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続きはどこのカラータイツで読めるんですか?- 読み込み中...
続きはWEBで!(嘘タイツ)
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「何で俺、こんなことしてんだ…」
先輩にタクシー代をおごってもらったあの日から、俺の目はタイツの影を追っていた。
見知らぬ他人の脚、人様のうちのベランダの洗濯物、コインランドリーの洗濯機。
しまいには風でひらひらと飛んでいた白く輝く薄い布のようなものを追って、こうやって夜中の商店街で自販機の前の地面に顔をこすりつけている。
「この下に……っ、くっ……!」
手を狭い自販機の下につっこみ、拾った割り箸で真っ暗な隙間を漁る。
「くっそ……あ、ひっかかったか……っ!?」
先輩にタクシー代をおごってもらったあの日から、俺の目はタイツの影を追っていた。
見知らぬ他人の脚、人様のうちのベランダの洗濯物、コインランドリーの洗濯機。
しまいには風でひらひらと飛んでいた白く輝く薄い布のようなものを追って、こうやって夜中の商店街で自販機の前の地面に顔をこすりつけている。
「この下に……っ、くっ……!」
手を狭い自販機の下につっこみ、拾った割り箸で真っ暗な隙間を漁る。
「くっそ……あ、ひっかかったか……っ!?」
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ずると出てきた白いそれは、どうみてもタイツではなかった。それどころかビニール製のそれは、市の指定のゴミ袋である事を示す印字がされている。
「はは……は」
先の茶色い割り箸を投げ捨て、皮がすりむけて血の滲んた黒い手のひらを見つめる。
「ばかだよな。いつもこうだ」
いつも下らない事をやってばかり。田舎から出てきて大学生になったのに、都会にも大学にもうまく馴染めなくて、気づけば逃避のための麻雀漬けだった。
借金を返せばなんとかやり直せる、そんな甘い考え の世界一惨めな男の顔が、目の前の自販機のプラスチックのふたに映っている。
その時後ろで、じゃりと地面を踏む音がした。
「おい、お前もタイツ探してんのか」
「はは……は」
先の茶色い割り箸を投げ捨て、皮がすりむけて血の滲んた黒い手のひらを見つめる。
「ばかだよな。いつもこうだ」
いつも下らない事をやってばかり。田舎から出てきて大学生になったのに、都会にも大学にもうまく馴染めなくて、気づけば逃避のための麻雀漬けだった。
借金を返せばなんとかやり直せる、そんな甘い考え の世界一惨めな男の顔が、目の前の自販機のプラスチックのふたに映っている。
その時後ろで、じゃりと地面を踏む音がした。
「おい、お前もタイツ探してんのか」
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「……っ!?」
突然の声にギョッとして、俺は文字通り跳び上がった。俺の背後に立っていたのは、見目のいい若い男だった。
染めた髪を片側だけ刈り込んだガラの悪そうな髪型だが、ただの黒いTシャツすらファッションのようにサマになっている。
ただ顔かたちはいいが、どこか異様だった。
やたらと大きい瞳は商店街の薄暗い光を吸収して、真っ黒の穴のようだ。
「なぁおい、タイツ探してんだろ?」
ピアスの穴だらけの顔がぐいと近づけられ、恐怖に思わずのけぞる。
「……!!」
一瞬であがった息を、俺は手のひらで無理に抑えつけた。
「たっ、ぁっ、タイツぅっ?なんのことでしょう」
他人の喉のように声が上ずる。
恥ずかしくて情けないが、仕方がない。こちとらコミュ障の陰キャなのだ。
「小銭おとっ、おとしたんですけど、無いみたいなんで…」
腰を上げて立ち去ろうとするが、床から動けない。
よく見ると、ピアス男のスニーカーが俺の服の裾を踏んでいる。
俺は自分の顔から、さぁと血の気が引くのを感じた。
突然の声にギョッとして、俺は文字通り跳び上がった。俺の背後に立っていたのは、見目のいい若い男だった。
染めた髪を片側だけ刈り込んだガラの悪そうな髪型だが、ただの黒いTシャツすらファッションのようにサマになっている。
ただ顔かたちはいいが、どこか異様だった。
やたらと大きい瞳は商店街の薄暗い光を吸収して、真っ黒の穴のようだ。
「なぁおい、タイツ探してんだろ?」
ピアスの穴だらけの顔がぐいと近づけられ、恐怖に思わずのけぞる。
「……!!」
一瞬であがった息を、俺は手のひらで無理に抑えつけた。
「たっ、ぁっ、タイツぅっ?なんのことでしょう」
他人の喉のように声が上ずる。
恥ずかしくて情けないが、仕方がない。こちとらコミュ障の陰キャなのだ。
「小銭おとっ、おとしたんですけど、無いみたいなんで…」
腰を上げて立ち去ろうとするが、床から動けない。
よく見ると、ピアス男のスニーカーが俺の服の裾を踏んでいる。
俺は自分の顔から、さぁと血の気が引くのを感じた。
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深夜のタクシーの後部座席で、俺はスマホに向いていた視線をちらりとあげた。
「いやね、私も他のお客さんに聞いただけなんだけどね?」
運転席では50絡みの男が、眼鏡を光らせる。
「どうやらね、この街のどこかにあるらしいのよ。何かすごいものらしくて、それを探してる男がいてさ…」
奇妙だが荒唐無稽な話に、俺の鼻からついハッと息が漏れる。
「お客さん、下らないと思ったでしょ?確かに子供が考えたような話だけどさ。……金を出すって言ってる人がいるんだよね。190万」
その金額に、俺の心臓がどきりと跳ねた。
それは、田舎から出てきて大学を休学している俺の、消費者金融でこさえた借金よりも少し多かった。