円売り是正、難敵はオルカン 「日本に投資」へ眠る宝磨け
円の警告・国富を考える(2)
東京・霞が関に通貨防衛の前線基地がある。神田真人財務官率いる財務省為替市場課だ。過去最大9.7兆円の円買い介入で海外投機筋の動きを制したが、円安は止まらない。為替介入に動じず、淡々と円を売り続ける難敵が国内にいる。通称「オルカン」と呼ばれる巨大世界株ファンドと日本国民だ。
巨大ファンドは三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コスト投資信託「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー...
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(更新)- 西原里江JPモルガン証券 チーフ株式ストラテジスト分析・考察
「日本株上昇ストーリーは昨年で終わった」。5月にロンドンで投資家訪問した際に開口一番切り出された。「日本株はドル建ではワーストパフォーマーだ」との言葉が続いた。確かに、年初来のTOPIXは円建では16%上昇したが、ドル建では4%しか上昇していない。この間、米S&Pは11%、欧州STOXXは7%上昇した。新NISAを経由した外国株買いが新たな円安圧力となり、日本株の魅力を減殺している。税優遇がなくとも海外資産のリターンは取れる一方で、円安は全ての消費者の実質所得の負担ともなる。その影響分析に基づき、NISAの税優遇を国内資産に限定したり、海外資産に上限を設けることを検討すべきではないか。
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(更新) - 小平龍四郎日本経済新聞社 編集委員/上級論説委員分析・考察
日本のNISAのお手本となった英国のISAについては、今春、英国株投資に限った国内枠を新たに創設する案が示されました。既存の枠に上積みされるかたちで、全体としての非課税枠は拡大されます。お手本好きの日本の市場関係者も注目しており、今後、制度改正の議論が出るかもしれません。 制度は制度として整えるとして、投資対象の魅力を高める努力が何よりも重要であることは言うまでもありません。10%未満のROEの企業がごろごろしている状況で、個人の海外投資優先はきわめて合理的です。 どうせ英国の例を参考にするなら、そろそろ英国にはある金利NISAも議論してはどうでしょうか。「金利ある世界」には必要だと思います。
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(更新)
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