華奢で小柄、白いマスクと鼻あたりまで伸びた長い前髪で、男の表情はほとんど見ることができません。

男は、小さい声ながらもはっきりとした口調で質問に答えました。

【弁護人質問】

Qあなたは性別について悩んだことはありますか?
―はい

Q具体的にどんな風に悩んだのでしょうか?
―昔から低身長で肌も白く、太りにくい体でした。
周りは身長が大きくなったり、男らしい体つきになっていくなかで、自分は身長160センチぐらいで、自分の体には変化が全然ありませんでした。

その後、ラジオを聞く中で、4~5年前から性別に関する話題、「ジェンダー」「ユニセックス」「LGBTQ」などという言葉を聞いて、「自分は無理して男である必要ないんだ」と考える時期がありました。

髪を染めたり、マニキュアを塗ったり、化粧道具を買ったりもしました。

性別に関しては、女になりたいわけではないです。
ただ、自分が男性として生きるのは生きづらいし、それは今でも思います。