”鉄頭” 既に帰国 深夜の上海空港拍手と歓声

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 靖国神社の石柱に放尿・落書きをしたことが確実な中国の動画投稿者”鉄頭(铁头、本名・董光明)”が2日夜に帰国したと報じる動画が中国の動画投稿サイトに複数アップされている。上海空港に帰国した”鉄頭(铁头)”を多くの人が歓迎の声をあげて出迎える様子が映し出されている。警視庁麹町署が器物損壊容疑で捜査を行なっているが、実行犯にまんまと逃げられてしまった可能性がある。

◾️2日夜に上海空港到着

上海空港での鉄頭とされる人物(奥、铁头在日本回来了,在上海下的飞机,有很多接机人员 画面から)

 中国の動画サイトbilibiliには2日夜から3日午前にかけて、”鉄頭(铁头)”が空港に到着した様子を写した動画が投稿され始めている。

 確認できる最も早い動画は「铁头成功归来,极限脱逃」(鉄頭は無事に帰国し、極限状態から脱出しました)というタイトルで、2日22時29分37秒のタイムスタンプがある。これは北京時間と思われ、日本時間2日23時29分37秒と思われる。

 黒のTシャツの上に茶色いフードのついたパーカーを着込み、フードで頭まで覆い、黒いマスクを着用して顔を見せないまま搭乗者出口通路を歩く。一般客のいるエリアに入ると、多くの人が拍手と歓声を挙げてスマートフォンで撮影をする中を悠然と歩いた。まるで凱旋帰国である。

 さらに3日0時5分52秒(日本時間同日1時5分52秒)には「铁头在日本回来了,在上海下的飞机,有很多接机人员」(鉄頭は日本から戻り、上海で飛行機を降りた、多くの出迎えの人がいた。)という別の角度から撮影された動画がアップされている。

◾️友人たちと帰国の乾杯

 3日0時7分2秒(日本時間同日1時7分2秒)には、「铁头涂鸦后续:王者归来,朋友们把酒庆祝吃饭」(鉄頭の落書き事件の後:王者が帰還し、友人たちは一緒に食事をして祝福した。)という動画が配信された。

 レストランか会議室と思われる場所で、テーブルの上には料理が並ぶ。”鉄頭(铁头)”は空港で着用していたパーカーを脱ぎ、その下に着ていたと思われる黒いTシャツ姿で、友人らと小さなワイングラスで乾杯した。その後、席について食事をしている。

 映像中には字幕も出て、友人たちからのコメントと思われるものが映し出された。

大哥就这几天就好好在家里休息休息 眞是辛苦了、没事可以直播 現在大家都想找聊天(兄貴、ここ数日は家でしっかり休んでください。本当にお疲れ様でした。何もないときはライブ配信してもいいですよ。今はみんながおしゃべりしたいですから。)」

 ”鉄頭(铁头)”はこうした仲間の声を聞いてリラックスできたのか、靖国神社での犯行前後での厳しい表情とはうってかわって明るい表情を見せた。

◾️麹町署に情報提供したが…

 ”鉄頭(铁头)”による靖国神社への落書きが明らかになったのが1日午前7時前のこと。翌2日には中国の動画サイトでは”鉄頭(铁头)”による犯行であることを示す動画が次々とアップされた。

 一方、高須クリニックの統括院長である高須克弥氏は犯人の身柄を拘束したら1000万円を進呈するとして、広く情報提供を呼びかけた。

 当サイトでは2日13時過ぎに、「靖国神社落書き 中国動画投稿者”鉄頭” 前科あり」をアップして、犯人とされる”鉄頭(铁头)”の人物像を示した。さらに同日夜には、石柱への落書きという器物損壊罪だけでなく、礼拝所不敬罪や入管法違反で併合罪となる可能性が大きく、逮捕・起訴された場合には最高で懲役4年6月で、実刑判決もありうるという見解を示す記事も紹介した(”鉄頭”を刑務所送り 靖国神社落書き犯実刑も)。

 同時に捜査する警視庁麹町署に情報提供を実施。電話に出た同署の担当者は「こちらでも捜査をしていますので。ありがとうございます。」とのことであったが、残念ながら、その時点で”鉄頭(铁头)”は機上の人となっていたのである。

◾️甘かった捜査当局の考え

乾杯する鉄頭(中央、铁头涂鸦后续:王者归来,朋友们把酒庆祝吃饭 画面から)

 常識的に考えれば、動画サイトで犯人がすぐに特定できる状況で、いつまでも逮捕のリスクがある日本に滞在している理由などない。早々に帰国することは十分に予想され、当サイトでも(”鉄頭”を刑務所送り 靖国神社落書き犯実刑も)の記事では「 ”鉄頭(铁头)”がまだ日本にいるのか分からないが…」としていたが、悪い予感は当たってしまったようである。

 これだけSNSが発達した時代には、そこも活用した捜査をしなければ容疑者の国外逃亡を簡単に許してしまいかねない。マスメディアはまだ容疑者の特定もほとんど報じていない。その前に容疑者に帰国されてしまったのであるから、残念ながらオールドメディアも、そして捜査当局も考えが甘いとしか言いようがない。3日正午前に警視庁麹町署に情報を提供したが、電話で話した印象では帰国した事実は把握していなかったように思えた。

 こうなった以上は、政府には中国に対して容疑者の引き渡しを求め、国家として厳しい態度で臨むことを示していただきたい。2011年に劉強なる中国人が靖国神社に放火し、その後、韓国に出国して最終的に罪に問えなかった失敗から13年。再び同じミスをしたことであれば捜査当局は真剣に反省しなければならない。そして、2度とこのような問題が発生させない努力を望む。

    "”鉄頭” 既に帰国 深夜の上海空港拍手と歓声"に1件のコメントがあります。

    1. 通りすがり より:

      こんな下品で下らない真似をした輩を英雄扱いで凱旋パーティーとは。
      民度が知れる。

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