無名のイラストレーターが「女子小学生が好きなVTuber」になるまで──甘狼このみの軌跡
2024.06.01
YouTubeでパイロット版が公開されると、世界で3億回再生されて話題になったサイコロジカルホラーコメディアニメ『アメイジング・デジタル・サーカス』。
監督は、大人向けホラーカートゥーン作品『Hazbin Hotel』(ハズビン・ホテル)で音楽を手がけるGooseworx。制作は、オーストラリア在住の任天堂愛好家のケビン・ルーク兄弟が設立した独立資本の3DCGアニメーション会社・Glitch Productions(グリッチ・プロダクションズ)だ。
ケビン・ルーク兄弟の来日インタビューを前編に引き続きお届けする。
目次
- クソッタレな作品群に、YouTubeで対抗する
- 新鮮で面白いものは、インディーシーンから生まれる
- いつか、世界的に愛されるキャラクターの登場する作品を
──Glitch Productionsの企業形態について質問させてください。Amazon PrimeやNetflixといった大手ストリーミングサービスと手を組まずにYouTubeの限定配信で、完全オリジナル作品をつくられていますよね。こうしたインディーズ制作のメリットとデメリットをお聞かせください。
Glitch YouTubeで公開する最大の利点は、その発見性にあります。非常に幅広い観客にリーチできることです。ストリーミングサービスではほとんどの場合、ペイウォール(※料金を支払ったユーザーだけがコンテンツにアクセスできる仕組み)という概念が存在します。YouTubeは誰でもコンテンツにアクセスできるため、新しいユーザーを獲得するのに非常に適しています。
また、ストリーミングサービスは地域ごとにコンテンツが見れないことも多く、その点でもYouTubeのアドバンテージがあります。しかし、欠点もある。それは「コンテンツファーム」(※低品質のコンテンツを大量に生産し、アルゴリズムに優先的に表示されるようにすること)という概念です。
YouTubeにはいわゆる──クソッタレ(笑)な作品も多く、飽和状態にあります。私たちはデジタルサーカスをNetflixなどで見られる作品に匹敵するものにし、低品質なコンテンツを超えるものにしたいと考えています。
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