「ゆとり教育」で教科書から消えた3桁同士の掛け算。「493×738」を筆算するときの考え方

「ドミノ倒し」の例

さて、ドミノ倒し現象で、図の(ア)では倒すAと倒されるBの関係だけである。しかし(イ)では、倒すCと倒されるEはそれぞれA、Bと同じであるが、Dは違う。DはCによって倒されると同時にEを倒しているので、「倒されると同時に倒す」働きをする牌である。

『大人のための算数力講義』(芳沢光雄著)

そのような牌の存在を理解することが、ドミノ倒し現象の本質を理解することである。

Dの働きが、3桁同士の掛け算で「下から送ってきた数を十の位に足すと同時に、百の位に新たな数を送る」という作業と本質的に同じであることをご理解いただけるだろう。