「ゆとり教育」で教科書から消えた3桁同士の掛け算。「493×738」を筆算するときの考え方

食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。

長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+α新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。

『大人のための算数力講義』連載第18回

『1/10の確率で採用される採用試験、20社受けたら採用の「期待値」は何社? 』より続く

筆算の意味

最初に、足し算と引き算に関しては、省略することをお許し願いたい。

次に、掛け算に関しては、繰り上がりの部分を理解するために、3桁同士の掛け算で復習するのが適当である。たとえば、

493×738=363834

の掛け算は、筆算では

『大人のための算数力講義』(芳沢光雄著)

となる。