第108話 炎の鎧を打ち砕け
バブーフは炎の鎧を身に纏いながら零夜達に襲い掛かり、彼等は次々と回避しつつ攻撃を仕掛ける。
「アローショット!」
「ブレイドスラッシュ!」
「炎魔脚!」
「飛龍弾!」
カルミナの弓矢、ソニアのカタール攻撃、キララの蹴り技、ジェニーのアッパーが襲い掛かるが、鎧はとても硬く、攻撃が効かぬどころか炎によって火傷を負ったりしてしまった。
「「あっちー!」」
「今、治療するわ!」
キララとジェニーは拳と足を火傷してしまい、マリーが魔術で彼女達の火傷を治療し始める。
「なんて固さだ!おまけに火傷まで付いているなんて……」
「どうやら一筋縄ではいかないわね……」
ソニアとアミリスは冷や汗を流す中、バブーフは両手から炎を出す。
「次はこちらの番だ!フレイムトス!」
バブーフは炎の球を投げまくり、零夜達は再び回避する。すると、炎の球は途中で向きを変えてしまい、倫子のお尻に当たって爆発した。
「キャッ!」
「倫子さん!」
倫子はお尻に炎のダメージを喰らってしまい、服に焦げ跡が付いてしまった。
「痛い……」
「すぐに治療します!」
倫子は既に涙目となってしまい、ミミが彼女の火傷を治す為にヒーリングを行い始める。
「俺の炎は自由自在!操る事ができたり、サーチも可能だ!」
(くそっ……なんて厄介な炎だ……せめて水攻撃で奴の鎧の隙間に入れる事ができれば……)
零夜が冷や汗を流しながら考える中、トラマツがすぐに弱点を察知する。
「ん?ちょっと待て。バブーフの鎧、なんか罅が入ってないか?」
「へ?」
トラマツがバブーフの鎧を見ると、罅が少し入っているのが見えた。
「あそこにある罅……もしかすると……」
零夜はすぐに考えて推測した直後、倫子の方を向く。
「倫子さん。ちょっと耳を貸してください」
「ん?」
零夜はボソボソと倫子に耳打ちし、その内容に彼女は納得する。
「任せて!アクアビーム!」
倫子はすぐに魔術を発動させ、ウィザードガントレットから水を放出。そのままバブーフの鎧に直撃した。
「ふん!その程度が効くか!」
「それはどうかしら?」
倫子がニヤリと笑ったその時、鎧に次々と罅が入り、炎も次第に沈静化していた。
倫子は鎧に罅が入っているところに狙いを定めていた為、それに水が直撃。罅は次第に広くなり、今にでも破壊されるのも時間の問題だ。
「馬鹿な!俺の鎧が!」
「止めは私が参ります!ランスブレイク!」
止めはジャンヌの槍攻撃がバブーフに炸裂し、鎧は破壊されて消滅してしまった。
「俺の鎧が……粉々に……」
「これでお前も終わりだな。すぐに諦めろ」
「くっ……くそっ……」
バブーフは両膝を着いて降伏してしまい、シャングリでの戦いは終わりを告げられた。