに内巻に六回巡らせて、最後は臍にて回り止める
これを朝夕繰り返す事で、体内の五臓神の力が高まり、それに伴い内臓の力も高まり健康になる。そして内臓の力が高まる事で、魂の力も増大して行くのである
平田派や神仙道では、五嶽真形図を非常に重視するが、これも五臓と非常に関わりがあり、五行の力を五嶽真形図から吸収して、五臓に収め、その力で玄胎結成を目指すのだ
その際、五行の力を一つにまとめ丹田に収める事を、守一(しゅいつ)というが、具体的には五行の力を五臓に収めて、それを一つにまとめて「一」あるいは「真一」という体内神を結成して、体内の三つの丹田で育てて行くのである
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