神奈川県内で今年6月以降、ガスのような臭いに関する通報が相次いでいる問題で、千葉県でも昨年5月以降、異臭騒ぎがあったことが注目されている。いずれも原因は特定されていないが、共通点を指摘する向きもある。
千葉県大気保全課によると、昨年5月8日に千葉市、八千代市、印西市で「焦げ臭い」「ガス臭い」などと約130件の異臭に関する通報が寄せられた。同課の担当者は、「海上保安庁にも確認しているが、原因は分かっていない」と語る。
今年7月5日にも同県船橋市で「ガス臭い」と17件の通報があった。県内では例年、5~10回程度の異臭騒ぎがあるというが、昨年5月の異臭については「100件超の苦情があった。最近では多かった」(前出の担当者)という。
八千代市に近い九十九里町では2004年、町立博物館で滞留した天然ガスが引火し爆発、人的被害も出た。
周辺地域の特徴について、立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏は、「千葉県を含む東京湾東側の約3分の2のエリアは、地下に天然ガスが埋蔵されているといい、地殻変動などで地表面に出てくる。ガスは無色無臭とされるが、不純物が混じって臭いがすることも考えられる」と説明する。
神奈川県の横須賀市や三浦市、JR横浜駅周辺で異臭に関する通報が相次いだのは1年後の今年6~10月だ。